水魑の如き沈むもの (ミステリー・リーグ)

著者 :
  • 原書房
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本棚登録 : 456
感想 : 83
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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562045419

感想・レビュー・書評

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  • 最近ハマっているこのシリーズ。独特の怖い雰囲気がたまりません。

    水魑という神様を祀る4つの神社が行う雨乞いの儀で次々と人が殺されていく・・・という事件が起こりますが、事件より何よりこの村の人、というか龍璽の狂信的な言動が怖かったです。
    神々櫛村の左霧という人物が出てきて、シリーズ間のつながりがあるのも面白いところです。
    ただ、残念なことに神々櫛村の事件の詳細を私は忘れてしまったのですが・・・。もう一度読みたいところです。

  • +++
    刀城言耶シリーズ書き下ろし長編!
    近畿地方のとある農村。村の人々が畏怖し称えてきたのは、源泉である湖の神・水魑様だった。
    刀城言耶は祖父江偲とともに水魑様の特殊な儀式を観に行ったのだが、その最中、事件は起こる。神男と呼ばれる儀式の主役が湖の船上で死体となって見つかったのだ。犯人は見つからない。衆人環視ともいえる湖上の船、不可解な状況での事件だった。
    惨劇はそれだけにとどまらない。儀式を司る村の宮司たちが、次々に不可解な状況で殺されていく。
    二転三転のすえに示された真犯人とは……。
    +++

    本格ミステリ大賞受賞ということで手にした。著者初読みである。文化人類学的な興味を持つ作家・刀城言耶(とうじょうげんや)が探偵役を務めるミステリだが、村社会と言う閉ざされた一地方に云い倣わされている儀式にまつわる物語なので、ホラーのようなただならないおどろおどろしさも漂っていて、なおさらよくないことが起こりそうな予感を読む者に抱かせる。この人物がすべての事件の真犯人だったら、と思わせる人物の心の裡がホラーであると言えなくもない。起こったことは禍々しく、しかしその心情を思えば切なく痛々しい一冊である。

  • 本格ミステリ大賞(2010/10回)

  • ◎第10回(2010年)本格ミステリ大賞受賞作品。
    ◎2011本格ミステリ・ベスト10第3位。

    2010年11月18日(木)読了。

    2010−100。

  • 最後の二転三転がいつも楽しみなこのシリーズ。期待通りに想像をもう一歩上回った。なるほどそうくるか。でも、ばらまきまくったオカルト部分の伏線についての回収をしていないではないか。いいのかそれで。前半の阿武隈川氏、祖父江氏、刀城氏のテンポのよい会話にはなんだか作者の余裕を感じて楽しめた。ページ数の割にはさらっと読めたという印象。

  • 2010/04/11読了。

  • 素人探偵らしい推理というトコロが言耶らしい。強烈キャラ(烏と偲)が、良い感じで、出てくるとホッとする。「ページを捲るのがコワイ」ということが、なかったのでチョット残念。

  • どんでん返しの壮快感がちいさい
    苦しみながらロジックをひねりだしてる感じ

  • パターンは分かっているし、過去の作品を読んだ経験から、いかにも怪しい人物も特定できる。でも、更に上をいく結末………面白かったー。

  • 奈良の蛇迂郡……なーんか実際にありそうなんだよなあ(苦笑)。あの辺ですねおそらくは。ローカルな恐怖感がひしひしと。
    民俗学的考証と事件の謎、怪異の恐怖がほどよく絡み合うストーリーは相変わらずです。殺人事件の謎もさながら、儀式に秘められた謎が予想通りながらも怖かったです。そして一番怖かったのは座敷牢の怪異。まさしく鳥肌ものでした……。

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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