- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784487807871
作品紹介・あらすじ
「高飛車」から「くわばらくわばら」まで40の言葉の由来を写真に撮った。
感想・レビュー・書評
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ホントは面白い「謂れ」のある言葉を、写真をつけて「見る」ことによって、さらなる発見をもたらすシリーズ第一弾。おかべたかし・文、山出高士・写真。
興味深かったのは全40言葉のうち22。順番に並べる(言葉の意味解説は出来るだけ避けました)。
・「阿漕(あこぎ)」
漕ぎ方のことではない。まさか地名だったとは!
・「急がば回れ」
和歌「もののふの矢橋の船は速けれど 急がば回れ瀬田の長橋」より。場所は琵琶湖です。
・「ベーゴマ」
貝独楽のこと。バイ貝にそういえばよく似ている。
・「うだつが上がらない」
左官修行した身としては、唯一ハッキリ分かった言葉。でも綺麗な写真見れて良かった。
・「瓜二つ」
決して2つの瓜が似ているから、ではない。とは初めて知った。
・「金字塔」
ピラミッドのことだそう。ということは、つい最近の言葉だよね。
・「剣ヶ峰」
剣山のことじゃない。
・「差し金」
(陰から人を操ること)元は文楽人形を操るための鉄の棒、或いは歌舞伎における蝶や小鳥の竿。
・「試金石」
(人や物の価値を推し測る基準)えー!この真っ黒な粘板石のことだったの?
・「鎬を削る」
しのぎとは、刀の側面の1番高くなっている稜線の部分。先の面のことではない。コレを削る戦いって、どんな勝負?
・「勝負服」
服の色。競馬は馬によって決まり、競艇は枠順で決まる。
・「図星」
弓の的の中心にある黒い丸の事。でも、「図星を射る」とは言わない。言うのは「正鵠を射る」。何故だ?
・「高飛車」
将棋で高圧的な態度でプレッシャーを与える戦法らしいが、勝率は良くないらしい。現実でもそうだよね。
・「蓼食う虫も好き好き」
築地で鮎のツマとして800円で売っていたらしい。見ると、純粋葉っぱの方だった。ずっと赤い花のことだと思ってたいた。
・「薹(とう)がたつ」
蕗の薹が立つことではない。花茎や花軸のこと。伸びると、野菜が硬くなり食用に適さなくなるから。そういえば蕗の薹が伸びるとそうなる。ブロッコリーもそうかな。
・「灯台下暗し」
海にある灯台ではありません。知らなかった!
・「とどのつまり」
北海の海馬(とど)ではありません。オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トドの、詰まり、です。改めて、ボラは語源の宝庫。「いなせ」は日本橋の粋な若者が髪を「鯔背銀杏(いなせいちょう)」に結ったことに由来するそう。
・「拍車を掛ける」
(物事の進行を早める事)乗馬靴のカカト。コレを脇腹に当てて馬を早く走らせる。可哀想。
・「贔屓」
中国の亀に似た伝説の生き物で、重い物を背負うの大好き。(特定の人や物を可愛がる)そうか!アイツ亀じゃなかったんだ。
・「洞ヶ峠」
京都八幡市と大阪枚方市の間の洞ヶ峠(ほらがとうげ)で、筒井順慶が秀吉・光秀の形勢を見守っていたことから出た言葉らしいが、実際にはそういう話はなかったらしい。同じ山崎の合戦系列ならば、天王山の方が現実味あり。
・「もぬけの殻」
モノノ怪の殻ではない。もぬけとは、蝉や蛇の抜け殻のこと。
・「埒があかない」
馬場の柵のこと。不埒は柵がないこと。なるほど!
‥‥全部書いていたら埒があかないので、此処まで。
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阿吽の呼吸・阿漕・頭隠して尻隠さず・急がば回れなどの言葉の語源を写真で示し解説を加えた本。ほほう、へえーと思うこと必然。写真が秀逸。
「頭隠して尻隠さず」が雉のこととは知らなかった。けんもほろろというのも、雉の鳴き声からとか。
「几帳面」が神社仏閣の柱の断面の形から来ているとは。几帳面な人しか作れないから。
「くわばらくわばら」は菅原道真の領地の桑原から来ていると思っていたが、大阪の西福寺の雷井戸から来ている説も。でも、どちらも大阪だ。
「図星」も正鵠を射るも、弓矢の的の中心から。
「蓼食う虫も好き好き」の蓼をる実際に市場で見つけて買って写真を撮ったそうだ。
「玉虫色」どのようにも受け取れるあいまな表現のことだが、玉虫のいろんな色に見える金属のような光沢の羽から。
「洞ヶ峠」を決め込むというのは日和見のことだが、国道1号線にあるそうだ。
「埒が明かない」の埒とは馬場の柵だったとは!
全60語。-
goya626さん。
この本を読まれたのですね。
レビューを見て、目の付け所って人それぞれなんだなあと思っておりますよ。
面白いシリー...goya626さん。
この本を読まれたのですね。
レビューを見て、目の付け所って人それぞれなんだなあと思っておりますよ。
面白いシリーズなので、もっと大勢の人に読まれてほしいです。
そして本に載って無いことまで話が広がるといいんですけどね。2020/09/19
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レビューなんぞ載せてしまうのが、もったいないくらい面白い。
こういう本が読みたかったんだな、私は。
写真集なのだがひと味もふた味も違う。
日常的に使っている言葉の由来をまず写真で載せ、次ページでは簡潔で優しいテキストで紹介してくれている。
日本語の深い魅力を改めて発見。
そして、ひとつずつの言葉の奥にある歴史や文化をしみじみと想像してみたり。
初めに登場する「あこぎ」からして、目からウロコ。
「阿漕(あこぎ)」と左に載っていて右に美しい海辺が。
どうしてこれで正解が導き出せるものか。
しかし、次ページにはちゃんと分かりやすい説明がある。
そして、「う~ん、そうだったのか!」となる。
そこはかとないユーモアを漂わせた知的な文章と美しい写真で、次から次へと「自分が何も知らずに生きている」ことを思い知ることになる。
「几帳面」「差し金」「折り紙付き」「勝負服」「試金石」「引っ張りだこ」・・
全部で40の言葉が紹介されている。
「灯台もと暗し」の「灯台」は、海にある灯台ではない。
え?もしや私だけ知らないの?
時折登場するコラムも楽しく「撮りたくても撮れなかったもの」が語られる。
シリーズで出ているらしいので続編に期待。
広い意味での「雑学」に入るのだろうし、本で読まずともネットで検索しようと思えば誰でも簡単に出来てしまうのかもしれない。
それでもあえて手間暇をかけて画像を載せ、文章で語ってくれたというこの仕事に深い敬意を込めて再読&再読。
この一冊で家族や友人との話の糸口になったりもするんだろうな。
そして、こういうことを知ることで人生は豊かになったりもするのだろう。-
nejidonさん
コメントありがとうございます!
みなさんのレビューで高評価だったので借りてみたんです。
子供たちはあまり興味を...nejidonさん
コメントありがとうございます!
みなさんのレビューで高評価だったので借りてみたんです。
子供たちはあまり興味を示さず、私のお楽しみとなりました。
こういうのって大人になってからの方が楽しめるのかもしれませんね。
続編も楽しみです(^0^)2015/11/23
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2013年発表。
「高飛車」「おしどり夫婦」「分水嶺」から「くわばらくわばら」「図星」まで、40の言葉の由来を本当に撮ってみた、撮りに行った。
言葉と歴史の雑学満載の、ばかばかしくも壮大な写真集。
(Amazonより)
言葉一つ一つの
由来「そのもの」の
写真を載せたような辞書が
現在ないこと、
普段普通に使ってる言葉でも
実物を見たことがないことって意外に多いこと、
そんな理由から
この本の企画を
ふと思いついたという
著者のおかべさん。
例えば「試金石」って
石を見たことがある人は
実際何人いるんやろ?
あうんの呼吸の
「阿吽」とは?
「あこぎな奴よのぉ〜」
と時代劇でもよく使う(笑)
「阿漕」に隠された真実とは?
「引っ張りだこ」が
ホンマにおるって
知ってましたか?
互角の語源となっている
角が生えた牛
見てみたくないですか?
岐阜県の美濃市にあった
うだつが上がらないの「うだつ」。
などなど、
何の気なしに手にした本やったけど、
いや、これが
意外と面白い(^_^)v
イメージってコワいですよね(笑)
言葉から勝手に思い浮かべてたものと
実際のものは
似ても似つかない形だったりして(笑)
ページをめくり写真を見るたびに
普段使っている言葉に隠された
真の姿に仰天し、
まさに目からウロコの
新しい発見に膝を打ち、
誰もが
言葉ってスゴいと
ドキドキを感じるハズ(笑)♪
(へぇ〜ボタンがあれば連打しちゃうに違いない!)
日本全国津々浦々
わざわざカメラマンを連れて
綺麗な写真にこだわり
実物を撮りに行ったというだけに
写真そのものに説得力があって
見入ってしまうし、
写真を見ることで
言葉を絵としてイメージできるので
知り得た意味を忘れないし、
目で見て
そして言葉を読むことで
より深い理解にも繋がります。
読書家だからこそ分かる
言葉の大事さや奥深さ。
ブクログユーザーの皆さんなら
ビビビと反応して食指が動くであろう
真面目でおバカな写真集です(笑) -
ベーゴマの”ベー”って何?
おしどり夫婦って本当に仲良し?
色々な言葉の元となった姿を写真に撮って説明した写真本。
写真で見ると確かに分かり易いですね。
灯台の元は本当に暗かったことがくっきり分かるし、
馬の口輪がアップで見ると本当に窮屈そうで、たしかにこれを取ったら”羽目を外し”たくなるよなあとか、
表紙の”引っ張りだこ”で、干したこを作る様子、として微笑ましいと思っていたら「古来では刑罰である磔の異名」とも描かれていて、ちょっと”うわあ”な気分にもなったり。
台所を”お勝手”というのが、「昔は女性が自由に使えるのが台所だけだったから」という説明に歴史を感じたり、
蓼食う虫も好き好き の蓼で「鮎蓼を作ったらおいしかった!」というが、私は蓼を食したことがないのでネットで作り方を調べてみたり。
山から流れた水が日本海と太平洋に注ぐものに分かれる”分水嶺”の写真は、ちょっと感動だった。
贔屓というのが”重いものを背負うのが好きな亀に似た中国の伝説の生き物”とは全く知りませんでした。
良い男の語源である”イナセ”は出世魚で、オボコ⇒スバシリ⇒イナ⇒ボラ⇒トドとなるんだが、”イナセな男”が行きつくと”トドのつまり”になっちゃう…というのは妙に物寂しさも。(初心な娘さんを”オボコ”というのは偶然?もしこれが語源なら、オボコな子供がイナセに成長しトドのつまりに…ってますます物悲しい/笑)
言葉には色々説があるということで、自分の認識と違ったものもありました。
まじない?言葉の”くわばらくわばら”は、菅原道真の領土の桑原で、「ここはあなたの領地だから雷落とさないでね」かと思っていたのだが、他にも「雷神を井戸に閉じ込めた」とか諸説あるんですね。
”阿漕”とは「河を渡すときに高額を要求する船頭の名前」だとむかし聞いた覚えがあるのでそうだと思ってました。芥川龍之介「偸盗」にも阿漕という女性が出てくるので、この名前は女性名なのか男性名なのか?と疑問だったんです。しかしどうやら言葉の語源としては”阿漕ヶ浦”だということで。長年の勘違いが解消(ーOー;)
作者とカメラマンが実に楽しそうで、
瓜二つっていうから胡瓜を切ってみたけどそんなにそっくりじゃないじゃん!とか、
”試金石”を通販購入したら7350円だった!とか、
”頭隠して尻隠さず”の写真を撮る為に、雉が草むらに頭だけ突っ込むのを待ったぞ!とか、
愉しみつつ拘りつつで実に楽しそうな雰囲気が伝わってきます。
続編も出ているようですが、本編解説でカメラマンが「”目白押し”のために(鳥の)メジロが並んでいる所を写真に撮りたかったけれど撮れなかった」「海峡と外海の”瀬戸際”が撮れなかった」などと書いていますが、メジロの並んだ写真や、水の分かれ目は撮れたのかな?-
淳水堂さん、お久しぶりです(^^♪
楽しまれた様子が伝わってきて、にこにこしながら読ませていただきました。
続編もございますので、よろし...淳水堂さん、お久しぶりです(^^♪
楽しまれた様子が伝わってきて、にこにこしながら読ませていただきました。
続編もございますので、よろしければどうぞ(笑)
こういう手間暇かけた本というのは、滋味があふれててていいですよね。
2015/11/21 -
2015/11/21
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「目でみることば」シリーズの第1作目。
40の言葉の由来についてを言葉と写真で紹介。
50音順。一つの言葉で4ページ。
言葉、姿、説明と関連する情報での構成。
コラム、撮影協力、主要参考文献有り。
知ってるようで知らなかった言葉を写真で見たら、一目瞭然。
「灯台下暗し」は現代の灯台じゃなかった。
「試金石」って実在するんだ。
「勝負服」って、競馬と競艇では違うんだ。
歴史や風習から浮かび上がった言葉もある。
関連する情報も楽しい。
雉が美味しいという理由も国鳥に選ばれたって・・・食べてみたい。
文も写真も何だか楽しいそうな雰囲気があるのが、また良い。
日本語って面白いなぁと楽しんでしまいました。 -
語源を写真で表現する。わかりやすくて面白い。記憶術の一つとしてイメージ法があるが、それを楽しく表現したもの。続編も借りてみたくなる。
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きれいで印象的な写真。
堅すぎないゆるい文章。
そして意外な語源が眠っていることば。
息抜きをしたいときにぱらぱらとめくりたい一冊。
こういう本を持っていると、
なんだかホッと気持ちが豊かになる感じがする。 -
面白い企画だな。
なかには、「へえ、そうなんだ」と思えるものも。 -
普段、何気なく使っている言葉の由来となるものを写真にとって紹介しています。
「へえ~っ、そうなんや~!」と驚きあり、笑いあり。「?」が「!」に変わる本です。
さて、この表紙のタコはどんな言葉を表していると思う?
ルビがないですが、写真があるので中学生なら気軽に楽しめます。
『目でみることば2』や『似ていることば』などもおすすめ。
(kei)
★★★★★
表紙の写真は『引っ張りダコ』
いろんな言葉を写真で見て、意味を知る、語源を知る。
この本で出会った言葉は、一生忘れられない気がします^^
(まっきー)-
『贔屓』が伝説の生き物とか、『灯台下暗し』の灯台が蝋燭台のこととか、面白かった。
金字塔とはピラミッドのことらしいが、いつ成立した言葉...『贔屓』が伝説の生き物とか、『灯台下暗し』の灯台が蝋燭台のこととか、面白かった。
金字塔とはピラミッドのことらしいが、いつ成立した言葉なのかな?
ピラミッド状の建造物が昔からあったのか、近代に作られた言葉なのか?
(まっきー)2013/05/29
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