水魑の如き沈むもの (ミステリー・リーグ)

著者 :
  • 原書房
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本棚登録 : 457
感想 : 83
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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562045419

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに長編の刀城言耶シリーズ。
    ホラーとミステリーの融合というよりは、今回は宗教的な雰囲気はあるものの、スタンダードな新本格なテイストが強かった気がします。
    探偵が提示する疑問点そのものがミスリードだったりする手段や、相変わらず二転三転する推理は読んでいて楽しい。

  • 舞台である四つの村と水にまつわる神事の絡みがとてもよい。神事の説明が登場人物との掛け合いで読みやすいのもあるし、発展の歴史が興味深く、殺人事件が起こらなくても満足できそうな読み応え。
    しかし事件発生から警察を介入させない捜査への流れがスピーディーでハラハラさせるような展開。シリーズものなのにこれだけの質を維持できるのはすごい。

  • 刀城言耶シリーズ6作目。全体的にみるとシリーズの中では面白さもトリックもやや落ちる方かと思った。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file4/naiyou14506.html

  • はぁーこれは一気に読んでしまいました。偲さんはあの場面のために今回加えられたのかな。どちらにせよ言耶とはくっつかないほうが断然面白いね。
    神饌は怖いなあ…
    もっと言耶自身に怖い目にあってほしいな、なんて。まあ言耶の怪異に対する姿勢を貫かせるためには、今回の正一君とかのような体験を、言耶にはあまりさせるわけにはいかないのでしょうかね。
    五月夜村と二重山の名前の意味に思い至らなかったのが悔しいな!

  • シリーズものみたいだね(^◇^)
    ホラー描写が怖かった。夜中には読めない( ;∀;)半分くらい読み進むまでは長くかったるく感じるけど後半は一気に読めるほど展開が面白かった。
    ただ最後スッキリしないから苦手なパターンではある。せっかくここまで読んだのにモヤモヤ終わらせなくたって(;_q)って思ってしまう小市民(笑)

  • 刀城言耶シリーズ第5長編。
    これまでの集大成的な題目がつけられたりもしているらしい本作ですが・・・たしかに面白かったです。古い因習とホラーっぽい雰囲気とそれに伴うミステリ展開がうまく融合できてなんともいえない読み応えが。いいですね。こういうのが読みたかった。
    ちょっとご都合主義な側面もあるかもですが、だんだんシリーズを重ねてシリーズ登場人物のキャラみたいなものも確立してきた感もありますし、なによりいつものあの「雰囲気」が好きな方には是非とも変わらずおすすめしたい。

  • 刀城言耶シリーズ長編。
    悪役がまた憎らしい…いつもと違い?最後が爽やかだった。游魔はいいキャラだったな。蔵の中の何かの描写は相変わらず嫌な感じでした。

  • はぁ・・面白かったぁ。
    けど、今までとはちょっと違う感じ。

    心霊色が強い?
    結界とか呪術とか、今まであんまりはっきり出てこなかったものが
    今回は普通に機能していた。

    4つの神社と雨乞いの儀式。
    神男、宮司が殺される連続殺人事件。

    りゅうまが面白かった。
    彼と言耶の陋屋でのやり取りが微笑ましかった。
    ていうかちょっと笑った。

  • 三津田作品はちょっと遊び人系のキャラが魅力的だなぁと思った一作。少年とお兄ちゃんとの組み合わせが美味しい。

    最後の一行でぞっとするのが三津田流、と思ってたんですけど、これは最後の一ページで切なくなる作品でした。

  • 読み始めるまでは、本はすっごい分厚いし、
    登場人物もかなり多くて(特に本作は)、少し構えてしまうというか
    軽い気合が必要だったりするけど、読み始めてしまえば
    どんどん読めてしまうのが刀城言耶シリーズのすごいところ。

    本作を読む前に読んだ『密室の如き籠るもの』は
    短篇集だったので、物語にずっぽりハマり込める
    長編作品に対する飢えみたいなものがあって、
    読み始めて、これだよこれ!という感覚がこみ上げてきた。
    やっぱり刀城言耶シリーズの真骨頂は長編だなと痛感。

    ただ、刀城言耶シリーズも6作目に入って、
    定型パターンの繰り返しを避けているのか、
    今回はなんとなく登場人物をしっかり掘り下げて
    ストーリー・物語としての面白さを志向しているように思えた。

    冒頭では、刀城言耶と阿武隈川烏、祖父江偲の
    3人による掛け合いと舞台説明及び怪奇譚紹介、
    前半部分は宮木一家(主に3姉弟)と波美の人々による
    人間ドラマと怪奇譚が中心に描かれていて、
    人と人との絡み合い(愛憎)・もつれ合いの比重が高い。

    その流れで、編集者・祖父江偲の現地同行があったのだろうし、
    左霧という思わず「おっ?!」となる名前が出てきたのかなと。
    (期待にそぐわず『厭魅の如き憑くもの』で出てきた神々櫛村出身)

    なにより、ミステリーとして見た場合、
    本作は明らかに物語の展開が遅い。
    なにしろ、かなり分厚い本書の半分を読んでも
    まだ事件が起こってすらいないのだから。

    その分というか、後半は次々に事件が起こって、
    一気にミステリー色が強くなるので、帳尻としては
    合っているような気もしなくもない。

    なお、シリーズ通してずっと二転三転する
    刀城言耶の探偵っぷりだけど、
    個人的には人間味が感じられてこういう感じのほうが好き。
    疑問点を取材ノートに箇条書きして必死に考え抜き、
    真相わからないのか?と聞かれれば
    素直に「さっぱりわかりません」と答える。
    数分前まで真犯人はこの人だと言っていたのに
    よく考えたら違ってました、やっぱりこの人でしたと訂正する。
    いいじゃないですか(笑)

    IQが超高い天才名探偵が真相を瞬時につかみとり、
    「なんでそんなこともわからないんだ、石岡君」と
    苛立ちと共に馬鹿にされる。

    そんなミステリーばかり読んできたので、
    刀城言耶の探偵っぷりは正直ホッとする(笑)

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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