ワーク・ルールズ! ―君の生き方とリーダーシップを変える

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492533659

作品紹介・あらすじ

全世界話題!Googleの人事トップが採用、育成、評価のすべてを初めて語った。創造性を生み出す、新しい「働き方」の原理を全公開!

Googleはいったいどんな仕組みで動いているのか?誰もが抱くこの疑問に、Googleの人事トップが答えます。21世紀の最強企業をかたちづくる、採用、育成、評価の仕組みをすべて惜しげもなく公開。本書で紹介される哲学と仕組みは、Googleだからできるというものではなく、あらゆる組織に応用できる普遍性を持っています。
古いやり方で結果を出せと言われて困っているリーダー、古いやり方で評価されてやる気をそがれている若手、もっとクリエイティブに仕事をしたいと思っている人に知ってほしい、未来の働き方とは。いま働いているすべての人、これから働くすべての人に贈る、新しい働き方のバイブルとなる一冊。

著者は2006年にGoogleに入社。あらゆる企業の人の扱い方に影響を与えたいという信念の下、Googleに入ることを選択。同社の従業員が6000人から6万人に増えていく過程で、Googleの人事システムを設計・進化させてきた責任者です。Googleは、世界各国で「最高の職場」として認められ、多くの賞を受賞。
いったい、Googleは、どんなやり方で人を選んでいるのか?そうして選んだ人材に、どんな機会を与えているのか?優秀な社員同士に最高のチームをつくってもらう秘訣とは?社員をどう評価して、モチベーションを最大に保っているのか?働き方をめぐるこれらの重大テーマに、次々と答えを出していきます。

《本書の主な内容》
●Google人事トップによる、ベストチームを作りたい人へのアドバイス
●なぜ一流大卒というだけではGoogleに入れないのか?
●ハーバード大に入るより25倍も難しいと言われるGoogleの採用基準とは?
●Googleは、社員の死後10年間、給与の50%をパートナーに支給している!?
●同じ仕事でも、100倍の報酬差がついていい。
●qDroid、Googleガイスト、プロジェクト・オキシジェン、UFSなど、Googleが採用している人事の具体的仕組みを全公開!
●実験とデータを活用して制度を進化させるGoogleの工夫とは?
●朝起きて、ワクワクしながら行ける会社って、どんな会社?
●機械に負けない、人間らしいクリエイティブな働き方ってどんなもの?
●人事に関する不満と不安を最大限減らすには、どうやればいい?

《世界の著名人がこぞって絶賛!》
「才能あふれるチームのつくり方がわかる」ダニエル・ピンク(『ハイ・コンセプト』著者)
「未来の働き方をつくるビジョンを示している」アダム・グラント(『GIVE&TAKE』著者)
「現代の傑出した人材を率いるためのバイブルだ」ティム・ブラウン(IDEO社CEO)
ほか、ラム・チャラン、ジェフリー・フェファーなど、各界から続々推薦!

感想・レビュー・書評

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  • Googleの人事制度•評価方法がよく理解できるものでした。

  • Googleの人事責任者が採用、育成、評価について、語った本。

    Googleの全てを完全オープンに、という訳にはいかないようだが、
    それでも結構、通常であれば「社外秘」にしてもいいようなところまで、
    オープンにしてくれている。

    「会社」という場所で一度でも働いたことのある人なら、
    誰もが「ウチの会社のこの部分、おかしくない??もっとこうすればいいのに」と感じたことがあるはず。
    Googleなら、全てとは言わないけれど、大体の部分で、そういった「おかしいところ」が解消されているように感じた。
    少なくとも、自分が「もっとこうなっていれば、会社はよりよくなるのではないか?」と感じた部分は、
    大抵、この本の中に書かれていた。

    自分の場合は、その「おかしいところ」の改善策を自分の感覚として持っていたが、
    Googleの場合はそれをきちんとロジカルに分析して改善していた。
    それなりのサンプル数がないとできないこともあるかもしれませんが、
    それでも感覚ではなくデータで語る人事の秘訣は説得力がありました。

    自分は人事のプロではないですが、勉強になったところが至る所にあり、
    将来会社を経営したり、自分の会社を立ち上げた時に参考にしたいと思います。

  • Googleの人事の仕組み。業務、スキル、状況も全く異なるが、通常良しとされるシステムが構築できていない分、一周回って類似するところがある。
    一工夫必要。

    〇自分を創業者とみなすことを選ぼう。

    〇人事予算をまず第一に採用活動に投資する。

    〇自分が求めるものを徹底して具体的に描くことによって、最高の人材を紹介してもらう。

    〇採用活動を全社員の仕事の一部にする。

    〇自分自身で採用候補者を見つける。

    〇採用候補者を客観的に評価する。
    ・一定の評価基準のための決まった質問をする。

    〇採用候補者には入社すべき理由を伝える。
    ・素晴らしい社員に会わせて、仕事のミッションを伝える。

    〇社員全員で自社を評価する。役職ではなくデータに基づく意思決定を行う。

    〇目標設定、全員評価とキャリブレーションによる人事評価システム

    〇ボトムテールに集中した研修等の投資を行う。

    〇トップテールを観察し、学びを得る。

    〇マネージャーの評価:業績とチームの満足度

    〇良いマネージャーのチームの8つの属性
    1.良いコーチであること。
    2.チームに権限を委譲し、マイクロマネジメントをしないこと。
    3.チームのメンバーの成功や満足度に関心や気遣いを示すこと。
    4.生産性/成果志向であること。
    5.コミュニケーションは円滑に。話を聞き、情報は共有すること。
    6.チームのメンバーのキャリア開発を支援すること。
    7.チームに対して明確な構想/戦略を持つこと。
    8.チームに助言できるだけの重要な技術スキルを持っていること。

    〇上司を評価する質問事項のサンプル
    1.上司は、私が成績を上げるための実行可能なフィードバックをくれる。
    2.上司は、「マイクロマネジメント」をしない(部下が処理すべき細かいことまで手出ししない。)。
    3.上司は、私をひとりの人間として見て、思いやりをもって接してくれる。
    4.上司は、優先事項である結果/成果物にチームを集中させる。
    5.上司は、自分の上司や上層部から得た関連情報を定期的に知らせてくれる。
    6.上司は、ここ半年のうちに私のキャリアに関わる有意義な話し合いをしてくれた。
    7.上司は、チームの目標を明確に伝えてくれる。
    8.上司は、私を効率よく監督できるだけの専門知識(例:技術部門ではプログラミング、財務部門では会計)を持っている。
    9.私は、上司をほかのメンバーに勧める。

    〇自分のフィードバックを公表し、至らなかった点について、改善するよう努力して範を垂れる。

    〇デリバレイト・プラクティス:消化しやすい量に分割して、似たような小さなタスクを繰り返し、即座にフィードバックや修正、実験を加える練習方法

    〇職場内のトップが教え合う。

    〇成果への賛辞、熟慮の上での失敗に報いる。

    〇nudge:選択肢を排除せず、経済的なインセンティブを大きく変えることもなく、人々の行動を予測可能なかたちで変える選択アーキテクチャの要素

    〇新人との対話、質問をする、役割を理解する、チームの位置づけを考える、目標を設定する、フィードバックをする。

  • めちゃくちゃ良書。

    この本の思考を素直に実践すれば、間違いなく良い会社になると思う。実際、多くの会社はわかっていてもできないことが多いんだろうなと。だからこそ、抜きん出る。イケてるスタートアップは、取り入れてるし、ワークしているように聞く。(メルカリとかラクスルとか)

    「大企業には無理」という言い訳はできないと思う。Googleは大き過ぎる企業なのだから。

    細かいルール云々というよりは、トップの姿勢そのものが重要で、全部それが根底にあるのが容易に想像できる。

    そして、必ずしも、お金のかかることでもない。

    以下、個人的ポイント抜粋。


    ・必要なのは、社員は基本的に善良なものだと言う信念。そして、社員を機械ではなくオーナーのように扱う勇気だけだ。機会は与えられた仕事をこなすが、オーナーは会社やチームの成功に必要なことなら何でもやる。

    ・成功する組織は、自分たちが何を生み出すかについてはもちろん、自分たちがどんな組織であり、どんな組織になりたいかについて共通の意識を持っている。

    ・全ての人が素晴らしい機会を持てるようにすること、また彼らが有意義な影響与え、社会の改善に貢献していると感じられるようにすること

    ・重要なのは、私たちがこのミッションを決して達成できないことだ

    ・たとえ数分間であれ、手を貸そうとしている相手に従業員を合わせる事は、彼らへの最大の動機付け要因なのだ

    ・自分が世界に変化を起こしていると知ることほど、モチベーションを高めるものはない

    ・他の社員が何に取り組んでいるかを誰でもわかるようにする

    ・週に1度の全社員ミーティングで、会社の誰からの、どんなテーマについての質問にも30分をかけて回答する

    ・質問が選ばれる方法にまで透明性が行き渡っているへ。慣習の関心を反映する度合いに従って質問に優先順位がつけられる

    ・時間をかけてでも、自分より優秀な人だけを雇え

    ・大切なのは会社に何をもたらすかであり、これまでどうやって自分自身を際立たせてきたかだ

    ・マネージャーに自チームのメンバーの採用を任せてはならない

    ・あなたが雇う最初の数人の社員は、その基準を満たすだろう。だが、彼らが採用する側に回ると、あなたと同じ基準で人を雇う事は無い

    ・適任という求職者が見つかるまでは、ポストを空席にしておいた

    ・大きな質問を小さく扱いやすい質問に分解することによって、より多くのより質の高い人材を紹介してもらえるようになる

    ・本当に優れた人々は仕事を探していない

    ・あらゆる社員をリクルーターに変えるべく、人材の紹介を依頼する。友人を贔屓するバイアスを抑制するため、客観的な立場の人に採用を決めてもらう必要がある

    ・採用活動を全社員の仕事の1部とする

    ・受験者を採用すべきかどうかは、4回の面接によって86%の信頼性で予測できることを発見した。その後の面接では1階につき1%しか予測精度は向上しなかった

    ・組織の改革において、唯一にして最善の方法は、より良い人材を採用すること

    ・ステータスシンボルを廃止する

    ・マネージャーの意見ではなく、データに基づいて意思決定する

    ・社員が不満を感じている領域を選び出し、その修正を任せてみよう。期限や予算といった制約があれば、その内容を伝えておく

    ・目標と主要な結果を定める。

    ・他の社員やチームが何をしているかを調べる方法があること、また会社が成し遂げようとしている大きな構図の中で自分がどんな位置にあるかを理解するよう促す

    ・大半の組織は最高の人材を過小評価し、正当な報酬も払わないでいる

    ・私たちが手を貸すのは、社員全員ではなく、必死でもがき苦しんでいる一握りの社員だ。それでもうまくいかなければ、別の役割を見つける手伝いをする。たいていは、これで平均位までは業績が上がる

    ・最高のマネージャーを要するチームは業績も良く、離職率も低かった。実際、マネージャーの質は社員が辞めるか残るかを予測する唯一にして最高の指標だった。社員は会社を辞めるのではなく、だめなマネージャーと働くのをやめるのだと言う格言を証明した

    ・マネージャーに関する匿名でのフィードバックを各チームに求める。この調査を思いやりのあるツールとし、報酬や罰ではなく、成長に焦点を合わせるべき。

    ・成績が下から40%のところにいる人を下から50%に引き上げてもメリットは小さいが、下から5%にいる人を下から50%に引き上げる効果は大きい

    ・トップレベルのスキルの持ち主は学習への取り組み方が私たちとは違う。雨のゴルフ練習場で何時間も同じショットを打つように、動作を細かく分割して何回も繰り返す

    ・社内で最も優秀な人教師にする

    ・平均するとキャリアの早い時期は貢献に対して報酬が少なすぎ、後半になると多すぎる。公平な報酬とは、報酬がその人の貢献とつり合っていると言う事

    ・優秀な旋盤工の賃金は平均的な旋盤工の数倍だが、優秀なソフトウェアプログラマーは平均的なプログラマーの10,000倍の価値がある

    ・最も優秀な社員1人を何人となら交換してもいいか。5人以上なら、最も優秀な社員の報酬が少なすぎるだろう。

    ・最も優秀な社員が平均的な社員の10倍の影響をもたらす場合、報酬を10倍にする必要はないが、少なくとも5倍にするべきだ

    ・経験や物を受け取った社員は、現金を受け取った社員より満足感が長く続いた。金の喜びはつかの間だが、記憶は永遠に残る。

    ・イノベーションは社会集団の(構造の隙間)で生まれやすい

    ・ある場所ではよく知られている当たり前のアイディアが、別の場所に持っていくと新しい価値を見出される

    ・ナッジと言う概念を、(選択肢を排除せず、経済的なインセンティブを大きく変えることもなく、人々の行動を予測可能な形で変える選択アーキテクチャの要素)と定義する。

    ・果物を目の高さに置く事はナッジであり、ジャンクフードを禁止する事はナッジではない

    ・特定の選択肢を選べと命令するのではなく、選択する行為に影響与える

    ・実際、多くのナッジは、不十分な選択によって健康や幸福が損なわれた現状を変えるためのもの

    ・チェックリストはとても効果的。人を見下すかのように簡潔な内容でも構わない。私たち人間は、最も基本的なことを忘れる時もある。

    ・最も優秀なプレイヤーを手本にチェックリストを作って真似をするだけでなく、彼らに社内の教師もやらせる

    ・採用のプロセスが適切なら、悪戦苦闘している大半の人は、本人が無能だからではなく、間違った役割を与えられているせい。

    ・自分たちが働きたいと思う場所を作ることから始める

    ・3分割ルールを導入し、独自の人事組織を構築。典型的な人事畑、戦略コンサルタント、分析力の高い人。

    ・得意な分野と強化の余地がある分野を特定し、チームを築くためにどのような人を採用するか。


  • 336

    最高の人材獲得

  • ①社員は生活の大半を仕事に費やしているにもかかわらず、ほとんどの人にとって仕事は骨の折れる労働であり、目的のための手段に過ぎない。

    ②自分が創業者になりたいのか、従業員になりたいのか。創業者のように行動する。

    ③リーダーの課題は有能な人々がインスピレーションをもたらす目標を生み出すこと。

    ④社員に与える責任、自由、権力の程度は安心して与えれるものよりやや大きいものにしよう。

    意思決定をなるべく少なくする。一個の意識決定にエネルギーをより多く使うために、簡略化する。

    月一の新入社員を囲んだミーティング。ランチ。

    意図を持つ、持たせる。

  • 田端大学の課題図書という事で、オンラインサロン未加入者ですが、読んでみました。
    Google人事がわかる内容になっており、Googleがここまで大きく発展したのも、バックヤードの社員が、Googleの理念と社員の発展・ライフスタイルを重視し、取り組んだことが貢献しているのでしょう。
    社員一人一人が経営者視点で仕事に取り組むという記載と、「プロジェクト・オキシジェンの8つの属性」は心に留めておきます。

  • Googleの人事担当 ラズロ・ボックがGoogleの人事について書いた本。Googleだからこそ成り立っている部分もあり、少し綺麗事に過ぎる部分もある。

    例えばラズロ・ボックはマイクロマネジメントを禁じている。マネージャーの意見でなくfactに基づく事。それは恐らく優秀な人材を獲得をしているところと放出に思いっきり差をつけているところとセットになってくる。部下の失敗は上司の失敗であり、それ故にマイクロマネジメントを上司はしがちだ。

    とはいえ他企業のリーダーも昭和型のリーダーでなく未来型のリーダーになる為に参考になる所はある。

    ラズロ・ボックはGoogleに入る前にGEに在籍している。GEではパレート方式による20対70対10のランキングシステムを作成しボトムは解雇される。
    Googleではランキングするところまでは同じだがその他は違う。Googleでは最高と最低の「二本のテール」を管理しそのデータを未来に生かす。最低の社員も改善のチャンスがありそこに手を差し伸べるべきだと。「フィードバック」こそ大事でそれは上司でも同じだ。


    以下メモ書きである
    ※Googleでは自分の手柄を鼻にかけるリーダーは嫌われる。「私達が」より「私が」を口にし「どうやって」より「何を」を口にするリーダーを。

    ※リーダーは社員が安心して自分の意見を言えるようになることが大事だ。

    ※目標とフィードバックをたてる
    →デリバレイテッド プラクティスが自分を成長させる

    ※リーダーやマネージャーは「意思決定のヒエラルキー」として必要。

    ※教育より優秀な人材の採用を。優秀な講師は外部より社内にいる

    ※ルールよりきっかけづくりを。行動経済学のナッジの概念↑また勉強する


    ①仕事に意味を持たせる
    ②人を信用する
    ③自分より優秀な人だけを採用する
    ④発展的な対話とパフォーマンスのマネジメントを混同しない
    ⑤2本のテールに注目する
    ⑥金を使う時は惜しみなく使う
    ⑦報酬は不公平に払う
    ⑧ナッジ きっかけづくり
    ⑨高まる期待をマネジメントする
    ⑩楽しもう!

  • 社員は基本的に善良だという信念。そして社員をオーナーのように扱う。

    自らを創業者と考え、創業者のように行動する。

    採用活動を第一に投資する。時間をかけて最高の人材だけ雇う。
    何らかの点で自分より優れた人材だけを雇う。
    マネージャーに自チームのメンバー採用を任せてはならない。

    マネージャーの意見ではなく、データに基づいて意思決定を行う。

    最善の学習方法は教えること。

    1.仕事に意味を持たせる。
    2.人を信用する。
    3.自分より優秀な人だけを採用する。
    4.発展的な対話とパフォーマンスのマネージメントを混同しない。
    5.2本のテール。上位と下位に注目する。
    6.お金を使うべき時は惜しみなく使う。
    7.報酬は不公平に払う。
    8.ナッジ。きっかけを作る。
    9.高まる期待をマネージメントする。
    10.楽しむ。

  • 数万人という規模の会社になったことを考えても、
    この本を読んで学ぶことがない人なんていないと感じる内容だった。

    大きな目標に挑戦し続け、
    ときには自己犠牲が伴う協力をし、
    たゆまぬ改善を行うことで、
    チームとして機能したときに信じられないような成果が上がるのかもしれない。

    そんなチームを会社に作るための一歩として、
    今やっていることに何かフィードバックをかけることが見つかる本だと思いました。

    (以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
    ○賢明さや勤勉さは成功のための必要条件ではあっても、十分条件ではない。わが社は幸運でもあったのだ。こうしたことを知れば、グーグルのホームページにある「I'm Feeling Lucky」ボタンはまったく新たな意味を帯びてくる。(P.43)
    ○「グーグルが掲げる10の事実」は以下の通り(グーグル公式サイトより)。
    ①ユーザに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
    ②1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
    ③遅いより早いほうがいい。
    ④ウェブ上の民主主義は機能します。
    ⑤情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
    ⑥悪事を働かなくてもお金は稼げる。
    ⑦世の中にはまだまだ情報があふれている。
    ⑧情報のニーズはすべての国境を超える。
    ⑨スーツが無くても真剣に仕事はできる。
    ⑩「すばらしい」では足りない。(P.61)
    ○ 「仕事の完了」についての誠実性が高い人ーーつまり、ほどほどのところでよしとせずに、仕事が完了するまでやり遂げる人ーーは、自分のチームやチームをとりまく状況に責任を感じる傾向も強い。言い換えれば、雇わられている者というより、むしろ企業のオーナーのように行動することが多いのだ。(P.157)
    ○あなたの行動がチームに前向きな影響を与えたときのことを聞かせてください。(補足質問:あなたの主要な目標は何であり、その理由は何でしたか?チームメイトの反応はどうでしたか?今後はどんな計画がありますか?)(P.160)
    ○目標達成のためにチームを効果的に運営したときのことを聞かせてください。あなたはどんなアプローチをとりましたか?(補足質問:あなたの目標は何であり、個人としてまたチームとして、それをどう達成しましたか?チームのメンバーそれぞれに応じてリーダーシップをどう変えましたか?こうした特定の状況から学んだ最も重要なことは何でしたか?)(P.160)
    ○他人(同僚、クラスメート、顧客など)とうまく協業できなかったときのことを聞かせてください。あなたから見て、その人とともに働くのが難しかった理由は何ですか?(補足質問:問題を解決するためにどんな手順を踏みましたか?その結果はどうでしたか?ほかにどんなことができたと思いますか?)(P.160)
    ○ある程度の謙虚さを備えている(自分が間違っている可能性を認められない人は、これがなかなか身につかない)、きわめて誠実である(従業員ではなく企業オーナーであってほしい)、曖昧さを楽しむ余裕がある(事業がどう進展するかはわからないため、グーグルのかじ取りをするには社内で多くの曖昧さと向き合わなければならない)、人生において勇気のいる、あるいは興味深い道を進んできたという証拠を手にしている。(P.166-167)
    ○第1に、目標を正しく設定する。それを公にする。目標は野心的なものにする。
    第2に、同僚のフィードバックを集める。(P.284)
    ○第3に評価のために、何らかのキャリブレーション・プロセスを導入する。私たちが好むのは、マネジャーが一堂に会し、ひとつのグループとして社員について検討する会議だ。時間はかかるが、評価と意思決定のための信頼できる公正なプロセスを実現できる。(P.284-285)
    ○プロジェクト・オキシジェンの8つの属性
    1 良いコーチであること。
    2 チームに権限を委譲し、マイクロマネジメントをしないこと。
    3 チームのメンバーの成功や満足度に関心や気遣いを示すこと。
    4 生産性/成果志向であること。
    5 コミュニケーションは円滑に。話を聞き、情報は共有すること。
    6 チームのメンバーのキャリア開発を支援すること。
    7 チームに対して明確な構想/戦略を持つこと。
    8 チームに助言できるだけの重要な技術スキルを持っていること。(P.312)
    ○UFSの質問事項サンプル
    1 上司は、私が成績を上げるための実行可能なフィードバックをくれる。
    2 上司は、「マイクロマネジメント」をしない(部下が処理すべき細かいことにまで手出ししない)。
    3 上司は、私をひとりの人間として見て、思いやりをもって接してくれる。
    4 上司は、優先事項である結果/成果物にチームを集中させる。
    5 上司は、自分の上司や上層部から得た関連情報を定期的に知らせてくれる。
    6 上司は、ここ半年のうちに私のキャリアにかかわる有意義な話し合いをしてくれた。
    7 上司は、チームの目標を明確に伝えてくれる。
    8 上司は、私を効率よく監督できるだけの専門知識(例、技術部門ではプログラミング、財務部門では会計)を持っている。
    9 私は、上司を他のグーグラーに勧める。(P.315)
    ●私が自分の評価を初めて公表したとき、それが自分のチームの平均を下回っていたので、内心びくびくしていた。(中略)私に対するチームの支持率は77%だった。(中略)下位25%のマネージャのチーム支持率は72%だと言えばひどさがわかてもらえるだろう。(中略)私は、明確なフィードバックを出すこと、(中略)広く努力することを部下に約束した。(中略)やがて、チームは満足度を向上させ、うまく機能するようになり、私の評価も上がった。(P.318-319)
    ●学習に費やす時間の長さではなく、時間をおdのように費やすかだ。(中略)つねに状況を確認しながら、小さなーーほとんど気が付かないようなーー修正を重ねて改良する。エリクソンはこれを「デリバレイト・プラクティス(熟考した練習)」と呼ぶ。(P.328)
    ○その際に、具体的なフィードバックをもらったうえで、同じ課題にさらに3回、繰り返したら、学んだ内容をはるかに深く吸収できたのではないだろうか。(P.330)
    ●彼は必ず私をわきに呼んで質問した。「今日の目標は?」(中略)そして、ミーティングを終えて車でオフィスに戻りながら、彼は再び私に質問した。「君のアプローチはどんな結果を出した?」(中略)ミーティングの直後にフィードバックがあり、変えるところと変えないところを確認し合う。(P.331)
    ●グーグルに転職するほぼすべての人は、入社時の給料は前職より安かった。(中略)ときには10万ドル下がってもかまわないと言えるのは、リスクを追いかける起業家肌の人だからだ(P.361)
    ○グーグルの業績管理の制度を変更するたびに、2つの心理が自ずと明らかになる。
    ①業績管理の制度を歓迎する人はいない。
    ②現在の制度に対する変更の提案を歓迎する人はいない。(P.488)
    ○今や数万人の社員と数十億人のユーザーを擁するグーグルには、想像の機会が無限にある。そして、無限の創造に挑みたい人が集まってくる。ただし、自由は絶対的なものではない。チームや組織の一員であるということは、ある程度は個人の自由をあきらめ、ひとりよりチームのほうが大きな成果を達成できる可能性を受け入れるということだ。(P.494-495)
    ○問題は何も解決しなかった。
    このように大規模な議論が騒々しいほどに盛り上がり、結論が出なくてもかまわないのは、透明性があって意見を恐れないという文化の一部だろう。すべての問題がデータで解決できるわではない。理性的な人々が同じ事実を見ても、意見は分かれる。(P.499)
    ○グーグルは私たち自身が理解している以上に野心的だ。それのめ毎四半期のOKRは70%を達成すれば優秀とされ、ラリーは「ムーンショット(困難だが壮大な挑戦)」を信じている。(P.501)
    ○社員が最も困っているときこそ、人生最大の悲劇や喜びに遭遇したときこそ、会社はカネを惜しんではいけない。緊急の治療が必要なときや新しい家族が増えたときに、会社の寛大さは最も大きなインパクトを与えるだろう。(P.515-516)
    ○経営陣からのアイデアは、すべてが理想的なわけではない。(P.528) 

  • 採用やひとの評価に携わる機会がある方は必読です。

    新しい会社に集う、新しい人々。そして、新しい働き方、新しい評価の必然性に目が向くはずです。

    実はだれしも、上司や先輩、古いしきたりやルールに染まりやすいものです。選ばれる側、評価される側だったときに感じたことも、いざ選ぶ側、評価する側になった途端に忘れてしまいがちです。

    評価を数値化し、細分化して公平化し、結果の「上」には傾斜、「最下位」は排除する制度が古いことがよくわかるはずです。

  • なんか思ってたのと違った。要するにグーグルで実施されている人材採用と社内ルール&文化、チームビルディングなどの手法が書かれた本で、読んでいても私のような零細企業に勤める者とはあまりにも世界が違いすぎて、なんの参考にもならない。しかも、著者は基本的に構築する側の人間なので、「働き方」はあまり学べない。おそらく出版社側もそれを理解したうえでタイトルや帯分で興味を持ってもらえるようにしたのだろうけれど、結果として内容と乖離したものになってしまい、評価を下げる要因の一つになっている。

  • 8章だけでもお金を払う価値がある。
    ボトムテールの扱いをどうするか。社員の心情と状況、会社のコストを考えて対応を決め、実践して結果を考察している。
    本当によく考えて実践していると思う。

    上からの押し付けではなく、実践して事実をもとに判断しているので、社員も納得感があるだろうと推測する。

  • Googleの人事(people's operations)担当上級副社長のラズロ・ボックがGoogleの人事のルール - 採用・評価・報酬・人材育成など- について自ら書いた書いた本。Googleのポリシーがそうであるのを反映してのことであろうか、かなりオープンにその仕組みや経緯が語られている。が、その分結構長い。kindle本だったので、最初は気が付かなったが、なかなか進まなくてもう少し短く凝縮できたんでは、とは思う。でも当然内容は悪くない。

    Googleの人事の基本は、優秀な人を集めてその主体性に任せること。ものごとをオープンにして、社員の間で闊達で自由なコミュニケーションを取らせること、だ。Googleが、それができる会社になったということが重要だが、やはり最初からその思想があったればこそとも言えるかもしれない。すでに一般にも有名になっているTGIF会合や20%ルールもその表れだが、この本を読むとその思想が(少なくとも著者が見る範囲では)常に意識されていることがわかる。また、人材はべき乗分布にしたがうものという認識を持つことが重要であり、そのために報酬は不公平でいいという点は意外でもあり、Googleらしくもある。

    Googleの特長は、とにかく優秀な人を彼らのチームに惹きつけるということである。そのための採用活動に非常に多くのリソースとアイデアを費やしていることもわかる。「自分より優秀なものだけを雇え」や「採用とは利用できる人事機能のうちで最も重要なものだ」といった言葉はそのことを示している。Googleはここに至るまで、ものすごいスピードで事業規模を拡大し、その社員数を増やしてきた。また事業のグローバル化も推し進めてきた(東京オフィスが最初の海外オフィスであったというのは驚き)。その中で、最初はともかく入社希望者はそれを上回るペースで増えたため、Googleへの入社は非常に狭き門となった。Googleの成功はそういった環境の中で「スマート・クリエイティブ」を集めて最大限に能力を発揮させることに腐心したことにある、とこの本は言っているようだ。「人事という仕事は、最上級の敬意を払われる対象ではない」と自ら認めながらも著者はその仕事に誇りと、そして最大限のやりがいを感じているように思う。長くて読むのちょっと疲れたけど、それは伝わってきた。

    最後に、この本の中でもそうまとめられていたことを書き出してみたい。

    ①仕事に意味を持たせる
    ②人を信用する
    ③自分より優秀な人だけを採用する
    ④発展的な対話とパフォーマンスのマネジメントを混同しない
    ⑤「2本のテール」に注目する
    ⑥カネを使うべきときは惜しみなく使う
    ⑦報酬は不公平に払う
    ⑧ナッジ -- きっかけづくり(※ ナッジについては『実践行動経済学』などを参照)
    ⑨高まる期待をマネジメントする
    ⑩楽しもう!

    なるほどって思うだけではダメなんだろうな。

    ※ 数少ない日本に触れられた箇所でこういった表現がある。「歴史的に、日本の大学生は塾での欝々とした時間と「サラリーマン」(過去の日本に特有の年功序列と終身雇用を土台とするキャリアを示す用語)生活の単調さをの狭間で、遊びと自由という最後のあがきにふける。日本の大学の成績は採用データとしては実質的に意味がないが、どこの大学に通っていたかを知ることは、少なくとも新卒者については役に立つ」 - 今でも、またGoogleから見てもいまだこうなんだろうか。昔は確かにまったくその通りだったよね。少し残念。なんだろうか、アメリカと日本とが、この20年ほどであまりにも遠く離れてしまったような気がする。

  • 感動!こんな自由な組織を作りたい。グーグルの文化の3つの礎石:ミッション、透明性、発言権。意外だったのが、マネジャーの重要性。そのため実施されるUFS。まずは所長が評価を受ける必要あり?

  • 人事部で働きたくなった。

  • Googleがどんな人事戦略を描いてきたのかわかる一冊。

  • 欧米企業は、ジョブ型や実力主義など、
    人に関して、もっとドライなのかと
    思っていましたが、本書より、
    そうではないことに気付かせてもらいました。

    社会環境や時代が移りゆく中で、
    変化してきたのではないかと思いますが、
    こうした側面を情報として新聞等で、
    取り上げてほしいと感じました。

    答えをすぐ求めずに、
    仮説を立て、実験し、
    社内で実験をすることを伝え、
    進めている点は、公平性、透明性がありました。
    その中で、変化に対して耐性が付き、
    創造性も磨かれていくのだと
    感じました。

    人事系(育成/採用)の方は、もちろんのこと、
    人事系でないマネジャーの方も、
    読んでおくべき良書としてお薦めです。

  • Googleはすごい会社だなと
    また時間をおいて読み返してみたい

  • Googleのソフトウェアエンジニアリングの中でたびたび紹介されていたので読みました。人事責任者がGoogleの職場をつくってきた哲学が実例とともに書かれています。大前提として性善説、そして文化の大切さ、楽しい環境が生産性を向上させるという考えに基づいていて、自身の職場でどう適用するか悩みながら読み進めました。そんな中でも、小さな実験を繰り返すこと、そして目標とフィードバックを繰り返すという地道な積み重ねが強固な文化を維持するために必要だと感じました。

  • 「なんとなく」を脱する必要があるなと感じた。
    施策は効果を測定すること。
    それがベストなのか、きちんと確認すること。
    何を改善すべきなのかは社員が教えてくれる。
    どう測るべきかも社員が考えてくれる。当人が有する知識はもちろん、その人がアプローチできる人脈も活かす。
    自分より優秀な人を雇い、優秀な人にはきちんと報いる。
    なにより、やっぱり「きちんと人を選ぶ」こと。雇って終わりではなく、この組織で成果を出す人はどんな人かを分析して定義して、マッチする人を雇う。

  • グーグルの労務管理を褒める本

  • 14章のうち①②④をまずは実践

  • アメリカでは、HRの重要性が高まっているのだろうか?
    会社がどうなっていくか、どのような文化を作るか。そんな土台を作るために、HRがキーになってきている。
    ただ、米系の会社は、優秀な人材ありきで会社が成りっているように見える。2本のテールの話は、橘玲氏の「無理ゲー社会」を思い出す。一部の優秀な人達が優遇され、その他大勢が脇に追いやられる。そして分断が起きる。
    国レベルで起きている分断、対立が、会社でも起きるのではないか、そこに文化は生まれるのだろうか、という疑問が残る。

  • 元グーグル人事担当上級副社長が書いたグーグルのマネジメントの基本な考え方。
    著者の入社以降、6,000人から60,000人に拡大する中で
    フォーチューンから「もっとも働きやすい会社」に繰り返し指名されたとのこと。
    成功だけでなく失敗事例も随所に書きちりばめられております。

    なお、本の半分近くを採用に費やしております。
    これは「採用の失敗は教育では取り返せない」ことを前提としており、採用を重要視しているためです。

    本書で私が特に感銘を受けた箇所を紹介します。

    グーグルの人事組織に「3分割ルール」を導入。典型的な人事畑の経験のある人の人員は3分の1を超えないこと。次の3分の1はコンサルティング業界(人事コンサルティング会社は対象外)から採用。最後の3分の1は分析力の高い人を採用する。
    これらの3つの採用のコンビネーションがなければ本書で紹介したことはほとんど成し遂げられなかった。人事部門では人事の経験がある人だけを雇うのは間違っている。

    本書は採用・育成・組織文化を担当している人事の方は当然ながら、世界トップ企業がどのような人事施策を行っているのか興味がある方にもお薦めです。

  • Google
    夢のようなマネジメントだが、資金があるからこそ。中小企業はもっと創意工夫しなければならない。

  • Googleの人事役員の方が書かれた本です。素晴らしい企業文化でした。こんな会社で働きたい!と思うほど、羨ましい限りです。是非、企業の役職のある方には読んで欲しいです。

  • Googleの文化がいかに試行錯誤の上で成り立ってきたか、失敗と成功例と共に説明されていてよく分かった。
    自分の働く会社との意識の雲泥の差を感じた。。

  • 創造性を引き出すためにオープンを原則とし、全社を巻き込みながら実験的な取り組みや必要な議論を行いつつ、よりより環境を構築していった過程を赤裸々に記してある。
    今ある会社を変えるには相当に力がいるだろうが、これから会社を作るという人は優秀でミッションビジョン価値観に共感する人を集め、初めからこのようなルールで組織を運用できると面白いだろう

  • 非常に面白かった。業態も国も違うが、ヒントになるところもあった。

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著者プロフィール

ラズロ・ボック
グーグル人事担当上級副社長
グーグル人事担当上級副社長。
1972年、共産主義政権下のルーマニア生まれ。

マッキンゼーやGE勤務を経て、2006年にグーグル入社。

従業員が6000人から6万人に増えていく過程で、
グーグルの人事システムを設計し、進化させてきた責任者。

グーグルは世界各国で「最高の職場」として認められ、
数多くの賞を受賞してい る。


「2015年 『ワーク・ルールズ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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