告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575513448

感想・レビュー・書評

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  • 次へ次へと急かす様な心情描写と構成
    一息に読み上げてしまいました

    絶望、失意、羨望、理想、熱意、諦観、狂気、愛…
    その行ききった先の残酷さを書くのが上手すぎる
    決して幸せとは言えない結末の後に一抹の爽快感すら感じます

    映画は先生役を松たか子が演じているみたいで
    読み終えてこれは松たか子だなと感じたので納得 笑
    機会があれば映画も見てみよう


  • 終業式の日のホームルーム。この日限りで辞職する教師が、生徒に語る独白から物語は始まる。「私が教員を辞めるのは、娘をこのクラスの生徒に殺されたからです。」

    クラスメイト、犯人の家族、そして犯人。多視点からの心理描写によって、徐々に徐々に事件の真相が明らかになっていく。読み進める手が止まらず一気に読める面白さはある。一方で、読み終えた後の満足感はほとんどない。それは犯人の考え方や犯行に用いた道具にピンとこなかったから。言い換えると、リアリティを一切感じなかったからなのかもしれない。

    週刊文春ミステリーベスト10 1位
    このミステリーがすごい! 4位
    本格ミステリ・ベスト10 21位
    ミステリが読みたい! 3位
    本屋大賞受賞(2009年)

  • 湊先生の作品を読むのは本作で3本目
    綺麗な心だけじゃない人間らしい感情もありありと表現している作風に毎度惹かれる…
    やや恐怖を伴う復讐劇だったが続きが気になり夢中で読んだ。怖いもの見たさの様な…
    私自身も中学生の頃は自分の未熟さに気づけていなかったなぁ
    今は痛いくらい実感する日々(⁠ ⁠;⁠∀⁠;⁠)
    怒られた経験があまりなく育つとせっかく指導してくれたことが自己への批判と捉えてしまって改善できなくなってしまう…成長の機会を逃してしまう…
    私も指導を受けて落ち込んだまま立ち直れない時期があったなぁ…短所を受け入れることはできたけれど改善に目を向けることはできていなかったなぁ
    「変な絵」と並ぶ面白さだった

  • 展開が多いため次が気になり、あっという間に読破してしまった。一人ずつ視点が切り替わっていく構成も答え合わせのようで楽しい。これぞイヤミス!

  • とうの昔に映画を観たことはあったけど内容はうる覚えだったので今回初めて原作を読んでみた。
    特に少年Aについての言動には理解に苦しんだ。
    幼少期の母子の関係性がその後の成長に多大な影響を及ぼすことを改めて痛感させられた。

  • はじめて湊かなえさんの作品を読みました。「告白」は10年以上前に書かれた本ですが、それ以前の社会をにぎわせた事件の背景等を詳細に調べ、少年犯罪の法的な対応等についても調べ上げ、子供の心理や大人の心理、中学の先生の心理、生徒の心理を上手く文章に織り込んでいると思いました。作品の最後まで冷静に語っている小説の主人公が怖いと感じました。
    とここまでは、第1節を読んだところでの感想。

    その後、あっという間に最後まで読み切ってしまいました。

    湊さんはすごい作家だということを思い知らされました。まさに圧倒されっぱなし。

    作品の書き方自体が全てが「告白」形式なのだということに、読み終わってから気がつきました。湊さんの他の作品はまだ読んでいませんが、この作品の作り方は見事に成功しているのではないでしょうか。素晴らしいと思います。おそらくこのような作品の作りは初めて出会ったような気がします。

    人間の業のようなどうしようもない感情や理性で整えられたものの考え方、そして行動。全てを見事に織り込んでいる。上手いですね。

    ただ、読んでいるうちにどこにも出口を見出せないような、救いようのない複雑な気持ちになってしまう。そのように意識的に綴っておられるのだろうと思いますが、感情的には私とはあまり合いませんでした。

    湊さんの他の作品にも挑戦したいと思います。

  • 初読み、湊かなえさん。
    それぞれの章が、登場人物それぞれの主観で語られていく。立場が変われば悪事の色が変わって見えるのが、何とも面白くページを捲る手が止まらなかった。

    きっと誰の心の中にもあるんだろう、
    こんな天使の部分と悪魔の部分…。

  • 一つの殺人事件を

    被害者の母(先生)
    加害者A(生徒)
    加害者B (生徒)
    Bの母
    Bの姉
    加害者の同級生

    の視点から描き驚きの真実が次々に明らかに
    殺人に至るまでの心理がえぐい

    先生すごw

  • 初めて湊かなえさんの本を読んだのですが、これは面白い…!
    ずっと暗がりの中にいるような気分で、少しずつ真実が照らされていくことにとてもドキドキしました

  • 湊かなえの著書を読むのは初めてだったが、釘付けになるような独特の展開で終始楽しめた。暗闇の部屋の中を懐中電灯で照らしていきながら歩くような感じで、だんだん繋がっていく点が面白かった。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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