- Amazon.co.jp ・本 (457ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480430427
作品紹介・あらすじ
「日本SF初期傑作集」とでも副題をつけるべき作品集である。(筒井康隆)-優れた書き手たちがその個性を存分に発揮しつつ、SFと小説の可能性を探り続けていた1960年代の代表的傑作を集める。斬新なアイディア、強烈なイメージ、ナンセンスの味わいなどがたっぷり。「SF」の枠組みを超えて、二十世紀日本文学におけるひとつの里程標となる歴史的アンソロジー。
感想・レビュー・書評
-
筒井康隆らしい、新機軸を巧みに導入した短編を集めた選集だった。ただ、筒井の悪い癖である構成が重視され、理論偏重になっていたきらいがなかったとはいえない。
当時新しかった新機軸でも今では使い古された手法の1つとなっていたものもあり、時代を感じた。とはいえ収録作品はどれも瑞々しく読みごたえがあり、SFの領野はこれほどまでに拡げることができるのかと驚いた。若く野心的な一冊だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
60年代に書かれたsfなんて今更読んでも面白くないだろうという偏見を吹き飛ばす、珠玉の作品たちが勢ぞろいの短編集。時代の雰囲気を映した重めの作品と、人を食ったようなスラップスティックで皮肉な作品が半々くらいで収録されている。
筒井康隆の解説もしっかりと書かれているので、先にそちらを読んでから本編を読んでもいいかもしれない。
個人的に面白かったのは以下。
わがパキーネ(眉村卓)、渡り廊下(豊田有恒)、ハイウェイ惑星(石原藤夫)、終わりなき負債(小松左京)、機関車、草原に(河野典生) -
2020/8/29購入
-
うーん、編者の趣味が合わないのか、それともやはりSF発展の初期だからなのか、あまり面白いと思える作品には出会えませんでした。
その中で山野浩一の『X電車で行こう』は、姿の見えない電気だけの「幽霊列車」という、罪のない鉄オタサラリーマンのファンタジーが、大量虐殺を引き起こす悪夢へと変貌していくさまが強烈な印象でしたが。 -
昭和30〜40年台のSFをかの筒井康隆氏が集めたアンソロジー。
当時の鬱々とした精神世界が反映されていたり、その頃から想像した未来として現在の社会が描かれていて、的確な批判がなされていたり、凄いです。
一番最初に星新一さんの短編が掲載されているのですが、別な意味で驚きました。流石筒井さん。 -
1980年10月に徳間書店から刊行。2013年3月ちくま文庫にて復刊。15のSF作家によるアンソロジー。全て再読です。いずれも面白いお話で、60年代SFを再認識できました。楽しかった。
-
筒井康隆は中学から高校にかけて狂ったようによ読んだ。新潮社から出た全集も毎月出されるのを楽しみにしてた。が、いつしかから、SFの荒唐無稽さが、バカらしく思え離れてしまった。
今回、本当に久しぶりにSFを読んだ。目利きの筒井氏の撰修といこともあり期待してたが、やはり玉石混淆かな。
個人的には、ハードSFより、情感溢れる「渡り廊下」や、発送が面白い「そこに指が」「X電車で行こう」が好み。
続刊で70年代の集成も出ているが、購入どうしようかな。 -
<閲覧スタッフより>
【SF文学諸作品】
国内外のSF小説黎明期から現代まで、定番を中心に様々な作品を集めました。中には映画化されたものもあります!お気に入りの一冊を探してみてください。
--------------------------------------
所在記号:文庫||913.6||ロク
資料番号:10219835
-------------------------------------- -
2013年3月10日初版、並、カバスレ、帯なし
2014年1月2日松阪BF