踊るジョーカー (名探偵音野順の事件簿 ) (創元推理文庫)

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  • 東京創元社
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感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488419110

感想・レビュー・書評

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  • まあ、楽しめたけど、うーん、いまいちかな。
    トリックだけの小説。

  • ようやく読んだ名探偵音野順シリーズ。

    小説の表紙も可愛らしいイラストなので、けっこうほんわか系?と思ったらなかなかコミカル。
    殺人は起こるし、物騒な事件も起きているのに、シリアスになりきらぬ、ちょっと脱力感のある作品。
    まず、名探偵の音野順が超弱気。
    名探偵の才能はあるものの、彼を名探偵だと盲信したきつけるのは専ら大学時代からの友人であり推理作家の白瀬白夜。
    自分の作品のネタになるということもあって音野の面倒をみつつ、やれ事件だと引っ張り出す。
    そして、名探偵たるものこう言えこうしろとやいやい言うが、気の弱い音野は基本白瀬の背中に隠れ、人前に出されてもたどたどしく控え目に発言するばかり…。
    そんなすったもんだコンビながら事件をきっちり解決するあたり、ちゃんと名探偵、かな?
    個人的にはもう少しハラハラするミステリが好きだけれど、それぞれの事件、トリックはしっかりしていて興味深く、面白くて目が離せなくはなったので、次の本も読んでみたい。

  • そんな嫌々探偵はイヤイヤだなぁ~

  •  引きこもりの名探偵「音野順」と,ワトソン役のミステリ作家「白瀬白夜」が活躍する短編集。それぞれの短編は,プロットもトリックも平凡なのだが,作品の雰囲気が素晴らしい。古きよき時代の本格ミステリを思わせるような様式美が守られつつ,そのパロディのような作りになっている。探偵と警察の関係,事件への関与の在り方,トリックが早業殺人だったり,容疑者が少ない状態で殺人をしたり…。リアリティこそないが,本格ミステリらしい作品ばかり。北山猛邦が本格ミステリを愛してやまないことが垣間見える,魅力的な短編集である。おすすめ。

    個々の作品の所感は以下のとおり

    ○ 踊るジョーカー
     大量のトランプが散らかされていた密室で南斉一郎が刺殺される。狂気のナイフは,多量のトランプを貫いていた。容疑者は三人。南斉一郎の子,南斉貴一。その恋人である藍子。そして,古くからの使用人の根津。密室の合鍵を持っている貴一が最大の容疑者として警察から疑いを掛けられる。
     密室のトリックは,早業殺人。日頃からトランプで一郎を脅かしておき,多量のトランプを換気口から投入しておき,それを見て悲鳴を上げた一郎のために部屋に入り,その直後に根津が一郎を殺害した。問題は凶器。犯人は,ナイフでトランプを貫き,円状にしたトランプを転がすことで,ナイフを手に入れ殺害をしていたのだ。トリックは陳腐だが,作品全体の雰囲気,キャラクターが秀逸。なかなかの作品。

    ○ 時間泥棒
     上野家で,アナログ時計が次々と盗まれるという事件があった。いずれも安物の時計だが,なぜ時計だけが盗まれるのか。上野カイという男は,姉,上野アサヒの恋人である長崎という男と一緒に,音野の事務所を訪れる。真相は,合鍵を持つ長崎が盗聴の際の邪魔な音をなくすために,アナログ時計を撤去していたというもの。音野と白瀬は長崎の本性をアサヒに伝える。プロットは特に目新しいというほどではないが,雰囲気がよく,これもなかなかの秀作。

    ○ 見えないダイイングメッセージ
     笹川明夫が殺害されるシーンから,この物語が始まる。明夫は,自分しか暗唱番号を知らない金庫が開けられなくならないように,金庫の暗証番号を示すダイイングメッセージを残すために,ポラロイドカメラで写真を撮影する。ダイイングメッセージの真相は,映ったものではなく,写真そのものに指紋で残されていた。今回は音野順ではなく,兄,要がダイイングメッセージの謎を解き,順は,真犯人が依頼者である笹川明夫の子,笹川晃であることを見抜く。

    ○ 毒入りバレンタイン・チョコ 
     ある大学の研究室で,バレンタイン・チョコの中に毒が入っており,それを食べた女学生が倒れるという事件があった。32個入りのチョコのうち,1つのチョコから毒が検出された。ゼミに所属している2人の女学生と2人の男子学生がチョコを食べていた。無差別殺人なのか,女学生の自作自演なのか。真相は,男子学生が,女子学生の気を引くために致死量に至らない毒を飲ませたというもの。トリックは,磁石を使い,チョコを包んでいた包みを利用して狙っていた女学生がチョコを食べるチャンスを利用して毒を仕掛けたというもの。仕掛けがあるチョコをほかの人が食べるときは,仕掛けを作動させていない。犯人にとっては,この犯罪は,恋する人に接近するためのイベントだったのだ。チャンスを待った気の長い犯罪だった。

    ○ ゆきだるまが殺しにやってくる
     音野と白瀬が遠方の依頼を終えた帰りに道に迷ってたどり着いた山荘で,事件が起こる。事件は,山荘は,笹宮家という名家。山荘では,一人娘の美子の結婚相手を見つけるために,雪だるまを作るというイベントが開催されていた。イベントの最中,二人の挑戦者のうちの一人,藤原昆が殺害される。狂気のバールは雪だるまの腕のところにあった。まるで,雪だるまが殺害をしたかのように。
     真相は,美子が無理やり結婚させられることを辞めさせるために,殺害を行った。トリックは,風船利用して死体を隠し,殺害された時間をごまかすというアリバイトリック

  • ≪徐々に増えてく探偵事務所の備品?にも注目≫

    気弱で引きこもりがちな「音野順」とワトソン役である「白瀬白夜」が遭遇する事件が掲載された短編集.
    いまでは市民権を得たといってもいいライトミステリに属するのかな.
    個人的には主役2人はもちろん「上野アサヒ」や「深津」が気になる.
    続編には出ているのかしら.

    若干トリックや動機が「どうなのそれ?」というような感じがしないでもなかったけれど,『物理の北山』と巷で噂の方なので,それはそれでOK.

  • オドオド探偵と小説家のワトソン。
    コミックスを先に読みました。

    表題作、無理があるかな。バレるって。

  • ヘタレ名探偵を応援したくなる小説。がんばれ!

  • 面白かった。
    同じ引きこもり探偵だけど坂木司のとはだいぶ違うな

  • 音野順可愛いよ、なにこの生き物。ぷるぷる。

    ひきこもり探偵といえば、鳥井だったけれど、応援したくなる名探偵音野順!

    早く来賓用の椅子を用意してください白瀬さん。

    ミステリとして云々はおいといて、鳥井・坂木コンビのような成長物語になるのか、音野が成長するにつれて白瀬が壊れる展開だともえる。
    白瀬さんちょっとおかしい。

  • 300307832  B913.6-キタ

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著者プロフィール

2002年、『『クロック城』殺人事件』(講談社ノベルス)で第24回メフィスト賞を受賞しデビュー。代表作として、デビュー作に端を発する一連の〈城〉シリーズなどがある。

「2022年 『月灯館殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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