面白くて眠れなくなる植物学

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569830292

感想・レビュー・書評

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  • 書いてある内容は高校生物ぐらいの知識であるが、改めて植物の面白さ、奥深さ、そして理にかなった生き方を教えてくれる。大人になって改めて読むとまた植物について、または生物について学びたくなった。

  • これは、私の備忘録として、知らなかった!面白いって思った事を書いたものです。


    植物は蒸散(葉っぱの裏から水分を飛ばす)によって、真空を作り出してっぺんまで水を運んでいる

    葉っぱの付き方は工夫されている。フィボナッチ数列で最も美しいとされている比率に非常に近い

    花占いをするには?
    コスモスの花びらは偶数枚→キライから始める
    マリーゴールドは13枚で奇数
    マーガレットは21枚で奇数
    デージーは34枚で偶数(マーガレットに似ているから注意)
    花びらの数は栄養や環境によって変化する。
    基本奇数枚の花で花占いして、キライとなってしまったら余程脈ナシとなる笑
    花びらの数もフィボナッチ数列となっている
    植物凄いですね

    花は蜂のために花を咲かせる
    蜂に蜜を吸わせて受粉する
    蜂以外に来てもらわないように、蜜を奥深くに置いておく、頭いいね

    私たちが食べているリンゴは、果実の部分ではない
    リンゴの果実は普段捨ててしまっている、中心の種の部分である
    いちごの果実は、周りについてるつぶつぶ

    葉っぱがハート型なのは、面積を確保するため
    面積を大きくすると、葉の根元が支えられないので、手前を大きくして奥を小さくする
    そうしたら、ハートとなるのだ!
    また、ハートにすることで、雨が降った時に茎をつたって根元に水が落ちてくれる、すごいね

    紅葉の理由
    夏の間に沢山光合成をして、アントシアニンを作る
    アントシアニンとは、水不足や気温の変化によるストレス等を軽減してくれる
    秋になって、日光が減り葉緑体が減ってきいます。
    そうすると赤い色素のアントシアニンが残り紅葉となる

    アントシアニンは、目薬等に使われる
    また、抗菌活性や抗酸化昨日もある

    松はめでたい
    いつも緑の常緑樹だから

    トマトは、学術的には果物で、法的には野菜とされた(アメリカで裁判した)

    バナナは、木ではなく草
    木は茎が固く木化したものを言う
    草はしなやか
    竹はどっち??専門家でも意見が別れるらしい
    木か草かは、人間が都合よく区別しているだけである

    人間は46の染色体があり、2本で1対になっているので23対の染色体で生きるための情報が全て含まれている
    このまとまりのことを、遺伝子(gene)とすべて(ome)でゲノムと言う

    玉ねぎのアリシンという物質が涙を誘発する
    アリシンは熱に弱いので、電子レンジで加熱してから切るとおすすめ
    また、横に切ると細胞が壊れてアリシンが出やすいので、縦に切るといいかも!

    猫じゃらしの正式名称は、エノコログサ

    キュウイフルーツの木には、オスとメスがある
    イチョウにもオスメスあり、道端に植えられているのは、オスのものが多い

    木は、幹の中心の部分の細胞は生きているが、外の幹の細胞は死んでいる
    中心の幹には、抗菌物質が蓄えられている

  • 雑学の教養。

  • 身近な植物について、あらゆる方向から掻い摘んで説明してくれている。
    そういうことだったのか、ということが多々わかり、おもしろい。眠くはなるけど。

  • 流し読みでざっくり読んだ。時間がある時にちゃんと読み直したい。


    トウモロコシは地球のあらゆるものに使われているのに、元になった植物がわかっていない。宇宙からもたらされたというトンデモ話を紹介してるのが面白かった。マヤ文明、宇宙人との交信のオカルトがつきものだし。

    農村で鬼灯茶を飲む習慣は、7月の忙しい時に臨月にならないように堕すため、とか。

    しめ殺しの木、ガジュマルは植物の上で発芽して下に根を伸ばしていくスタイル。

    セイタカアワダチソウは、原産国のアメリカではもっと小さく可愛らしく、州の花になったりしてる。日本ではセイタカアワダチソウの毒に拮抗できる植物がいなかったから増えた。しかき今はセイタカアワダチソウ同士で相打ちになったので昔ほどの数はいない。

    ススキは海外で侵略外来種。

    ホテイアオイは100万ドルの害草?と言われている。数を、倍倍で増やしてあっという間に茂るから。しかしホテイアオイは、リンや窒素を含んだ工業用水を養分にして増えるのであって、綺麗な水のなかではそんなに増えない。環境汚染がホテイアオイを化け物にする。

    「ハテナ」という微生物がいる。植物と動物、どちらにも分類できないから、ハテナと名付けられた。

    穀物の中に、実っても実を地面に落とさない性質を持つ突然変異が現れた。この形質が現れるように人類が改良を加えたのが今の穀物。これにより人類は農耕社会へ変化し、食べ物のために働き続けなければならなくなった。

    野菜や果物は、自然界ではありえない奇形に人間が育てて改良してできている。しかし、植物の生存戦略は、いかに多く茂り、いかに多くの範囲にタネを撒くか。
    人間に改良された種は、人間がこれらをサポートしてくれるのでwin-winの関係性にあるといえるかも?

    植物に感情はあるのか。人間は、人間に近い情報処理を行う生命体しか生命と認識できない。しかし人間が認識できないだけで、植物は高度な情報処理を行なっている。

    植物は、一つの個体の寿命を長くするより、一年草として、一年で生命サイクルを終える形に進化していった。世代交代のサイクルを早めることで、多様な進化の形をとり、生き残る可能性が高い様々な形質に分化していく生存戦略。

    雑草が強いのは、抜かれては生えるプロセスの中で生命のサイクルを回し、抜かれるたびに進化しているから。

  • 自然界では何が起こるかわからない。どんなに条件が整っても一斉には芽を出さない。もし一斉に芽をだして、何か災害が起こったとしたらその植物の集団は全滅してしまう。そのため早く芽をだすものがあったりのんびり屋もいたり、どれか生き残る仕組みになっているというのは明らかに個で生きず集団で周りの空気を読みながら共存しているようにしか思えない。環境に適応するように進化するために、周りの空気を読むのかもしれない。臨機応変で自由な植物ほど生存、繁殖していけるのでは?と思いました。

  • 『「植物」という不思議な生き方』と同じ内容が何度か登場します。
    『「植物」という不思議な生き方』の方が読みやすいので、そちらをおすすめします。

  • 借りたもの。
    世界を、地球を支配しているのは植物である!
    水と岩と窒素に覆われた惑星環境を変化させた、その多様性としたたかさに瞠目する。
    爆発的なスピードで世代交代――進化――することで得たそれら。
    全ては己(植物)の繁栄のため、昆虫、動物様々に利用する。
    そして人間との関りも興味深い。
    カフェイン(ある意味、毒。アルカロイド系)や香辛料に魅了され(言及されていないけれどもっと言っちゃえば大麻も)、自然界では拡散に不向きな非脱粒性のムギを見つけ栽培しせっせと増やした……
    学問では人間の分類が便宜上にすぎないこと、芸術の面では「神は永遠に幾何学する」植物の法則性に魅了され生み出された文様に至るまで……
    義務教育の理科で習った話を深堀したような、でも植物学という細分化され専門的な分野に留まらない。
    台所の科学のような野菜の話など、様々なトリビア。

  • 思っていたのとは違った。

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著者プロフィール

稲垣 栄洋(いながき・ひでひろ):1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農学博士。専攻は雑草生態学。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、静岡大学大学院教授。農業研究に携わる傍ら、雑草や昆虫など身近な生き物に関する記述や講演を行っている。著書に、『身近な雑草の愉快な生きかた』『身近な野菜のなるほど観察録』『身近な虫たちの華麗な生きかた』『身近な野の草 日本のこころ』(ちくま文庫)、『植物はなぜ動かないのか』『雑草はなぜそこに生えているのか』『イネという不思議な植物』『はずれ者が進化をつくる』『ナマケモノは、なぜ怠けるのか』(ちくまプリマー新書)、『たたかう植物』(ちくま新書)など多数。

「2023年 『身近な植物の賢い生きかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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