昭和史講義: 最新研究で見る戦争への道 (ちくま新書 1136)

制作 : 筒井 清忠 
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 347
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480068446

感想・レビュー・書評

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  • 昭和史についてちゃんとした専門研究者が書いた一般書というのは存外少ない。そういう意味で、トピックごとに最新の研究成果を示した本書は、それぞれのトピックの入門編及びブックガイドとして適切なんじゃないかと思う。ただ「昭和史論争」じゃないけど、そこに「人間が描かれていない」という感じはする。まあ全ての視点を盛り込むのは無理なのだけど。あとは朝鮮人強制連行、南京事件、慰安婦といった論争になっているトピックは基本的に避けたのかなという印象もある。ただその2、その3とシリーズは続くので手にとってみたい。

  • 最新の研究成果というのだが今までの定説を覆すのに必死で、本書まえがきにある通り、研究者自身が自分の狭い専門領域に閉じこもっているというのもさもありなんという感じ。軍部の独走ばかりが批判されるがそれ以外の所に問題が無かったのかを検証するのはいいのだが、逆に一般読者が本書を読むと満州事変や張作霖爆殺に陸軍の問題は殆ど無かったかのごとく感じるのではないか?

  • 感想未記入

  • 昭和史の最近の研究成果を反映させた論文集だ.ロンドン海軍軍縮会議(1930),満州事変(1931),2.26事件(1936),ノモンハン事件(1939),日独伊三国同盟(1940)などに関して新しい知識が得られた.従来の説とやや異なる記述も目立つが,参考文献を詳細に示していることで,いわゆる俗説ではないなと感じた.

  • 保育士だった祖母?が子供の育て方の本を読んでいて「プロだったのになんで今も勉強してんの?」て聞いたら「プロだったから考え方が変わるの知ってるし、プロだから常に勉強してる」って答えた。(超訳)

    みたいなのTwitterで昔流れていましたが、まさしくどの分野でもこれは言えるのだなぁと、昭和史においてそんな1冊です。

    現状、研究の細分化とか知りませんでした。

  • 昭和史の基本的知識が十分ではないもので,流れをつかみにくかった。時間のあるときに,勉強し直したい。

  • <目次>
    第1章  ワシントン条約体制と幣原外交
    第2章  普通選挙法成立と大衆デモクラシーの開始
    第3章  北伐から張作霖爆殺事件へ
    第4章  ロンドン海軍軍縮条約と宮中・政党・海軍
    第5章  満州事変から国際連盟脱退へ
    第6章  天皇機関説事件
    第7章  二・二六事件と昭和超国家主義運動
    第8章  盧溝橋事件~塘沽停戦協定からトラウトマン
         工作失敗まで
    第9章  日中戦争の泥沼化と東亜新秩序声明
    第10章  ノモンハン事件・日ソ中立条約
    第11章  日独伊三国同盟への道
    第12章  近衛新体制と革新官僚
    第13章  日米交渉から開戦へ
    第14章  「聖断」と「終戦」の政治過程
    第15章  日本占領~アメリカの対日政策の国際的背景

    <内容>
    コンパクトに昭和史(占領期まで)をまとめた1冊。各章末に参考図書も並べられていて読後の勉強の役に立つ。また感情に走ることなく、淡々と史実と最新の分析が書かれている。こうした本をもとに、様々な論議がなされてほしいと思う。

  • 全15講からなる「昭和史講義」。“複雑きわまる戦前期を正確に理解するための決定版通史”と帯には惹句が掲げてあるが、多分、何の前提の知識もない人が読んでもちんぷんかんぷんだと思う。

    そういう意味で多少この時代に興味を持ち、何冊か概説書も読んだけれど、イマイチよくわからない人が読んで、“最新の研究はこういう資料を使ってこうした議論がされているのか……” と、もしかすると概略を掴めるのかもしれない、といった感じのテキスト。

    決して簡単で易しいという本ではないが、コンパクトなまとめと導きのブックガイドは非常に有益(ただし、経済史・社会史のネタはほとんどなし。政治史・外交史に偏ってはいる)。

  • 210.7||Ts

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