夜の蝉 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) (創元推理文庫 M き 3-2)

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  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488413026

感想・レビュー・書評

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  • 円紫さんシリーズ2冊目。日常の謎。
    一作目はデビュー作ということもあって読みにくさを感じたところもあったが、今作は内容がスッと入ってきて一編が長くなっていることが気が付かないくらいに読みやすかった。
    「六月の花嫁」が特に印象的。

  • 久しぶりに、じわっとくるいい作品。読み始めてすぐ、あれ? ん? 前に読んだことある!
    でももう一度読みました。良いものは繰り返し読めますね。

  • 20年ぶりに再読。「円紫さんと私」の話で確か日常の謎解きだったくらいしか内容はおぼえていなかった。読み始めて一番に感じたのは「私」の自意識の強さ。20年前は自分も若く?「私」に共感できたのだと思うが今の私には違和感があった。やっぱり本は読む年齢で感じ方が違うことを再認識した。
    それでも北村薫さんの文章はきれいで教養にあふれ、それでいて人間の心の深みを描いていてさすがだと思った。

  • 表題作『夜の蝉』は、“私”と姉の蟠りが解ける、幼い時のエピソードその時の姉の心情や“私”が感じたことなど、姉妹ならではの関係性が書かれていて、男の兄弟しかいない私には羨ましく思えました。

  • 大体の云いたいことは「空飛ぶ馬」に書いたように思う。
    でも、「空飛ぶ馬」より、1作が長く、ゆったりしたような印象。チョット笑ってしまう箇所も増えた。
    相変わらず円紫さんの謎解きは鮮やかだけど、それはこの短編たちの一部でしかない。

    朧夜の底。最初の印象と違った絵が現れる、ということか。ロシア語専攻との学生のデート(?)は如何にも彼女らしく本の話タップリ。露文氏という呼び方は叙述トリックのルールに則ったのか?。解説に著者は名を呼ばれることを大切にしているとある。成程。

    六月の花嫁。ゆったりとして、にっこりと読み終えられる話。

    夜の蝉。五歳違いの姉と彼女の対話。辻原さんが褒めていた場面は確かにドキッとした。人との関係の中で人は大人になっていくんだな、と当たり前のことの描きかたが鮮やか。

    前作から引き続き、旅先の軽井沢、弥彦の情景が素晴らしい。澄んだ空気が伝わってくるようだ。

  • 円紫さんと私の2作目

    今回は人の悪意に関するものがちょっと気になった
    本の媒体そのものではなく、写真で撮るとかみたいなデジタル万引きって線引がむずかしいよね
    本人の道徳心とか罪悪感によるところも大きいし

    あと、やはり円紫さんの超人的な推理力にはちょっと納得いかない
    その話だけでなぜそこまでよめるのよと純粋に思う

    あと、私の家族、特にお姉ちゃんについて語られた内容がちょっと意外
    この姉妹にはそんな過去があったのねぇとちょっと心が苦しくなった

  • 円紫さんと私シリーズ2冊目。「地元」ネタ満載で、風景想像しながらより楽しめました♪ 円紫さんのお子さんが登場しましたが、奥さんは・・・?二人の距離はどうなっていくのかなんとなく気になったりして・・・。
    私には弟しかいないのですが、姉妹の姉という友人が多かったせいか、姉妹って深いなあ・・・と読みました。

  • ひとの見え方。
    観察眼。
    連想すること。
    働きかけること。
    何に対して恥ずかしいと思うか。
    何を想像して動くか。
    何を期待してワクワクするか。

    六月の花嫁が面白かった!!!
    きゅんとして
    可愛らしくて
    ああなるほど…ってなる
    ホッとしてドキドキするストーリー。

    夜の蝉。
    家族。姉妹。
    素直に話すこと。
    ひととの関係を紡ぐこと。
    私も大好きな弥彦に旅行に行くところが、
    なんだか嬉しくて、イメージや空気もリアルに感じられる感じがした。

  • このシリーズは、円紫さんの推理よりも北村さんの文章を味わいたい為に読んでいます。そういう読み方をする本って私には初めてです。だからと言って推理がつまらないという訳は全然なくて、情景描写にも心理描写にもストーリーにもグっと惹きつけられる小説です。

  • 久々の再読。あらためて読むと主人公の女子大生の賢しげな感じがちょっと鼻につく。けど、謎解きにいくまでの道筋の作り方が論理的かつ明確。そこが好き。いっそ主人公が男性の話を書いてほしい。

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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