お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへ (PHP文庫)
- PHP研究所 (2011年4月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569676241
感想・レビュー・書評
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「お金との関わり方はこうだよ」ということではなく「お金との関わり方を自ら学ぶための姿勢や仕組みはこうなんじゃない?」を説く本だと思います。特に邱氏の子供に対するお金の学ばせ方(学費を1年分渡してそれ以降は仕送りを一切しない)は言われてみれば当たり前だが、企業経営にも通ずる重要なプロセスだと感じた。
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お金を持たないこと、使わないこと
どちらも悪いことでもないしいいことでもない、とも言えない、というか判断できないものじゃ
美徳なんて勘違いして隠遁的生活に身を投ずるのもどうかと思うけど、かといってある程度のお金を所有したことのない者が穢れなく、汚れなくといわずとも、距離を保ちお金と付き合っていけるかなんてのもわかんない。
ただ、やっぱり言えるのは一方的な肯定や否定は誤謬の元だということだ -
オカネの話を軸としたQ氏と糸井氏の対談。オカネを巡るQ氏の人生観や生き方ということをうまく引き出している。自分の欲望とどう向き合っていくかということをちょっと考えた時にさらっと読めちゃうのでオススメ。
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私は「お金」と対等に付き合えてきただろうか?
「誰でもみんな、お金が怖い」って書いてあって
私だけじゃないんだ、みんなそうなんだ!
そうなの、欲深いって思われたくはないし、
お金じゃないって言っている方が素敵な気がする。
でも、お金大好き。
でも、大好きって言っていいのかな、とか。
相変わらずの糸井さん節で、話はあっちこっちへ
飛んで戻って、どっか行っちゃう感じなのだけど、
お金に対するコンプレックスは持たなくていいのだと
のらりくらりと、教えてくれるような本です。
お金は必要なんだから、欲しいって言っていい。
あるなら、ある。ないなら、ないと、受けとめる。
でも、お金が基準や目的にになると、間違うよ、と。
基準も目的も、自分の中から、ときめくものを
ちゃんと見つけて、大切にして生きていかないと。
お金は、墓の中に持っていけないよ。
お金は、入ってきて、自分のときめきのために使う。
それは裏と表、球面体のようになっている。 -
ほぼ日で邱さんの連載があったときに読んでいたんだよなぁ。あれから時間はものすごく流れたけど、私は成長していない。
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人間、お金儲けはいつでもできる。たも教育は一定の年齢しかできない
人に気をつかうぐらいだったら、お金が少なくてもこんなに楽しいことはない。人の世話になって、もしかしたら自分が嫌われているかもしれないとか、追い出されるかもしれないとか思いながら生活するより、ずっといい
サイコロを転がしているようなもので、最後には1がでたり6がでたり一つのかたちになるけれども転がしている途中はいろいろな面が出てくる
自分がお金をどのくらい欲しいのかについて考える -
今までの生活の中で、
カネについて考えることがなかったということは
幸せなことだったのかもしれない。
けれど、今このタイミングで
カネのことを考えるきっかけができたことは
もっと幸せなことなんだ、って思ったり。
読んでよかった。 -
お金に関する対談集と言っても、「こうすればお金が儲かる!」という啓発的なハウトゥー本ではありません。お金とはどういうものなのか、その性質を知る邱永漢さんから出る言葉を糸井さんが引き出して軽く咀嚼して、あとは読者が読み下すという感じの本でしょうか。そして、話は人生観だとか人の欲望についてだとか、人間の心理や性質の話が中心になっていきます。お金について知りたいと言っても、さっぱりした感じでまったくぎらぎらしていません。かといって、アカデミックに難しい話をするでもないのです。邱永漢さんはもはやお金の神様であり、達観しているからそうなのかもしれませんが、糸井さんのほうは、ちょっとお金に対する欲望が薄いようで、だからこそ、本書のこのタイトルになったのかなぁと思いました。
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5 ある指標やある組織に自分を依存させて生きていくだけでは、もはやうまくいかないのかもしれない。それを、カラダで実感できる時期になってきていると思います。 糸井
63 能力のある人にとって何がたのしいかといえば、理解しあえる仲間がいて、その人たちと同じ欲望を持てて、しかもその欲望が、麻雀をしているかのように気持ちがよくて、というのがいちばんの動機になるわけですから。 糸井
76 邱さんのお話を聞いていると「今は、何かをしたいと思ってない人は、何をすることも無理なんだ」とおっしゃっているような気さえします。 糸井
82 今、日本中でいちばんいいと思われている会社に就職しては、いけないんですよ。その会社だって二十年前にはいちばんいい会社ではなかったのですから。 邱
84 でも、「面倒をみない」という文言は、裏を返せばパートナーとして対等であるという邱さんの意見かかいてあるわけだから、その覚悟がない限りは、やっぱり、その人とは組めないんですよね。(…)でも、その覚悟は、仕事をするあなた本人が選んだことのすべて責任をとる、という意味では、ごくごく当たり前に必要なものだと思います。 糸井
204 友を選ばば、強気八割、弱気二人 邱
212 やってみることですよ。何でもはじめからうまくできるわけがないんですから。 邱
215 「思ったことはすぐにやる」邱
216 人間のフィーリングにばかりこだわる人たちは、人が実用的な動機で働くことを理解したがりません。両方とも相手のことがわからないんです。 邱
230 確かに、ポケットの中にいくらあるかわかる人って、いますよね。見ていてつまらないですよね? ポケットにいくらあるだのないだのと関係なく生きているやつのほうが、面白いよなあ。 糸井
232 でも、やりたいことがなくてもお金が欲しいというように、いつか逆転してしまう可能性が、ありますよね? お金の強さと怖さは、そこにあると思うんです。 糸井
239 邱さんに、「事業は果樹園のようなものです。いくら整備して、木を植えてということをやっても、そこからの時間がかかる。コメは一年でできてしまうけれども、果樹園はもっと時間がかかる」といわれて、確かに、農業をやってらっしゃるかたも、そういう覚悟をもってやってるんだなあとつくづく思わされましたよ。 糸井
240 龍角散の社長だった藤井康男さんは、「一つの事業が頂点に達するまでにかかった時間が長ければ長いほど、ダメになる時間も長いんだ。自分たちは徳川時代からやってきたから、ダメになるのには、まだそうとう時間がかかる」といっていました。 邱
249 今までは、みんな、制服の似合う人間ばかりを養成してきました。でもこれからは、その逆の方向に動きつつありますよ。 邱
265 どんな旅に出るときにも、路銀というものが必要になる。(…)金のことなんて、と簡単に言った人間は、路銀もなしで旅をすると言っているようなものだ。ほんとうにその気があるのか。 糸井、2011文庫版あとがき -
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宵越(よいご)しの銭(ぜに)は持たない
その日に得た収入はその日のうちに使い果たす。金銭に執着しない江戸っ子の気性をいった言葉。宵越しの銭は使わない。