- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575513448
感想・レビュー・書評
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タイトルの通り登場人物が気持ちを告白する形式で話が進んでいく。扱っている内容は現実の社会問題に通ずる部分があり、未成年による犯罪・人間関係・殺人・いじめ等、諸々考えさせられる点も多いが、個人的にはそのことよりも、単に読み物として非常に面白かったのが1番の感想。
登場人物による告白のみで小説が完結する特徴的な構成、ラストに向かって綺麗に盛り上がっていく展開、見事に回収される伏線の数々。
久しぶりに全集中して読み切れた本でした。
(中学生ぶりの再読です。)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初湊かなえ。イヤミスなんて呼ばれていたので、どれくらい後味が悪いのかと思ったら、全然いい。
それぞれ、きっと間違ってはいるが自分なりの価値観で。なるようにしかならない。現実だったらこんなものだと思う。森口先生の最初の告白の項がすごく好き。 -
娘を殺された教師の復讐の物語。
教師の告白からはじまり、その後は他の関係者の視点で事件について語られる。
犯人となる子どもたちの心情が興味深かった。どの子も自分を認めてもらいたい。そのためには殺人だって厭わない。
自分の心が満たされないと客観的にもなれないし、倫理観が育たないんだろうなと思う。
苦手なテーマな気がして積読になっていたけど、読み始めたらとても面白かった。さすが本屋大賞受賞作。
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まさに衝撃的なラスト。
決して救われることのないそれぞれの立場の登場人物の告白。
文は読みやすく、展開も早く一気に読み終えました!
おそらく何度読み返しても飽きないと思います。 -
幼い娘を殺された女教師の静かに燃える復讐劇。
事件後の犯人の生徒とその家族、そしてクラスメイト等のそれぞれの「告白」を通して、生徒らを取り巻く歪んだ環境を背景に、幼く純粋であるがゆえの愚かさが招いた犯行の動機が明らかとなっていく。
しかし、この作品はそのような背景があって女教師の娘が殺されてしまった、、というだけの物語ではなかった。
鋭いナイフのような流麗で切れ味ある文体には、娘亡き女教師が唯一の存在意義として心に抱える青い炎の揺らめきのようなものを感じた。 -
子供を亡くした女教師の復讐劇。
最初の静かな語りから、徐々に生徒達を追い詰めていく描写にも展開が読めないラストにもハラハラさせられた。
映画の松たか子さんも、静かに怖くて原作と合っていたと思った。
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評価5では足りないくらいの秀逸な作品
この小説を読まずして何を読むのか。
突然の告白から始まり犯人の心理描写は流石。
先生が最後に仕掛けた復讐は犯人の人格を最も有効かつ確実に破壊する最高で最悪。
最高の一冊 -
一気に読めた。これを主婦の方が書いたことに驚く。戦慄のラストに驚愕するが、女教師の気持ちには共感できる。