雪月夜 (双葉文庫 は 13-1)

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 142
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (571ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575508796

作品紹介・あらすじ

裕司と幸司、幸司と裕司。裕司は幸司を殴る。幸司は裕司に嘘をつく。二十年、そうやってきた。うんざりだった。ふたりを繋ぐ鎖を断ち切りたかった-断ち切った。そう思っていた。間違いだった。裕司はおれに取り憑いた悪霊だ。おれが死ぬまで消えることはない。戦慄の長編暗黒小説。

感想・レビュー・書評

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  • 何も情報をいれずとも、読む前から結末はわかっていた気がする。そこに向かって愛憎を抱えながら焦燥し、暴走し、収斂するさまを毎回見ていたいのかもしれない。そのバリエーションを楽しむだけ。舞台は厳寒の根室。2億の金をめぐって、腐れ縁の昔の悪ガキたちが、ヤクザが、政治家が、ロシア人が、新聞記者が、お互いをまったく信頼せず、利用して、出し抜こうとデッドヒート。相変わらず誰もが悪人で、感情移入だなんてものを拒み、思想も理想も綺麗事もなくみなカネめがけて突き進む狂想曲でした。故郷に逃げ戻りロシア人相手のしがない電気屋のおやじで終わるはずだった幸司の「おまえらみんな呪われろ」、誰も信じず、誰をもバカにし、誰もかれも呪う闇の深さ。北上次郎の書評に導かれて手に取った一冊。

  • 最高!

  • まぁ~なんと言う・・・お話しでしょうか(笑) たった1億(2億?)の為に あっちも死に、こっちも死に

  • 憎しみ合う二人の絆が凄い。
    人の汚い内面の描写が凄い。
    しっかりと主人公たちの生い立ちや心理描写がされているため、一気に感情移入してしまいました。

    多かれ少なかれ皆が持っている汚い面。
    ここまでストレートに描かれると逆に綺麗です。

  • 馳星周。なんか、苦手。好きじゃない。

  • 北海道・根室を舞台に似た境遇を持つ幼なじみが大金を奪い合うストーリー。現実から逃げようと試み続けるも、最後には戻って来る展開は、ありきたりとも真理とも言える。数ページおきに出てくる「はんかくさい」はどんなこだわりだったんだろう。

  • 読んでいるだけで北海道 根室の寒さが伝わってきます。
    ラストはさすが馳さんですね。

  • 根室などを舞台とした作品です。

  • 相変わらずドロドロしてますね。国内のヤクザばかりが活躍した作品というのは馳作品にしては珍しい。

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著者プロフィール

1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務を経てフリーライターになる。96年『不夜城』で小説家としてデビュー。翌年に同作品で第18回吉川英治文学新人賞、98年に『鎮魂歌(レクイエム)不夜城2』で第51回日本推理作家協会賞、99年に『漂流街』で第1回大藪春彦賞を受賞。2020年、『少年と犬』で第163回直木賞受賞した。著者多数。

「2022年 『煉獄の使徒 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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