告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575513448

感想・レビュー・書評

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  • ひとつの告白から始まり、起こった事件の全貌が明らかになっていく。

    少しの不安がありながらも、事件の真相を知りたい気持ちと、結局誰が悪者なのかを突き止めたいという、野次馬ごころみたいな好奇心で読めます。

    ラストはバサッと終わって気持ちいいけれど、この本に文学的な楽しさがあったかと言われると、どうかな〜という気持ち。

  • 10年ぐらい前に知人に借りて読んだ作品。当時衝撃を受け再読したくなり、購入してまた読んでみた。
    話の内容的に面白い、と言ってしまうと少し不謹慎な感じもあるかもしれないが、とにかく面白い(汗)
    ちょっとしたボタンの掛け違えでズルズルと負の連鎖が止まらなくなってしまう。
    これぞ、イヤミスっていう衝撃を再度味わうことが出来た。

  • 以前、映画はみていて面白いことはわかっていた。改めて原作を読みました。イヤミスという言葉を知ったのは湊かなえさんであり、この本。
    楽しい本ではありませんが、本の中に引き込まれていく良書だと私は思っています。
    少年法については昔から疑問に思っている問題ですが、かけがえのない命を奪うものに何歳だろうと一片の擁護価値もないと思っているし、被害者(遺族)の気持ちを最大限に反映しものであってほしい。守るのは加害者でなく被害者の一択。でないと少年犯罪というものは決してなくならない。

  • 正直、私はバカ正直に読み、その言葉通りに受け取ってしまいました。
    あとがきで、“それぞれの告白には、嘘がある”ということを知り、私は愕然としました。
    なぜ、その人が発した言葉を一ミリも疑わなかったのか…?
    読み返すと、私なりに感じた矛盾点がいくつかありました。
    一つ見つけるたびに、心臓がドキドキしたのを覚えています。
    「事実と真実」
    この言葉が、頭から離れないくらいの衝撃。
    それと同時に、その人が考えていることや、その人の本質を理解するというのは、ある意味で「ただの理想」なのかもしれないと悲しくもなりました。
    分かり合うことすら、実際は難しいのかもしれない。
    仲の良い友達でも、家族でも…。
    クラス委員長、犯人A、犯人Aの家族、犯人Bの証言の中にどれだけの矛盾や嘘があるのだろうか。
    主観というフィルターが見せる禍々しい真実が衝撃すぎて、言葉が出ない。
    人は常にライン上ギリギリに立ち続けていて、ちょっとした出来事や言葉で過ちを犯してしまう。
    それぞれの証言で見直すと、鳥肌がたつ。
    救いがなさすぎる。
    『告白』という作品に、改めてゾッとしました。

  • 読み終えた後、とにかく色々考えました。
    例えば犯人(直哉)の母親と森口先生は元から知り合いだったのでは?など、本当に視点を変えながらたくさんの考察が出来ました。それぐらい、誰が本当のことを言っているか分かりませんし、どこまで信用してもいいのかと考えさせられます。

    私としては、こういうドロドロとしたミステリーが好きなので面白く読ませていただきました。
    この森口先生の良い意味で、中学生に容赦しない感じはとても大好きです。

  • イヤミス(読後、イヤな気持ちになるミステリー)の女王、湊かなえさんの傑作と聞き、恐る恐る手に取りました。が、全然いい。むしろ良い。
    ジムでバイクを漕ぎながら読み始めたら、気づけば遥か彼方まで漕ぎ進んでました(笑)

    5人それぞれの主観と客観のギャップが非常に面白くて惹き込まれます。また、長いセリフも多いのですが、淀みなく続く文章に筆者の文才を感じました。

    昔、映画を観たことがあったのですが、うまい具合に記憶から抜け落ちてくれていたおかげで、ラストもしっかり衝撃を受けることができました。ありがとうございます。

  • これがデビュー作…凄いですね。
    何故今まで湊作品を読まなかったのか
    単純に女性作家が書く女性主人公が余り好きではなかったから(u_u)笑

    各章が1人語りで進んで行く…しかし最終的なことは書かれていない。
    まあ斬新な一冊です。
    そしてデビュー作とは(°_°)

    イヤミス作品がほとんどらしいので
    心身共に元気な時に他作品も読んでみたいと思います。

  • 内容はハッピーではないけど面白かった。
    この本から、湊かなえファンになりたくさん読みました。

  • 湊かなえさんの作品を読むはこれが初めてです。
    以前、テレビドラマで「リバース」を見たことがありますが、原作を読んだことはありませんでした。

    【あらすじ】
    自分の担当するクラスの生徒に四歳になる娘を殺害された女性教師・森口はホームルームで事件の全貌をクラス一同に話して聞かせ、さらに自分が既に復讐を終えたと言い残し、退職する。一見、成功したかに見えた復讐劇だが……?
    *************

    これがデビュー作なのか、と驚嘆せずにいられませんでした。
    まず、冒頭で「何がどう起こった」のか、森口教諭の視点からあらましが語られます。
    続く章で人物を変え、視点を変え、事件の全貌を様々な角度から眺めることになるのですが、それが普通であれば「同じ事件を別の角度」から何度も追うわけですから、読んでいるうちに退屈してくるはずなのです。
    でも、この作品は違いました。
    文字を追って先へ進み、徐々にパズルのようにA、Bの名前や生徒視点からでは分からない登場人物の名前、立ち位置がパズルのように明らかになるにつれ、同時にこの事件の関わる人物の「(程度に大小はあれど)人間としての歪み」が見えてきます。それは家庭環境であったり、コンプレックスであったり、思い込みであったりするわけですが、それらが相互に作用することによって事件が起こってしまったということが分かります。

    起こったことの時系列を書き出してみると、事は至極単純であるにも関わらず、その単純さを感じさせないところは作者の「人物描写」の力量だと感じました。登場人物たちはどこかにいそうな人々であり、人物描写が強い物語とはいえ、(作り物っぽく)過剰に造りこまれていないところが良かったです。
    途中のいじめ描写、恋愛描写が濃厚になりすぎず、そちらへ偏らないところが物語のバランスとしてもちょうど良いと感じました。ただ淡々と(とはいえ語り手の感情はしっかりと伝わってくる)、人物を変えて事件を追っていく。そんな物語でした。

    読んでいて楽しい類の話ではありませんが、読後にはある一種の充実感のようなものがあります。

    映画化にあたり、監督を務められた中島哲也さんインタビューを読めば、必ずもう一度読みたくなるのではないでしょうか。私は、映画監督というものが「物語」ひいては「人物」をどのように捉えているのかを知るとても良い機会を頂いたような気持ちになりました。

    それを踏まえてもう一周、全てを知った私としてこの物語を再読してみたいなと思いました。
    ありがとうございました。

  • 湊かなえ作品はお初でした。2009年の本屋大賞受賞という作品でしたので、どんな感じかを掴みたかった。
    結構、グイッと引き込まれましたね。
    人間の失敗作、と言われたら、逆上しますよね。
    楽しめました。⭕️

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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