- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488477011
感想・レビュー・書評
-
この人の作品は初めて読んだんだけど物語の進め方や壮大なトリックは読んでいてすごく楽しめたし最後はホッコリした気分にもなれてよかった。
ただこれがこの人の持ち味で好きな人にはこれこそが東川篤哉だっていうところなのかもしれないけど、自分にはこの時々折り込まれてくるくだらないジョークがあまりにも肌にあわなくて興ざめでした。
普通に書けばいいのになぁと思うけどまぁそれがこの人の個性だっていうんなら仕方ないのかなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あらすじを読んだだけで、綾辻行人「十字館の殺人」のパロディとすぐにわかる。作品の中にも「十字館の殺人」の題名を何気なく出しているので、狙ってやってるのは確実。ご本家と同じようにあっと驚くようなしかけあり、それを終盤で怒涛のごとく謎解きしている感じもお見事。
瀬戸内海という場所と妙に古い時代設定も最後まで読むと納得できる。
岡山出身としては、「天満屋の屋上」とかのローカルネタは嬉しい。が、セリフが岡山弁で無いのはちょっと残念。
そういえば、瀬戸大橋の橋脚になった島は、全部香川県なので、岡山県警は出てこないと思うのだが... 指摘するのは野暮かな。 -
天才建築家・十文字和臣の突然の死から半年が過ぎ、未亡人の意向により死の舞台となった異形の別荘に再び事件関係者が集められたとき、新たに連続殺人が勃発する。嵐が警察の到着を阻むなか、館に滞在していた女探偵と若手刑事は敢然と謎に立ち向かう!
-
今回もやられた。館ものミステリーは我が国でガラパゴス的に進化したので、館の特殊な構造で不可能犯罪が成立したのだ、ということは見当が付く。しかし、作者にしてみれば、そこを悟られたところで痛くも痒くもないだろう。
意表を突く動機。時代設定を瀬戸大橋完成の直前にしたこと……。お見事。
脱帽し、剃髪し、四国八十八の霊場を巡礼したい心境だ。 -
こういう大掛かりなトリックは久しぶりに読んだ。
-
館もの。
すごいような気がするけど深く考えてはいけないタイプ。
ユーモアセンスは合わないと感じた。 -
本格ミステリ。とても面白かった!ギャグはともかく大好きですこういうの。特に後半1/3は一気読みしました。久しぶりにこういうのを読んだ気がしました。何の前情報もなく読んだので一層よかったです。
この作品は2005年に単行本が出版されたものですが、奇しくもちょうど現在『ミステリーズ!』(東京創元社)で続編『仕掛島』が連載中だそうです。10年以上経っているわけですが、そちらはどのような手で来るか、それも楽しみです。 -
絶海の孤島パターン
トリック云々より頭から冷蔵庫に突っ込んで行ったと言った表現が面白い -
ユーモア・ミステリの書き手として知られる著者だが、本作はお笑い部分と本格部分のバランスが絶妙。バカミスになるギリギリ一歩手前で、どうにか踏みとどまっているように思う。
クローズド・サークルの醍醐味たる恐怖と疑心暗鬼こそないが、嵐の孤島に死体とともに閉じ込められた人々の反応がしごく常識的なので、一定のスリルはある。「次は私が殺される…?」と思ってるくせにあんたらなんでそんなに危機感ないんだよ、というような作品がいくらでもある中、これだけ緊張感を演出してくれたらよしとするべきだろう。
ネタに関しては正直そんなに高度なものではないが、ラストは圧巻。天才・十文字和臣の意図が明かされるシーンには爽快さがあった。
2016/7/2〜7/3読了