館島 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ひ 4-1)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 214
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488477011

感想・レビュー・書評

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  • 東川作品は初。ユーモアミステリという噂は聞いていたが、イマイチ思っていたのと違った。
    雰囲気や文章、キャラクターなどがどうも好きになれず、読んでいて辟易するような場面も多い。

    トリックは、ある程度予想がつくのでそんなに驚きはしなかったが、「ネジとナット」というモチーフを絡めてくるあたりは上手い。
    「螺旋階段の上下による部屋の間違い」という犯人を特定する手がかりもよくできている。

    終わってみると、そこまで悪くはなかった。(好きではないが)
    ユーモアの感じはあまり好きではないが、例えば「吉岡医師が愛していたのは淑江だった」など事件の本質的な部分まで的確なユーモアを貫いているのは好印象。解説のベタ褒めもまぁ分からないことはない。
    とりあえずもう少し東川作品読んでみようかな。





  • 東川篤哉のオリジナル長編。トリックが面白かった。

  • 軽快なリズムで進むユーモアミステリ。
    あらすじにもある通り、トリックは驚愕。でも「ぶっ飛び」ではないギリギリのレベルなのが東川篤哉のすごいところ。

    個人的には「ミステリ」部分よりも「ユーモア」部分が好きでした。
    キャラクターが魅力的です。

    読了後、もう一度読み返して「ミステリ」部分の伏線を拾っていくと、尚面白いんだろうなぁ
    一冊で二度美味しい本です。

  • 例によってどたばた喜劇要素たっぷりだが、
    わたしは「孤島の密室」的な話が好きなので楽しめた。
    (そんなに長くホテル住まいができてうらやましいと
    ホテルや孤島、あるいは豪華客船ものを読むと思ってしまう)

  • W浅野!! 冒頭、女探偵登場のシーンからそんななつかしのフレーズが脳裏をよぎる80年代フレーバー(というより、実際に設定が80年代なのだが)の本格推理小説。

    永年の夢であった瀬戸大橋計画がようやく現実化しつつあった198×年、やがては瀬戸大橋の「橋脚」とならんとする瀬戸内海に浮かぶ小島に(岡山県ではその名前を知らないものはいない)〝孤高の天才建築家〟が酔狂なたたずまいの巨大な別荘を建てる。しかし、そのみずからが建てた別荘で、当の建築家が謎の転落死。さらに、真相はわからないままふたたび関係者たちが集った同じ場所で第二、第三の殺人が起こるのだった。

    巨大な建築物をからめた壮大なトリックに舌を巻く一方で、登場人物たちがかわす会話のギャグセンスはどこまでも寒い。貴方はこの〝寒さ〟に耐えられるか?! W浅野!!

  • 嵐により孤立した島にある奇妙な館で起こった奇妙な殺人事件。
    館+嵐の孤島という王道でシリアスな状況ですが、そこは東川篤哉さん。
    軽~いギャグを織り交ぜたユーモアたっぷりな文章でとても読みやすかったです。

    変わった建築物が出てくれば何か仕掛けがあるんだろうとは思いますが、期待を裏切らない大がかりなトリックで大変満足でした。
    見取り図を見てなぜ気づかなかったのかと悔しくもあります。

    くだらない(褒め言葉)ギャグの連発は好き嫌いがあるかもしれませんが、真相に至るまでに提示された情報とそこからの推理はしっかりとした本格ミステリー。
    瀬戸大橋を巡る当時の島の状況や不正疑惑が、最後に壮大な思惑に繋がっているのもおもしろかったです。

  • 今ノリに乗ってる作者が送る、ノリの良い本格ミステリィ^^
    外部と隔絶された嵐の孤島、館ものに欠かせない見取り図、動機ありそうな容疑者達、ここまでは今まで読んできた本格ものと特に何も違いはありません。
    ただ、この手の作品に付きまとう心地良い薄気味悪さが、この作品には全く無い!笑

    今までアホミスと呼ばれる作品は何冊か手にしましたが、しっかり本格していながらこのライトな読みやすさって無かったなあ…斬新!

    見取り図と事件概要だけでトリックのあらましは見当ついたけど、まさかその部分がそうなる意図だったとはな…^^ニヨニヨ


    人間描写が浅い!ていう批判は推理小説に付き物だけど、これは人間描写が軽い!楽しい!で一般ウケしそうなエンタメミステリィです^^

    ラストで「天才建築家」の真意が解明されたシーンも印象に残りました。

  • いやあ、おもしろかった。ここまでアクロバット?しますか。2005年の本なのに、時代設定が1981年になっている理由が最期にやっとわかった。結末を誰かに話したくてしかたがなくなるとてもよくないミステリ(笑)。物理トリックって、本格物のファンの人はきらう傾向があるが、これぐらい大胆ならやってみてもいいじゃん!などと。(ガリレオの物理トリック一辺倒には辟易するけどね。)「見た目がいいだけの美人探偵」と「妄想探偵」のかけ合いは、ユーモアというより、下手な漫才風に終わってしまってるので★ひとつ減らした。

  • 館の造形を思わず頭に浮かべてしまうような作品。
    それに館を、その場所に建てた理由がとても美しいと思った。

    通常館モノ小説は内側に素敵な面白機能がある場合が多いけど、この館は機能重視ではなくてアート作品。そこに備わった機能も、作者が館の造形を楽しむための二次的なもの。

    トリック自体も、しっかり「物理トリックです」という感じで、最後まで全然わからなかった!(だいたいどんなトリックもわからないけど)

    ミステリーっぽくないキャラのユニークさは東川作品の中では抑え目な方かもしれない、・・・けどしっかり面白い!笑

    ただ、私は読後の今もキャラより何より「館」の造形に魅了されてしまっていて、一番良かったところをあげるならやっぱりそこが一番素敵だったなと思っている。

  • 瀬戸内海に浮かぶ孤島で自身が設計した館で天才建築家が墜落死する。建築家の死から半年後、関係者が孤島に集まるが、また事件がユーモア・ミステリー作家がコミカルに描くユーモア・ミステリーと本格ミステリーの融合。

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著者プロフィール

1968年広島県生まれ。岡山大学法学部卒業後、2002年、光文社カッパノベルスの新人発掘プロジェクト「KAPPA‐ONE」にて『密室の鍵貸します』が有栖川有栖氏に推薦されデビュー。11年『謎解きはディナーのあとで』が第8回本屋大賞第1位に輝き、大ヒットシリーズとなる。「烏賊川市」シリーズ、『館島』、『もう誘拐なんてしない』、「探偵少女アリサの事件簿」シリーズなど著書多数。

「2023年 『谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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