- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480842909
作品紹介・あらすじ
頭を働かせるにはまず忘れること。情報・知識でメタボになった頭脳を整理し、創造・思考の手助けをするのは忘却なのだから。『思考の整理学』の続編。
感想・レビュー・書評
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ヘミングウェイの話が印象的。
全編内容としては想定よりも主観な印象。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一日を過ごすと大小のゴミが頭の中に散乱し、いわゆるエスや自我みたいなものにとらわれるということで、瞑想に近いものを感じる。昔は忘れっぽいことを悪いことだと感じていたけど、最近自分の中では、同じ本や類書を繰り返し読むと地ならしされて、だんだんつながっていく感覚がある。本書に戻ると、これがすごいのは、短いエッセイの数々はテーマ、結論が同じであり、エピソードは全然覚えなくていい。つまり、忘却してよいものであり「忘れていい」実感を伴った練習ができることにある。
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学校教育において試験とは、往々にして記憶力のチェックである。
記憶力が悪い→点数が悪い→頭が悪い
とされ、悪者のレッテルを貼られてきた「忘却」を
もっとポジティブに捉え直してみようという本。
例えば本の読み方。
「短編と長編・大作では読後感に大きな違いがあるが、それは忘却力の差に根ざしている。
短編は読み始めの部分の記憶が生々しいうちに終末を迎え、読者の受ける印象は絵画的だ。
一方、長編は後半になると初めの方のことが、
時間のスクリーンを隔ててかすかに響いてきて、その重層的印象は音楽的である。
記憶と忘却の交錯したところで心象のメロディーが生まれ、
作品は強い感銘を与える事ができると思われる」
また、
「古い友人との付き合いが味わい深いのは、
忘却によって余計な事は美化されているからだ。
忘却のかなたにあるものは、おしなべて哀切で美しい」などなど。
ふーん、なるほど。一理ある。
長編を読んだ後の、なんとも形容しがたいしみじみした読後感には、
忘却の作用も働いていたのか。
なかなか面白いアンチテーゼだった。
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朝食前に思考せよや、三上・三中の考え方は思考の整理学でも述べていた
内容がダブっているから読まなくてもいい……なんてこともなく、私も久しぶりに読むそれらのことをいい感じに「忘却」しているので、復習するような気持ちで読んだ。 -
忘却に関するエッセイ集。
思考と知識はトレードオフの関係にあり、知識の部分をスマートにすることによってより思考の深さを上げられる。
ただ、忘却はあくまでも知識を身に着けたうえでの忘却であり、無知ではない。完全忘却ではなく、必要な時にトリガーとなって思考の手助けをするための忘却、といえるだろう。 -
勉強で記憶することに執着する一方で、仕事では次に活かせる部分は記憶しつつ、不要な部分を忘却することで「切り替え」をする必要がある。記憶は自覚的だが忘却は自然的に起こるため、次に活かす部分を整理してシンプルに記憶するよう意識することで、他の不要な部分を忘却する必要がある。
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思ってたのと違った
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頭の中にこびりついた澱のような、、日々摂取する情報量が多くてうんざりしていた。
この本を読んで、それは仕方ないのだと思った。ただ睡眠によって毎日脳みそは整理されているらしい。 -
◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB00410976