ホテル・ピーベリー (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575517293

感想・レビュー・書評

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  • たんなるホテルの滞在記かと思いきや、意外な展開に。
    面白かったし、ハワイ島絶対行きたい!って思った。

  • 2017.6.3読了 60冊目

  • 読んでいて、今の共感できる箇所がたくさんあることに驚きを感じた。教訓になりそうな台詞もあり、ためになるなあと読んでいけば、なんというミステリーになるなんて。この人の作品のイメージと違う、というほど読んでないが、こういうのもありでしょう。

  •  名作が多い近藤史恵さんにしては、正直言って駄作?と思ってしまうような内容だった。少なくとも、『サクリファイス』から読み始めた初心者には薦めない。なぜならば、かなりコアなファン向けの内容だと思うからだ。

     私は、本を読み終わると、先ず、読書メーターの感想・レビューを記入する。今回、この『ホテル・ピーベリー』を読んだ後、いつもとは異なり、自分の感想を書く前に、他の人の感想・レビューを読んでしまった。キャッチコピーに書いたように、私はこの作品を面白いとは思えなかったのだが、この作品にたどり着いた近藤史恵さんのファンたちは、本当に深く読み込んでいて、読書を楽しんでいた。

     作家が読者を育て、読者の視線が作家に次の作品を磨かせる。そんなアライアンスが、近藤史恵さんと読者との間に構築され、それぞれの心の中にで、作品が完成する。という理想的な関係になっていることがわかった。

     そう、作品は出版されただけでは完成しない。作家の描いた世界と、読者の経験が共鳴したとき、作品は、ようやく完成するのだ。作品が面白いか、面白くないかは、読者の人生が面白いか、面白くないかにも左右されるのだ。

     さあ、それではそろそろ、食わず嫌いで積読になっていた歌舞伎ものの扉を開いて見ようかな♪

  • どう生きるべきか、生きたいか的な内面の探求とミステリーとしてのお話のトリック的な面白さの2つの強いベクトルが働いている。それぞれのよくできているのたが、食べ合わせの違和感があるような気がします。なんか贅沢な文句言ってスミマセン。
    とても楽しく読ませていただいた小説でした。

  • 旅行のお供に。人間簡単にレールなんて踏み外すんですねえ...家族を持つとそんなことできないけど、もし独身のままだったら自分もあてもなく放浪していたかもしれない。
    希望として、登場人物のその後も描いてほしい。
    サクリファイスシリーズが好きなので贔屓目もあるけど、表現が美しい箇所多し。

  • そもそも私はミステリーというジャンルのファンではない。だからミステリーとしての構成がどうこうということは言えない。でもなんだか近藤史恵がずっと以前から好きだ。

    かつて、デビュー作「凍える島」や「ガーデン」の、身をえぐるような陰鬱なミステリーによって近藤史恵を印象づけられた。だからこの人の真骨頂は、今でも箱庭的な舞台で展開する、極限の心理描写だと私は思っている。

    面積の上ではハワイ諸島最大といってもオアフ島に比べれば田舎、ペーパードライバーには移動困難なハワイ島という「島」がまず密室で、たった6室、リピーターなし、3ヶ月までという特殊な条件付けがなされたホテル。わくわくする舞台立てだ。

    昔から知ってます風なことを書いてきたが、実を言えば近藤史恵を読むのはひさしぶりだ。

    この作家は、絶望的な状況を鮮明に描き出す、乾いた筆致が魅力だと思っていた。心理描写こそ、と思っていた。

    だがホテル・ピーベリーを読むと、和美さんの作る食事や折々に出てくるコーヒーも(味覚・嗅覚)、ハワイ島の風景(視覚)も、静けさ(聴覚)も、めまぐるしい気候や情事(触覚)も、この人はこんなに具体的に魅力的に世界を描く素晴らしい力量の作家だったのだと改めて気づいた。

    私にとっての近藤史恵を、その筆の運びをほどよい長さで堪能できた、という意味で大満足ではあったが、主人公の昔と今のそれぞれの恋について冷静に考えると、嫌悪を催す人もいそうなので、人に勧めることはしないと思う。

    お気楽な観光で良い、ハワイに行きたい!

  • 常夏の島ハワイのホテルピーベリー。居心地良いがリピーターお断り。滞在客が溺死して他の客の嘘も暴かれていく。和美が木崎の関係は期間限定を利用したお互いを慰めるための仮初のものだったはずなのにそれぞれが持つ傷を癒すものになったのかな。青柳は巻き込まれてしまって気の毒だった。桑島の彼氏は結婚したら絶対モラハラ夫になるから逃げ出して正解だった。

  • サクリファイスシリーズしか読んだことのない自分は、あれ以上の作品はあるのかな?と懐疑的にこの本を読み始めた。
    が、大変失礼しました。素晴らしい小説でした。
    ハワイ島の描写も簡潔で分かりやすく、1度しか行ったことはないが鮮明に頭でイメージできた。
    本は経験できないことを感じ取れるものだと思うが、正に旅行者の気分であっという間に読み進んだ。
    文庫本の解説も良かった。良い作品には良い解説も多い。
    すぐに近藤史恵さんの他の作品を読みたい。

  • 木崎淳平がわけあってロングステイで訪れた
    ハワイ。日本人夫婦の経営する宿には、他に
    4人の日本人宿泊者がおり、うち1人が言った。
    「楽しみにしてろよ」そして事件は起きた…。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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