- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488027469
作品紹介・あらすじ
未練を残して死ぬと、鬼となって水を濁す。その者を常世に送る宿命を背負った2人。大正時代の北海道を舞台に、水辺を守る一族を鋭く描いた著者渾身の連作ミステリ。
感想・レビュー・書評
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未練を残したまま亡くなった者は鬼となる。鬼を黄泉へと送るために与えられた烏目役とその目となる水守のお話です。どの話も水のような綺麗なお話でとても読みやすかったです。水守の掴めない不思議な魅力が読み進めていくごとに深まっていきました。
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未練を残した死人は鬼となり、村の水を濁らせ枯らす。
大正時代の北海道を舞台に鬼の未練を突き止め成仏させる役割を担う一族「烏目役」と「水守」を描いた物語。
闇の中では全く見えなくなる烏目、闇の中でしか見えないむくろ目。
水守は鬼を見るだけ、烏目役は鬼が見えず水守が見たものから未練を推理する役割。なんか効率の悪い因習だなぁと思いつつ読んでた。
主人公が静かに水守と心を通わせていたんだと物語が収束していく過程は良かった。 -
暗がりが見えない烏目と
闇でしか見ることができないむくろ目。
村の水を守るために鬼を見極めるのが二人の定め。
切ないが静かな物語。
【図書館・初読・6月6日読了】 -
美しい世界
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作者さんはいろんなジャンルの作品を発表されていますが、個人的にはこの作品のような和風のホラー風味の入った雰囲気のものが好きです。
…北海道の奥地にひっそりと住まうミツハの一族は、代々「鬼」を見る「水守」と「烏目役」がその土地を見守り続けていた。
そしてその運命を背負ったある秘密を抱える水守と、水守に魅せられた烏目役に立ちはだかる鬼の姿、そして彼らの運命とは…。
田舎の閉塞性と秘密めいた水守と烏目役の存在、いわくありげな鬼の出現の謎、と後ろ暗い雰囲気に満ち満ちていて、じっとりした読み心地はクセはありますが私は楽しめました。
終盤の展開にもう少しクライマックス感が欲しかったような気はしましたが、しずしずと世界が閉じていくエンディングもまた「らしい」感じもしてよかったです。 -
どなたかのブクログ本棚で見かけて。
「あ、私この本、好みだと思う!」と感じて、早速図書館で予約して借りました。
ドンピシャ、好み!(笑。
師走に、以前から予約していた本がまとめてきてしまい、いっぺんに読み進めて、ほいでもって忙しいのであまりきちんとレビュー書けないんですが。
ラストが尻すぼみな感じなので☆3つ。
でも、この世界観が好きです。
同時期に読んだ、彩瀬まるサン(朝が来るまでそばにいる)とか、桜木紫乃氏(起終点駅)の本は、新年あけて落ち着いたら、また図書館で借りて読もうと思っていますが、こちらは二度読みはないかな・・・。とってもいい世界観なのに、何かいろいろ惜しい感じです。ほんと惜しい!
でも、好きですが(照)。
この本をブクログ本棚に入れているかたの本棚を漁って(苦笑)、また好みの本を探していきたいです。