生活者発想塾: 博報堂生活総合研究所オープン・スクール

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532490874

感想・レビュー・書評

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  • 文字が大きくてさらりと読める内容ながら、
    なかなか参考になる部分が多かったと思う。
    ああ、なるほど、そういう見方もあったか、
    そうやって聞いてみると確かに面白いな、と思うことがあって。

    たとえば、気になることを集めてみようという事例で、
    東京マラソン2010の申込者数272,134人、出走者32,080人だったこと。
    この人の波は一体何なのか?
    ひとときの大衆経験を欲しているのではないか、という仮説を提起していたけれど、
    それ以外にもこの数字から考えさせられることは出てきそう。

    なんとなくニュースを見ていて、へー流行ってるんだなー、
    と思っていたらそれでも済むのだけど、
    リサーチャーとしては、なんでそんなにそれに人が集まるんだ?
    っていう、普段から気にするという視点は必須だし、
    そこに自分なりに仮説を立ててみるということ、
    できたら何かしら調べてみるということが大事だよなあ、と思った。

    この調べるという部分では、
    <blockquote>いい答えは、いい問いから生まれます。</blockquote>と、いくつかの面白い聴取の方法が掲載されている。
    たとえばテストの穴埋め問題のような形式で、
    テレビへの気持ちを聴取する方法。
    テレビは(  )に似ている、テレビの敵は(  )だ、みたいな。

    それから紙芝居みたいな絵に吹き出しをつけてセリフを書いてもらう方法とか、
    あるモノを書いておいてそれとつながりを感じるものを書いてもらい、
    そのつながりの理由を書いてもらう方法とか…。
    ただ、これらの方法は面白いけど、分析はわりと大変かもしれない。

    心の中の数字を取り出す、という章はとても面白いと思った。
    たとえば、
    <blockquote>「オジサン」って何歳から?
    「近所」って自宅から何メートルの範囲?
    「一瞬」って何秒?
    「ちょっと一杯」って何分以内? などなど</blockquote>
    確かにこういうのって定義は不明確で、
    世の中の意識としてどのくらいなんだろう?っていうのを数字にしてみるのは面白そう。
    ちなみに男性がオジサンを感じるのは42.4歳、女性は44歳なのだそう。
    ふーん、なるほどね。

    あとは写真の収集というアプローチも紹介されていた。
    幸福を感じる写真を撮ってきてね、とか、安心の素を撮ってきてとか。
    画像の収集っていうアプローチは、
    これも分析はなかなか難しいだろうけれど、
    個々の心象風景というか、イメージが汲み取れそうな感じはするかなあ、と。

    最後に定量データのトレンドについていくつか述べられていたのが気になった。
    この章は自分も定量調査をよくやるので、うんうん、と納得。
    意外ときれいに変化は見えてくるし、逆に変わらないことも大事だったりする。
    トレンドが一直線に変わらない、ってなんかつまらないんだけど、
    でも実はそれってすごいことなんだよなー。

    とまあ、生活者の姿を考えるために視点や方法論を具体的に紹介してくれている本。
    もちろんほんの一部に過ぎないだろうけど、
    参考になる情報が多かったし、使ってみようと思うものもあってよかったかな。

  • ①能力主義は合理的な制度だと思う 41.4%
    ②年功序列は守るべきである 22.3%
    この数値を見て、日本も能力主義になったなーと思われますか?

    実は近年①は下降傾向に、②は上昇傾向にあるそうです。
    ここから何が読み取れるでしょう?

    これは一例ですが、このように生活者を様々な視点から捉えており、その視点からどうような発想ができるかが述べられています。「「ものの見方」で、暗い時代をひっくり返そう!」というキャッチコピーは少し大袈裟ですが、今この時代の傾向を知ることで少しだけ生活が豊かになる気がします。すらすらっと読めるし単純に面白いのでおすすめです。

  • アナウンサー・キャスター・リポーターが
    「生活者発想塾」から世間の平均値について解説。

    スッキリ!! 2010年5月26日(水)08:00~10:25 日本テレビ
    にて紹介あり

  • 発想する幸福
    生活者発想とは->テクニック->心構え
    広告は人間学
    まるごとみると因果関係が見える
    兆し   違和感 気になることを大切に
    声    穴埋め法 マイナス 何をしないか
    数字   私数
    場    写真 自分 まわり 仕組み 幸福写真
    波形   時系列 定点 選力 YTT(Yesterday Today Tommorow)
    簡単なモノはつまらない
    「自分は知らない」事を知っておく 聞き損じを漏らさない
    創造性を暮らしの実利に
    分かち合って太る
    明転の聖心

  • 2010.5.1 Reading-Lab tomonaruさん紹介本

  • ■発想
    ①消費者は、生活者の中にたっている。考えるべきは、消費者の先の生活者。
    ②人が勝手に店をつくる。
    ③赤ちゃんを抱いているお母さんは、実は未来を抱いている。
    ④多様化が進む日本、みなが個の意思を優先し、分散にむかっているが。ひとときの大衆体験に集まる人々がいる。(東京マラソン、サッカー観戦など)

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著者プロフィール

「生活者発想」を企業哲学とする博報堂グループのフラッグシップ機関として1981年に設立。人を消費者だけにとどまらない多面的で主体的な存在「生活者」として捉え、独自の視点と手法で研究を続けているシンクタンク。主な活動は、生活者の変化を長期にわたって追う時系列調査や、生活者と暮らしの未来洞察のほか、近年はデジタル空間上のビッグデータをエスノグラフィの視点で分析する「デジノグラフィ」も推進中。その成果は書籍はもちろん、発表イベントやwebサイトなどを通じて広く社会に発信している。

「2021年 『博報堂生活総研のキラーデータで語るリアル平成史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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