MM9

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 346
感想 : 91
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488018122

感想・レビュー・書評

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  • プロットそのものはハチャメチャで奇想天外であるにも関わらず、登場人物自体が常識的な範囲なので、実際にあってもそうなるのではないかと言う感じで現実感がある。特殊能力を持つ特定のヒーローが登場するわけでもないのに、ストーリーが展開していく面白さが印象的。さりげなく散りばめられた人間としての存在意義と自然との関わり合いとの間の矛盾点に考えさせられる。シリーズ物のようなので、次にも期待。

  • 怪獣災害から人々を守る気象庁のはなし。続きも楽しみ。

  • 軽めの文体だったのであまり期待せずに読み始めましたが、最終話が終わる頃には「怪獣大国」という設定にも馴染み、続編のチェックまでしてしまうほどに。
    エンタメ性とSF的な理屈付けのバランスが良いです。読後、NOVA1で月面ミステリを書いていた著者だと知り、妙に納得しました。
    “人間原理”という言葉は初めて目にしたたのですが、最新のSFを読むなら物理学も勉強しなければいけないなあと思いました。

  • 自然発生する怪獣に立ち向かうのは気象庁所属の気特対。宇宙物理学者が理論的な肉付けをする。二体目の怪獣が...。こんなのもありか。シリーズ化されてるようなので後の話もたのしみ。

  • 山本 弘 『MM9』
    (2007年11月・東京創元社)

    地震、台風などと同じく自然災害の一種として“怪獣災害”が存在する現代。
    有数の怪獣大国である日本では、怪獣対策のスペシャリスト集団「気象庁特異生物対策部」
    略して「気特対」が日夜を問わず日本の防衛に駆け回っていた。
    多種多様な怪獣たちの出現予測に正体の特定、そして自衛隊と連携するべく直接現場で作戦行動を執る。
    世論の非難を浴びることも度々で、誰かがやらなければならないこととはいえ、苛酷で割に合わない任務だ。
    それぞれの職能を活かして、相次ぐ難局に立ち向かう気特対部員たちの活躍を描く、本格SF+怪獣小説!
    ●収録作品
    「緊急!怪獣警報発令」「危険!少女逃亡中」「脅威!飛行怪獣襲来」
    「密着!気特対24時」「出現!黙示録大怪獣」
             (東京創元社HPより)

    一読して、やられた!と思わせる作品である。
    マニアックな方面からは、やれパクリだのオマージュだの、SF的な設定がどうだの、批判的な声もあるだろう。
    でも、でも、でもでもでも・・・、まさにそんなの関係ねぇ!であります。
    怪獣は自然災害です。だから気象庁の管轄なんです。
    台風と一緒なんです。だから怪獣5号なんです。
    さらにはカッコイイ名前つけたり、進路予測だってやっちゃいます。
    ・・・このアイデアだけでもう当選確定であります。



    この後、多少ネタバレ。




    ただ、「怪獣」と「妖怪」を同じ扱いにするのはどうなん?
    西洋の世界で怪獣も妖怪も、モンスター、のカテゴリーに入るのはわかるわいな。
    でも日本じゃ怪獣と妖怪は違うんじゃね?

    怪物くんの後ろにフランケンじゃなくてガメラがおったらおかしいやん。
    京極夏彦の次作が『エレキングの悩み』やったらおかしいやん。
    仮面ライダーの敵の総大将がぬらりひょんやったらおかしいやん。

    日本人ならば誰もが常識のように持ってるはずのその枠組みを、ごちゃまぜにしたことによる違和感。
    作者が盛り込みたかったところも着地点もわかるけど、これじゃ最終話だけ梅原克文の『カムナビ』やん。

    せっかく傑作になりそうなところだったのに、そのへんのズレがちょっともったいなかったなぁ・・・。

    75点(100点満点)。

  • この本は面白い。面白いが、人に勧める時にちょっと困ってしまう。「怪獣」という単語を使うだけで、「いい年してそんな本を…」と思われてしまいそうな気がするからだ。そうじゃない、そういう本じゃないんだ! でも上手く説明できそうにもなくて口をつぐんでしまう。でも面白いんだよーう。騙されたと思って読んでみていただきたい本。

  • 最終章に登場する「クトウリュウ」が古典怪奇小説ラヴクラフトの「クトゥルフ」に見えて、気になって仕方なかった。
    巻末の参考資料で発見して、、、納得。

  • いわゆる怪獣モノ。基本的には円谷作品のノリ。
    ニヤニヤしながら読める。

  • 怪獣小説♪
    まさか怪獣災害を予測、阻止する部署があるとは!
    わくわくして読みました
    (特車二課がちらついて懐かしかったり)
    これからの展開が楽しみです

  • 「怪獣」が自然災害として位置づけられる「if」の世界のお話。SFの旗手らしく、荒唐無稽な設定もうまく消化させられているように思いました。
    この手の話っていかにその設定にリアリティを持たせられるかが肝だと思うんですがそのあたりはさすがですね。

    まあ内容はお気楽な連作短編な感じですが、「24時」のようにバカっぽくまとめてある話もあれば、最後の「トンデモ」系の話もあれば・・・
    最終的な落とし所がトンデモ系になってしまったのが自分の好みからははずれてしまっていてちょっと残念。

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著者プロフィール

元神戸大学教授

「2023年 『民事訴訟法〔第4版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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