- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492532249
作品紹介・あらすじ
『現場力を鍛える』『見える化』に続く3部作完結編。続ける力、粘る力こそ最も重要な企業の独自能力だ。
感想・レビュー・書評
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「現場力を鍛える」「見える化」に続く3部作完結編。
継続は力なりとはよく言いますが、その継続をどうすると出来るのか?それが続ける力、粘る力として語られています。
ねばっちこい経営といった題名もキャッチーで面白い。
本作でも事例をふんだんに盛り込んで、解説しています。
改善活動がうまくいかない理由として、改善を推進する現場に対する経営からのリスペクトが弱いとぶった切り!
改善には現場に対する「リスペクト」、そこから生まれる現場の「プライド」、それが「改善」につながるという構造です。
粘着力が企業の競争力の根源として、4つの粘着力を定義しています。
行動、思考、伝達、意思
の粘着力です。
そういった粘着力を高めるために組織としてのポイントと個人としてのポイントをそれぞれ上げられています。
組織の粘着力を高める8つのポイント
1.時間時を長く取り宣言する
2.人が変わっても、基本的なプログラムは変えない
3、あれもこれもやらないで絞り込む
4.経営と現場が一体となって取り組む
5、カリスマをつくらない
6、プロセスをほめる
7、面の教育を徹底させる
8、コーディネーター機能を充実させる
そして、個人の粘着力を高める10個のポイントが解説されています。
1、夢や思いを大切にする
2、具体的な目標を設定する
3、目標に日付や期限を入れる
4、一定期間、集中して取り組む
5、弛緩をはさむ
6、遊び感覚を入れる
7、正常実感を得る
8、記録を残す
9、他人と比較しない
10、ポジティブに考える
本書で、ちょっと面白いところが組織の粘着力を生むために、納豆と比較していくこと。納豆の作成プロセスに対応して、粘る組織のプロセスを解説しています。
キーワードは浸潤、感染、熟成
とりわけ、感染では「納豆菌人材」の育成をポイントにあげています。
これまたキャッチーなキーワードです。
これまた、1時間ちょいぐらいで読むことが出来ます。 -
当たり前のことを当たり前に継続することの大切さを繰り返し繰り返し説明した本。多くの会社が立ち上がりだけ盛り上がって継続しないプロジェクトや派遣社員の増加で、継続力が失われている。現場が当たり前のことを当たり前に継続できるように、インセンティブをどう設計するかは難しい課題だが、やりがいがあると思う。
毎日持続させることが強烈なエネルギーとなる。細かい積み重ねを侮ってはいけない。やり続けることを習慣にしてしまうと、今度はそれを止めることの方が苦痛になる p.131 -
ねばちっこい現場をもつ企業が強い…当然といえば当然。それらを支える当事者意識や愛着といった企業風土を耕すことができれば、きっとうまく回るのだと思います。具体的には「クリエイティブ・ルーチン」をまわして「黄金のかめ」を目指せ、というシンプルなメッセージ。
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「現場力を鍛える」「見える化」の続編。この2冊に加えこの「ねばちっこい経営」で一気に遠藤功さんのファンになってしまいました。
外資系コンサルのトップには珍しいメーカー出身の著者は現場力をとても大切にしています。
この本ではその鍛えた現場を活かす粘り強さについて書かれています。
といっても、他の多くの経営本と一緒でやはり大事なのはビジョンなんだと思いました。 -
もう2年も前に購入した本ですが、やっとまともに読むことができました。
しかし、読んでみて「しまった、もっと早く読むべきだった」と感じています。
この本の趣旨は、企業が同業他社との差別化をはかるには、とにかく粘り強く諦めずに、自分たちの決めた方針を貫き通すことの重要性を説いています。
トヨタ自動車、花王、リッツカールトンなどの優良企業といわれる会社も、またイチローなどの極めて卓越した記録を残した人には「粘り強く、できるまでやり続ける」といった共通のポイントがあると書いています。
また、特に組織の場合、組織の大志(組織として目指す目標)と組織を構成する個々の目標が共有化されている事が大切であり、しかも粘り強く、そして組織として結集することで、優良な経営へと繋がっていくようです。
この本は、粘り強く「継続するいこと」の大切さを説きながら、実践できる組織つくり、人作りのヒントが書かれています。そう言う意味では、もっと早く読みたかった・・・反省しきりです。
また、僕の反省は、「あれをやりましょう」「これをやりましょう」と言って始めたものの、途中で終わってしまった事もありました。とにかく、経営の基本方針として決めたこと、今続けている改善活動などは徹底して、やり続けて行こうと意思を強く持ちました。
文中に頻繁に出てくる、花王さんやトヨタ自動車さんへも何度かお邪魔したことがありますが、これら企業のポイントは小さな改善活動を常に続けていることが常に伺えます。
外から見て、自分たち会社が「ねばちっこく」自社が決めた改善活動を進めていると感じてもらえるような会社を作りたいと思います。 -
「強い企業」と「並の企業」を分けるのは、やっている「こと」自体にはない。ひとつの「こと」をやり続ける「時間軸」にこそ、競争力の格差を生み出す要因があるのです。(Amazon.co.jp)
「ねばちっこい」とは茨城弁だそうだ。さすが納豆の本場だけに、粘着力がズバ抜けてありそう。(笑)本著は、企業文化としては当り前の「ねばちっこさ」こそが強い企業に育てていく原動力と説く。組織変革・業務改革・生産効率化など、体裁のみ取り繕った手法では全く意味が無い。長く続けてこそ意味がある。当り前すぎて、貧相な内容になるのかと思ったが、そんなことはなく、継続することの大切さを再認識させてくれた。日本を代表する企業、トヨタ、デンソー、キャノン、セブンイレブンといった事例集を巧みに取り入れ、強い企業への醸成手法を示してくれた。
全社を挙げてプロジェクトに取組む一番のネックは、事業部間の横断や、経営者・責任者の交代などで、プロジェクトが停滞もしくは廃止されることだ。これを否とする経営方針がないと、中途半端に終わる可能性がかなり高い。トヨタウェイ・花王ウェイ・デンソースピリットなどの行動指針は、たゆまぬ継続や努力を評価して独自の価値観を全社員でねばちっこく共有させている。大企業の事例なので、経営バランスが取れているから可能なのだと言ってしまいそうだが、中小企業も参考にできる部分はあるし、参考にしなければ企業成長などできない。
また、組織論だけに収まらず個人にもねばちっこさは必須だと教えてくれる。確かに退職や離婚など早々に逃げたり諦める傾向が現代社会には強いが、もうひと分張りすることで得られる経験や忍耐力が成長を更に促してくれる。社会人として、一個人として、自己成長を感じられない方はぜひ読んでみたらいいと思う。 -
精神論的な「粘り強く、地道にこつこつ」えお提唱する本書。
簡単に出来るようで出来ないからこそ、今一度再認識して、
仕事に反映すべきなのかもしれないですね。
改めて気づかせてくれる本でした。