百冊で耕す 〈自由に、なる〉ための読書術

著者 :
  • CCCメディアハウス
4.08
  • (52)
  • (60)
  • (19)
  • (8)
  • (2)
本棚登録 : 957
感想 : 59
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784484222332

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • これまで多くの人々が読書に捧げてきた時間の価値を言葉にする。すべての読書を愛する人を肯定する、素晴らしい本だと思う。

  • ぐいぐいと引き込まれて、久々に一気に読みきった。自分を律するために、自分を耕すために、強くなるために、人を愛するために、本を読み続けたいと共感。古今東西、読みたくて読んでない本のなんと多いことか。本は読めば読むほど、読む前の自分を越えていくことを再認識。日々成長し続けたい。

  • あの『三行で撃つ』の続編として書かれたという、読書論・読書術本である。

    正編がライター向けだったのに対し、本書はもっと間口が広い。

    読書論・読書術という手垢にまみれた分野で、しかも奇をてらったものではなく正攻法の内容なのに、真似のできない独創的な本になっている。大したものだ。

    全編にあふれる古典至上主義の臭味や、ビジネス実用書蔑視の姿勢に反発を覚えなくもないが、これはこれで一つの立場だ。

    小手先の読書テクニックを、総花的に列挙する本ではない。自分にとっての究極の百冊を選ぶために、その前段階として、半生を費やして大量の読書を続けていく――そのためにはどのような心構えとノウハウが必要かが、一冊を通して綴られている。

    実用書であり、ブックガイドでもあるが、反面、読書術の本としては例外的なほど、著者の自分語りが随所に詰め込まれている。

    だが、それはけっして脱線ではない。著者の読書術を開陳するためには語らざるを得ない必然性を持っているのだ。
    ゆえに「自分語りウゼー」とはならず、読み物・読書エッセイとしても一級品になっている。

  • 読書術を称する本の中では圧倒的に良かった。ただの How to本ではない。読書という行為に対してここまで多角的に語れるものかと思わせる。速読法なんてのは序の口で、遅読、英語で読む、第二外国語で読むなど、常識的にはそこまでやるのは難しいだろうと思われることが多々書かれているが、これも著者の圧倒的な蓄積からくる挑戦状なのだろう。著者の内面や思想がチラホラ出てくるのもまた良い。巻末の百冊リストも圧巻。一つでも真似できることがあれば儲けもの。そう思うくらい清々しい読後感がある。

  • 読書に慣れていない自分からすると、読書は難しくてとっつき難いイメージがあった。
    しかし、この本を読み、読書のイメージが変わり、もっとラフに読んでいいし、こっちの線を引くなど、受け身にならない読書があることを知った。
    そのおかげで、読んでて飽きないし、読んだ後の消化の仕方まで納得して読書ができると思った。

  • 映画と同じで楽しいから読むでいい。いまさら読書指南術でもあるまいと思いながら手にする。“なるほど”から“耳に痛い指摘”まで。幾つになっても時には、この手の本も必要か。「なぜ本だけは読めたのだろう。ひとつだけ確かなことがある。本が薄味だからだ。押し付けがないからだ」「一年前の書評チェック」「1日15分ずつ4冊以上の本を同時並行して読んでいく」3冊まではやっていたが…。「日本の古本屋」ネットチェック。「記憶すればするだけ必ずキャッシュは増える。年ではなく記憶しないと記憶出来ない」文学作品を読む効用は「世の中の常識とされていること、あたりまえと受け入れられている前提を疑ってかかる」こと。「本は糸だ。人を、世界につなぐ、かすかな機縁だ」近藤サン、天草でもサツ回りしてるんだ、サラリーマンだから当然と言えば当然だが…

  • 著者の前作『三行で撃つ』が好きだったので手に取った。著者の独特な(でも、普遍的でちゃんと効力を持つ)読書術が各章ごとに二節で記されているのだけど、著者自身も言っているようにそれぞれの項目が「A面、B面」で表現されていて、まるでレコードをひっくり返しながら読んでいるみたいだった。レコード、ひっくり返したことないけど。
    読書はかっこつけでいい、という考え方が好きだなと思った。私も正直、読書する人はかっこいいと思っているから読んでいるみたいなところが少なからずあるし。みんなと違うことがしたいから本を読む、みたいな不良マインド、ちょっとはあるよね。それでもいいんだよなあ。
    あとは読書と愛の話が興味深かった。本を読むことは孤独に耐えられるということで、それはつまり人を愛せるということ、らしい。今はまだぴんとこないけど、いつか納得するときが来るんだろうか。それとも私はすでにわかっていて、それに気づいていないだけなんだろうか。
    それを知りたいからまた本を読む。誰かのためではない、私のために読む。

    【読んだ目的・理由】著者の前作が面白かったから
    【入手経路】買った
    【詳細評価】☆4.4
    【一番好きな表現】自分が入れる範囲までしか、自分の心に入って来ない。ひとたび入れようとするなら、どこまでも入ってくる。意味を拡張する。染み入る。繊細で、微妙で、薄味な悦びが、頭と心を満たす。気持ちを、逸らす。「いま/ここ」から、逃避する、罰せられざる悪徳・読書。(本文から引用)

  • 目次は体系だっているような感じだが、実際に読むと脱線しまくりで。でも、それに乗せられてしまうのが心地よい。

    書かれている方法をすべて取り入れようとはさすがに思わないが、明日以降、本との向き合い方は確実に変わりそうだ。

  • 書名に 読書術 と謳われているが、世に氾濫している読書法とは一線を画している
    読んだ本を血肉にするための読み方、記録の仕方や、血肉とする本の選び方まで紹介してくれている
    理路整然と記載されており、精神的なハードルが高くならないよう配慮された言葉も挟まれている
    しかしながら、読書に若干慣れた方や、これから読書に馴染みたいと主体的意識を持った方でないと、参考にしようと考えにくそうな内容と感じた
    私自身にとっては興味深い内容だった

  • 一種の実用書として勘違いして読んではいけない。これは、ナラティブ(物語)だ。著者の本に対する熱い想いがヒシヒシと伝わってくる。熱すぎるくらい。とにかく文章が読んでいて気持ちがいい。前作「3行で撃つ~」を読んでいないことを悔やまれる。
    実用書的に参考になるかというと、無理だろう。それで良いとすら感じる内容の充実っぷりに感動する。こういう人に憧れる。だから本を読む。
    (4/24/23)

全59件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1963年東京都生まれ。朝日新聞社入社後、「AERA」編集部、文化部、長崎県諫早支局などを経て、現在大分県日田支局長。著書『朝日新聞記者が書いた「アメリカ人アホ・マヌケ」論』、『おいしい資本主義』他。

「2023年 『アロハで田植え、はじめました』 で使われていた紹介文から引用しています。」

近藤康太郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
川上未映子
朝井 リョウ
アンデシュ・ハン...
ジョン・ウィリア...
千葉 雅也
マシュー・サイド
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×