蘆屋家の崩壊 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480429483

感想・レビュー・書評

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  • 幻想奇譚
    猿渡君と伯爵の軽快なやりとりが良い。
    「猫背の女」で背筋が寒くなった。

    無性に豆腐料理が食べたくなる。

  • 猿渡シリーズ
    面白いです
    主人公がヘタレな感じがいいです

  • ちょっと怖いけど、不思議な後味の残るお話たち。「埋葬蟲」読んで、貴志祐介の「天使の囀り」を思い出して、ゾワゾワってした。
    猿渡の危なっかしいところを伯爵がフォローして、いいコンビだと思う。

  • なんやねん、これ!おもろいやんけー!と変な関西人になってしまうほど面白かった。

  •  ある仕事の帰り道、大宮の外れのトンネルで三十代フリーター・猿渡は人をはねそうになったが、すんでの所で事故にならなかった。その相手は伯爵と呼ばれる小説家だった。
     詫びに自宅まで送ると車に乗せた車中、お互い常軌を逸した豆腐好きとだとわかり、それから交流が始まる。伯爵と出かける先々で、二人は様々な怪異と出会う短編集。
      

     再読。ハードカバーが出版された頃購入して読んでいるのですが、もうどこに行ったか分からないので、文庫を購入。

     フリーター? の三十代、猿渡氏と、小説家の伯爵(と呼ばれている)の二人が出会う怪異の短編集。最初のトンネルと蟹の話は何となく覚えてました。もう読んでから14年経っているのですね~。
     怪異だけれど、酷く怖かったり生理的に気持ち悪いということはあまり感じなかったです。文体のせいなのでしょうか。(埋葬蟲は気持ち悪かったですが。。。(^^;)  蟲はちょっと)
     幻想なのか現実なのか、狭間に心許なく揺れる猿渡の心中を読むのが、少ししんどい時もあるけれど、何というか……好きなんです、この本。でも好きといっても人に勧められる感じでもなく。。。微妙。
     幻想系が好きなのか、何でこの本を手元に置きたいのか自分でもよく解りませんが、妖しい魅力を感じてしまうのでした。
     内容とはぜんぜん関係ありませんが……作中「ケルベロス」の小太郎を抱きしめてパフパフしたい!

  • 探偵小説のつもりで読み始めたが、表紙をよく見ると幽明志怪とあった。これがシリーズ名か。
    ミステリ要素もありつつのホラー、怪奇、幻想小説か。たまらんね。
    大変面白かったです。続きも読まねば。
    津原さんの作品、読んでへんのがたくさんあるな。ウキウキ。

  • 読み流してると前後の文脈を失うそぎ落とした短編集。注意してついていく価値はありました。怖いんだけど、読みながら何故か眠くなる小説でした。

  • ② 怪奇幻想連作短編集です・・・といっても、背筋が怖気立つようなオドロオドロしたものではなく、行間から怖さがじわぁっと染みだしてくる感じです。シリーズであることを知らず、先に〝ピカルディの薔薇〟を読んでしまいましたが、とくに違和感を覚えることもなく物語に入っていけました。日常の中に潜む、すぐそこにある怪異という親しみやすさ(?)がリアリティを生むのでしょうか。無頼を気取っている主人公も、実は繊細な感情の持ち主で、実はロマンチストなのかなぁと思わせるところも、作品の魅力になっています。

  • 三十路を過ぎて定職に付かない猿渡と、怪奇小説作家の「伯爵」に起こる奇怪な現象たちをつづった短編集。
    巨大な赤い蟹、悪しきものを封じるケルベロスのような海外神話めいたテイストもあれば、トンネルにまつわる幽霊談・ストーカー女など都市伝説っぽいもの、葛の葉・白狐・蘆屋道満などの伝承・歴史もの、和洋折衷で恐ろしいもの・幻想的なものを様ざまに登場します。
    虫のお話は、貴志さんの「天使の囀り」を思い出すけど、もっとこちらは綺麗にまとめあげている感じ。
    血なまぐさいホラーではなく、あくまで静寂な余情をもったミステリー風味のファンタジー。

    メインの伯爵と語り部の関係性も、少し歪で不安定さがあって一般的な「友達」とも違って面白いです。

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著者プロフィール

1964年広島市生まれ。青山学院大学卒業。“津原やすみ”名義での活動を経て、97年“津原泰水”名義で『妖都』を発表。著書に『蘆屋家の崩壊』『ブラバン』『バレエ・メカニック』『11』(Twitter文学賞)他多数。

「2023年 『五色の舟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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