- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784534047472
感想・レビュー・書評
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前著『ロジカル・シンキング・リーディング』が自分的に名著だったこと、問題解決手法をもう一度見直したいと思い購入。
単純に一般的な問題解決のフレームワークや手法を説明することを主にしたものではなく、問題解決に必要な思考様式、陥りがちな誤った考え方に言及しており、非常に実践的。
本書でも書かれているように、問題解決力とは、「知識がなくても自分の頭で解答にいたる筋道を考えていける力」。
本書では、その力をつけるために必要な基本的なエッセンスがまとめられている。
自分が本書で得られた気付きは以下。
・「問題」と「現象」は異なる。
・サンクコスト=「どうやっても回収できない費用は最初からないものと捉える」
・最初から「解決策」を考えない
→問題の原因を深堀して突き止める。
・ロジックツリーはアクションではなく、「概念」を整理する。
・何故、「選択と集中」が重要か。
→リソーセスには限りがあるから。
・プロコンチャート
→プロ(メリット)とコン(デメリット)を一覧にしたもの。 -
みかんの出荷量とインフルエンザの相関関係があることから
インフルエンザの流行を抑えるにはみかんの出荷量を減らす、というような
まったく無関係な事象もデータの扱いでは正しく見えてしまう。
サンクコスト(埋没費用)というマネー用語は知らなかったが、
確かに納得できる考え方だった。
問題の原因は人ではなく構造的な要因であること。
ロジックツリーでもWhyツリーやHowツリーの作成方法がわかりやすい。
(ツリー階層は3階層が理想)
完璧なデータを集めて物事を分析することは
ビジネスの世界では不要。
90%のデータ取得時間と95%(+5%)のデータ取得時間は
ほぼ等しい。 -
"3分でわかる"シリーズの問題解決を取り上げたもの。このシリーズでは、ラテラルシンキング、クリティカルシンキングの本を読んだことがあるけど、この本も内容が分かりやすく、実行できれば役立つに違いない。
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問題解決とは、未知の領域でも自分で道筋を考え、組み立てられる力。
問題解決の4つのステップ
問題を正しく捉える
▲問題を捉えれないのは、あるべき姿が見えないか間違いってい るか
▲「問題」と「現象」を区別する
「現象」は「問題」ではない「現象」から問題を引き出す
▲立場によって同じ「現象」から引き出す問題は異なる
どの立場で何を解決することを「問題」とするかの意識を統一 させることが重要
▲視点を広く持ち問題を捉え直す
①対象を広く捉える
市場を広く捉える、新しい市場を見つける、市場の定義を見 つめ直す
②視点を高くする
顧客の体験、価値から一つ高い次元で問題を捉える
③時間軸を変える
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問題の根本原因を突き止める
打ち手を考える
実行プランに落とす -
今日ご紹介するのは、「本が出たらノータイムで買う!」とハナから決めている、数少ない作家さんの一人、大石哲之さんの最新作。
問題を正しく捉えられないのは、2つの罠にハマっているからです。
1つは「あるべき姿が見えない」ために、何がギャップなのかさっぱり方向性が見えないというものです。もう1つが「あるべき姿が間違っている」ため、間違った方向の解決策に懸命に取り組んでしまう場合です。
「あなたがいま問題だと思っていることはなんですか? なんでもいいのでいくつか挙げてみてください」
これは、採用の面接でよく使われる質問です。
どのように答えたら良いでしようか?
「過疎や地球温暖化が問題だと思います」
これは典型的なダメな解答ですね。過疎や地球温暖化というのは、一見すると「問題」であるように見えますが、実は単なる「現象」に過ぎません。現象を指摘して、それは問題であると捉える人が非常に多いのです。
物事の関係を捉えるとき、私たちは、目に見える、いわば氷山の上に出ている部分の関係性だけを捉えて、関係がありそうだ、相関があるといったように考えてしまい、解決策も氷山の上の出来事に対して打ち手を考えてしまいます。
しかし、大事なのは、氷山の下に隠れている本当の因果関係なのです。(中略)
もう1つ他の例を挙げてみます。(中略)
「みかんの出荷量」と「インフルエンザの患者数」です。これをグラフ化してみると、みごとに関係性があるように見えます。(中略)
本当の因果関係は、氷山の下に隠れていて見えなくなっています。この場合はなんでしょうか?(ネタバレ自重?)
「胃が痛い」という患者が、来院したとします。この患者に対して、なんら検査せず、「胃薬」「痛み止め」を出して「リラックスのすすめ」をしたらどうでしょう。とんでもないヤプ医者です。
これが、「解決策から考える」ということと同義だということは、わかってもらえますか?(中略)
医者の例でいうと実にバカバカしい話ですが、ビジネスにおいては、問題の原因を突き止めようとせず、その場限りの解決策をたくさん並べて、号令をかけるといった手法は当たり前のように使われています。