- Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575512465
感想・レビュー・書評
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凄くバランスの取れた短編集でした。主人公に共感したり、その家族に共感したり。タイトルに「言い訳」とあるだけあって、どの物語のどの家族も何らかの形ですれ違ってはいるものの、最後はちゃんと希望をもって前に進める。親でも子供でも、奥さん、旦那さんでも、家族がいる人なら皆、きっとどこか共感出来るはずです。
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心にぐっとくる短編集です。
短編集って苦手であまり読まないのですが、この作品はサクサク読み進めることができました。
人はそれぞれ、様々な想いを抱きながら生きている。そして人は、それぞれの想いを知らずに生きている。辛いこと、悲しいこともある。その人のことが分からなくて気持ちがずれていくこともある。
だけど、ほんの些細なことで分かり合えて、ほんの些細なことで幸せな気持ちになれる。それが『家族』なんだと思った。
どの話も目頭が熱くなりました。 -
ラジオドラマ、ラジオ朗読の小説として選ばれた、短編集とのこと。
ラジオドラマって今もやってるのかな?
そういえばラジオってあんまり聞かなくなったな。
ラジオをおとなしく聴く場所もない。居場所がない。
家族の言い訳は、
どうだろう、私たちの世代の自分と家族の関係の中での自分の言い分というものを題材にしているようなそんな短編集で、どの作品にも、なんとなく共感しながら、もっと素直になれたならという、自分への反省も思い浮かぶ。
うまいよね。 森 浩美 -
家族をテーマに書かれた短編集。
どこか心にしみる作品ばかりだった。 -
家族をテーマにした、短編集。
短編なのにおかしいけれど、中盤からどんどん良くなっていった気がする。
心に残ったのはベタだけど『おかあちゃんの口紅』。
この話は、自分の母親を恥ずかしく思う中年男性が主人公。
疎遠になった母がある日体調を崩し、入院する。
検査結果は胃癌。さらに癌は進行していた。
結果を告げるべきか悩みながら病室へ戻ると、母と妻との会話が聞こえてきた。その会話の中で、母は幼い頃自分がプレゼントした口紅をお守りにして持っていることを知る。
彼は、自分がそれをプレゼントしたときの気持ちを思い出し、疎ましく思う気持ちの奥に常にあった、母への本当の気持ちに気付く。
あらすじをただ書くと、なんだかありきたりだなぁ。
でも主人公の感情の表現が的を射ていて、ありきたりだろうがなんだろうが、とにかく夢中になった。
何より自分と重なって痛かった。わたしも、心の中では家族をとっても大事に思っているのに、ついいつも苛々してしまう。そして後になって後悔する。その繰り返しだ。
もし今、わたしか家族のどちらかが死んでしまったとしても、「大好きだって、ちゃんと伝えられたなぁ。」と思えるように接していきたい。
昨日読んだ本の中に「情けないと思うことといとおしいと思うことって、なんて似ているのだろう」という言葉があったのだけれど、この言葉は家族への気持ちにもいえるなぁと思った。 -
泣けました。非常にいい本ですね。いろいろな家族の短編に、それぞれぐっときます。最初の親子の話とクリスマスの話しが好きです。家族の話しは、駄目だね。涙がでちゃいますね。
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最後から2番目のクリスマスのエピソードが一番泣けました。家族っていいですよね。私も大切にしたいと思います。
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2012.02.08 図書館
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家族についての話が読みたくて読んだ。話の終わりがすっきり終わらない人で、あんまり好きではない。でも、短編だしスルスル読めた!特に感想はない。
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人生経験を積めば積むほど、この本はぐっとくると思う。
私の年齢(私程度の経験)では、「ただ、いい話」で終わってしまい、
少々もったいないと思った。
あと5年、10年と経って、もう一度、本を開いたら、
きっと全然違うように感じるんだろうな、
と思わせる、不思議な本だった。