告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575513448

感想・レビュー・書評

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  • 初めて読んだ湊かなえ作品だったと思う。
    とにかく、衝撃的だった。
    このような形式で書かれている本に初めて出会った。人間の後ろ暗い部分をクローズアップして突きつけられた感じ。

  • 女性教師の衝撃的な告白から始まる崩壊の物語。

    とんでもないものを作ったな、と思った。
    このようなジャンルの本をイヤミスと呼ぶらしい。
    読んでイヤな気持ちになるミステリー。
    告白はその代名詞ともいえる作品である。

    しかし、ただ嫌な気持ちになるだけならば、
    きっとこの作品を他人に勧めたりはしないだろう。

    この本の面白さは巧みな心理描写にある。

    心が弱いからだろうと、
    想像したこともなかった狂人たちの感情は、
    覗いてみると、あぁ一緒なんだなあと思った。

    ただ、先生の本心はわからなかったが、
    親でも、教師でも、どちらでもない感情で
    淡々と行う復讐は誰よりも怖く映る。
    その恐怖で物語を挟むものだから、
    手にした衝撃、読み終えた余韻、
    それらが色濃く残って、イヤミスを助長している。

  • 子供の心理と親の都合
    犯人(少年)の背景にはとても複雑な精神状態があった。それは親の都合で離婚、少年は母親から見放され、母親の愛情を探し求めた事だ。発明に没頭する事でいつか母親が認め、抱擁してくれることを望んだ単純な事が大人の都合で崩れてしまったことが犯行に繋がったのだ。
    現代でも「親の愛情」は子供にとって厳しくても一番の心の安らぎを保てる存在なのだ。大人の都合だからといって子供を邪魔者扱いすることで子供はグレて非行に走るのが増えているのはうなづける。

  • 初めて自分でしっかり読んだ小説。
    もともと本を読む人ではなかったけれど、約3日ほどで読み終えてしまった。
    本ってこんなにも面白いのか!と思わせてくれた一冊。
    独特な書き方で読んでいて飽きなかった。
    周りの人にも勧めていきたい。

  • 教員志望だからすごく考えさせられた。もやもやしたことを理解しようとすればするほど、無理な合理化に走り、本質から遠のく。

  • 湊かなえで、これを超える本は中々出会えない。
    衝撃だった。
    引き込まれてあっという間に読了した。

  • 面白かった。この本を一言で表すなら「おもしろい」が一番なのではないかな。個人的には評価もう少し高くてもいいんじゃないかと思う。笑

    この本に俗に言う「いい人」はあんまりいない。ウェルテル先生と世直しやんちゃ先生ぐらいかな。だからこの本を読んであんまりいい気持ちにならないって言う人の気持ちもわからなくもない。笑でも何故か最後スカッとするところがある。なんでか分からないが、爽快感と「めっちゃおもしろい!」ってのが出てくるんだわ。

    この本の登場人物のひとり、修哉はサイコパス的な性格をしている。でもこのタイプの人間を見たことない人はいないのではないか、、。自分と自分が一番尊敬している人以外は「馬鹿」と思い、罵る。悲劇のヒロインを名乗り、周りを不幸にするなどというストーリーを築き上げる。最後に森口が言っていたようにこのような人が一番「馬鹿」だ。ほんとうにそう思う。

    しかし、この修哉が言っていたこと、ほんとうに死は悪なのか。私は悪だと思うがそう思わない人もいる。そう思わない人がどうして死は悪でないと思うのか、その理由はわかる。一見答えが決まっているように見えてこの問題はずっと問われ続けるのだろう。修哉は自分が悲劇のヒロインだと思っていた+少し考えがズレていただけ、という可能性もあると思った。

    また、愛美を殺したひとりである直樹も愚かな考えを持っている人のひとりだ。でも彼のような考えは誰もが持ったことあるのではないか。勉強も部活もうまくいかない、全部うまくいっているやつになにか勝ちたい。実際、わたしも思ったことがある。しかし、彼にとっての「全部うまくいっているやつ」はとんでもない馬鹿だった。

    他にも森口含めて個性濃い登場人物が出てくる作品。何故か脳が異常に発達した人間だからこそ湧き上がる感情がつくるこのストーリー。ドロドロしているけどサバサバしている読んだあとはスカッとするけどどこか不思議な感覚に襲われます。笑

    この長い感想を最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。

  • ブックオフで紹介されてた小説

    いろんな人の視線で物語が書かれている主人公がいない?ような感じがした

    最初の教師の告白が長く、この調子で物語が展開するなら読みにくい小説だなとも思ったが、そんな事はなくすらすら読めました。

    最後まで読み納得できる部分とできない部分がありなんとも言えない小説でした。

  • 中学校教師がクラスのある生徒達に復讐をする話。
    第1章で、話の核となる事件の概要が語られる。
    各章で語り手が違い、背景が少しずつみえてくる。

    狂気に凶器に、狂喜と、湊かなえさんのデビュー作は、記憶に残る濃厚な作品でした。
    …哀しい話ですが、それも人間という感じです。

    映画も、役者さんが怪演しており面白かったです。
    岡田将生さん演じるウェルテルも、
    踊って踊らされてて良いキャラしていました。

  • ついに、ついに、このデビュー作を?!!

    登場人物各々が1人称での視点から語られる形式なのですが、それがまたとてもイヤ〜な感情が抜群の表現力、繊細で絶妙な雰囲気で書かれており、
    読み手は、それはそれはイヤ〜な気持ちになり、あっちゅーまに引き込まれて行きます。
    (あ、ここでいうイヤ〜な気持ちは褒め言葉ですよ)

    ひとつの真実が登場人物たちから多方面から語られるので、ストーリーが反芻されていきますが、クドくなく読めます。

    そして時々、
    ぅええっ!??とか、はぁぁ!???とか、読みながら声が出ちゃいます。衝撃的な展開の内容ほど、端的に流れるように、全くもって主張されずに書かれていて、うま過ぎるっっっ!!

    読んだあとは、絶好調に心が鉛色になりました。笑。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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