少年検閲官 (ミステリ・フロンティア)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 522
感想 : 98
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488017224

感想・レビュー・書評

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  • ハウダニットはこうだったら嫌だなぁ…と思いながらそれがまんまだったのですが、ホワイダニットだけは最後まで分からず。そうか、とは思いましたがなんだろう…ミステリィというよりはやっぱりファンタジィ小説??

    主人公?の少年検閲官の書かれ方ももう少し掘り下げてほしいなぁ。非常に尻切れトンボ感があります。でもこういう世界観は好きかも。

  • ジャケ借り。

    設定が斬新で不思議な世界観で。でも起きていることは残酷で。

    犯人は分からなくて真相を知った時はびっくりしたけど、動機はなんとなく予想した通りと言うかなんというか。

    でも、そこに至るまでの文章の凄さたるや…。
    ぞっとしたこと数知れず。
    読んだ後、凄く「あぁ私 本を読んだ…」 って思える本でした。
    凄く濃厚なお話だったなぁと。
    可愛げのある装丁に しっかりだまされた(笑)

    しかしながら 堪能いたしました。 こういう文章、好きですよ。

  • 書物が駆逐されミステリが失われた世界で起こる連続殺人。
    独特な設定ながら見事に描き切り、トリックにも関連付けるところは流石です。
    キャラクターも魅力的で良かったです。
    欲を言えば、少年検閲官がもう少し早く出て来ても良かったかなと。

  • 何人も書物の類を所有してはならない。もしもそれらを隠し持っていることが判明すれば、隠し場所もろともすべてが灰にされる。僕は書物というものがどんな形をしているのかさえ、よく知らない――。旅を続ける英国人少年のクリスは、小さな町で奇怪な事件に遭遇する。町中の家々に赤い十字架のような印が残され、首なし屍体の目撃情報がもたらされるなか、クリスはミステリを検閲するために育てられた少年エノに出会うが……。書物が駆逐されてゆく世界の中で繰り広げられる、少年たちの探偵物語。メフィスト賞作家の新境地。

    少年検閲官の登場が遅くてちょっと焦れた(笑)

  • 本の所持が禁じられ、読書と言う行為が存在しない未来の日本。もちろんミステリーも知られておらず、犯罪が何かと言う具体的な概念すらない。そんな特異な状況下で起こる首斬り殺人。ファンタジーチックな舞台設定と登場人物ながら明かされる真実はとてもグロテスク。そのギャップはかなり大きいが、きちんと舞台設定を活かした結末な為、読み終わって気分が悪くなるようなことはない。似たような設定で探偵が禁止されている日本が舞台と言う推理小説を読んだことがあるが、リアリティーに拘らず、ファンタジーに傾けてある分だけ、こちらの方が印象深かった。

  • 異世界を舞台にした易しいミステリー

    娯楽小説が焚書によって無くなり、残った娯楽小説を検閲官が消滅させる話。
    森の中に住む、殺人鬼”探偵”の真意を探る!

    若干、無理ある殺人もなきにしもあらず。いや、無理すぎる。

  • 「ミステリ」「探偵」言葉の一人歩き。はたして書物は作れたのかな。

  • 偉そうなわりに従順なエノが良い。少年たちの友情って好きです。
    http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-165.html

  • 書物を禁じられて、すべて焼かれてしまった、本のない世界。自分がいまあたりまえに知っていることを生まれたときから知らないってどんな感覚なんだろう。
    きっと近未来の話なんだけど、どこか古めかしい雰囲気がただよって猟奇殺人やトリック、ガジェットがよく似合う。
    片山若子さんの表紙絵の雰囲気の効果も抜群で、ミステリを探して旅する英国少年クリスが健気。
    いろいろ深い設定がありそうな少年検閲官エノもいいな。
    作者さんのブログでの作品紹介に書かれた「合言葉は、がんばれクリス」まさにそのとおりでした。

  • 何人も書物の類を所有してはならない。
    書物が駆逐され、隠し持っていることが判明すれば隠し場所もろともすべてが灰にされる世界。
    この世界で旅を続ける英国少年クリスは小さな町で奇怪な事件に遭遇する。
    町の家々に赤い印が残され、首無し屍体や幽霊の目撃情報がもたらされるなか、クリスはミステリを検閲するために育てられた少年・エノに出会うが・・・。

    北山作品二作目。
    ミステリが存在しない、誰もミステリの知識のない世界での殺人です。
    それなのに分類するなら「顔のない死体モノ」。
    続編があるとしたら何だろう?「密室」かなぁ。

    まずこの不思議な世界に慣れるのに苦労しました~。
    ようやく馴染みかけたころ、つまり中盤すぎあたりにようやく「少年検閲官」の登場。
    遅くない?

    それからとんとん拍子に捜査が進みます。
    この世界ならではの動機と赤い印の真相には驚き。
    この設定がいかんなく活かされています。
    序奏や間奏にはとても興味をそそられ、これらの真相を知るととたんに世界が変わってしまうのも素晴らしい!

    しかしこれだけの世界を展開しておいて、謎解きがこれだけ?と思ったのも事実。
    たしかによく考えられているのですが。。。
    メタが苦手なので、ちょっとメタ臭がしたのがマイナス要因かな。

    しかしこの方は本当にトリックを考えるのがお好きなのですね。
    それらがトリックのためのトリックではなく、物語にとてもハマっているのはすごいと思います。

    本のない世界なんて・・・。しかもミステリが迫害されている世界なんて・・・。
    考えられませんね。
    関係ありませんが、創元でこの装丁だとどうしても米澤さんの小市民シリーズを思い出してしまいます。。。

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著者プロフィール

2002年、『『クロック城』殺人事件』(講談社ノベルス)で第24回メフィスト賞を受賞しデビュー。代表作として、デビュー作に端を発する一連の〈城〉シリーズなどがある。

「2022年 『月灯館殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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