- Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488013523
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
中世欧州のキリスト教の宗派やら対立やらへの理解が足りず、やたらと目は滑るわ寝落ちするわで読了まで上下巻合わせて3年ほどかかった。
修道院を舞台に立て続けに不審死が起こり、探偵役ウィリアムと助手役アドソによる事件解決に向けたミステリ物という形で描かれているが、宗教学に関する書としての側面も大いにあると思う。
能力はあれど頑固で割とポンコツなところが多いウィリアムと、見習い修道士の身でありながら脳筋気味で欲に抗えない年相応の若者アドソのコンビをはじめ、ある種修道院という舞台に合った煩悩まみれで癖の強い登場人物たちも魅力的だった。
もっと前知識がある状態で読めればなおよかった。 -
973
「迷宮構造をもつ文書館を備えた、中世北イタリアの僧院で「ヨハネの黙示録」に従った連続殺人事件が。バスカヴィルのウィリアム修道士が事件の陰には一冊の書物の存在があることを探り出したが…。精緻な推理小説の中に碩学エーコがしかけた知のたくらみ。」 -
上巻は難しい宗教関係の討論なのか内容が理解ができない部分も多く読むのが大変だったけど下巻になり、謎が解けていったりでスラスラ読みやすかった。
多分もう読むことはないけど、映画を見てみたいと思った。 -
坊主のボウズによる坊さんのための殺人事件
-
映画を見る前に再読と思い、1章ずつ読み進めてきた。はるか昔、大学時代、ソレイユ館での作品が今も強く印象に残っているのは、映画の風景と主演のショーンコネリーの魅力によるものと思う。
薔薇の名前とは何の比喩なのか。過ギニシ薔薇ハタダ名前ノミ、虚シキソノ名ガ今ニ残レリお -
下巻でも相次ぐ変死事件の謎解きと共に、様々な出来事――清貧論争、異端審問、反キリストや"笑い"を巡る議論等――が展開される。事件(死体)・探偵・不気味な舞台とミステリーらしさを揃えつつ、中世ヨーロッパ史やキリスト教の歴史・論争を絡め、記号論の要素も含まれる、なんとも贅沢で圧倒される作品だ。
本作はミステリーの体裁をとり、実際にミステリーとして周知されているが、それは本作の数ある魅力・特徴の一つだと思う。むしろ著者エーコは記号について書きたかったのであり、それがたまたまミステリーの形式になっただけだろう。個人的にも謎解きより、全篇にわたり展開される問い――キリストは清貧だったか否か、異端とは何か、どのようにして異端は生まれるのか、"笑い"は必要か否か等――や、記号の意義を巡る議論のほうが興味深かった。
読書経験が豊富な読者ほど本作をより楽しめるつくりになっている事は察せられた。再読は必至だろう。 -
解説を読んで改めて記号学者が本に込めたメッセージがなんとなくわかったような(わからないような)笑
スリリングな内容と並行して人々の純粋さが描かれていて、とても楽しめたし考えさせられた。 -
↓貸出状況確認はこちら↓
https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/TW00054870 -
EU企画展2022「Ciao!イタリア」で展示していた図書です。
▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BN0437356X