- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575525625
感想・レビュー・書評
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作者の体験談かと思いきや小説だった。団地で一人暮らしをしていた姑の遺品整理を始めるが部屋の隅々まで物が溜め込まれ気が遠くなる主人公。実家の几帳面な母は癌と宣告されてから家族に迷惑がかからないよう自分でさっぱりと整理してあの世へ旅立った。姑の部屋を片付け始めた当初は何かにつけて実家の母と比べ独り言ちていたが、父親の法要で帰省した時に母親が使っていた部屋で寝る事になる。引き出しの中に残された1つの指輪以外、何もない部屋を思い浮かべて母はどんな人だったのかどんな風に生きていたのか、寂しく思うようになる。団地を行き来してる間に生前の姑にはお世話になったと遺品整理に手を差し伸べてくれる人も現れた。隣人のシングルマザーも金を無心に来る元夫から救ってくれたと言う。自分にとって大事な思い出の物は、立場が変わると不用品でしかない。遺品整理について。人との関わり合いについて。生き方について。色々と考えさせられる一冊だった。
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主人公は50代既婚女性。自分の両親はとっくに亡くなっている。一人生き残っていた姑(夫の実母)は身辺整理のために3K賃貸マンションに引っ越しして一人暮らしをしていたが、程なく突然亡くなる。賃貸マンション家賃がもったいないので早く遺品整理をしてマンション解約をしたいのだが頼みの夫は仕事の忙しさを理由に協力してくれない。嫁の立場の主人公は、マンションに乗り込んで遺品整理にかかったが、その物品の多さに呆然とする。
しかし近隣住民、マンションの自治会などの助けを借りながら、次々と遺品を整理していく。
「あなたは遺品整理で家族に迷惑をかけずに死んで行けますか?」と言う問いに対して、私の母も80代だから、いつかその日が来るか分からないが、遺品整理と言われても、現在では必要無さそうなものをどんどんちょうだいって言って持ち帰り処分するばかりである。
本書を読んでいると、なんでこんな不要なものを生きているうちに処分しておかなかったのか、みたいな表現が繰り返し出てくる。
しかしながら後ほどこの伏線が効いて来るので我慢して読むべし。今後の参考になる点がかなりあつた事と、私は自分の母を思い浮かべて涙しました
対処的な主人公の母との比較も効いています -
一つ買ったら一つ捨てる、簡単そうなことが中々難しい今日この頃。
死ぬのはまだ先だとは思っているけど、いつ何時事故に巻き込まれたり心臓発作起こしたりして突然死ぬとも限らないから、今の家を誰かが片付けるかもしれない!と思って、定期的に断捨離に励んでいます。
家の中にあるものが人間性を表すっていうのは分かるなー。
まだ存命だけど、母のことを思いながら読んだら、なんだか無性に実家に帰りたくなりました(そしてちょっとずつでいいから一緒に物を捨てたい笑)
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終活を全くしていない姑さんの遺品整理のリアルさがすごく伝わってきた。すっごい面白い、とか続きが気になる、とかそういうのはないんだけど…でも一気に読んでしまった。当たり前だけど、立場が違う人から見るとその人の新しい発見がある。姑さんの人なりがよくわかってほっこりした。
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シンプルな遺品整理のお話だな〜と思っていたけど、『一長一短』という言葉で話の納得感が出ました。人それぞれだけど、どちらも間違っていない。
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単純に面白かったです。
でも、ためになる。
読み終わって、近い将来、自分も同じ立場になった時、じっくり親と遺品と向き合いたいと思わせてくれた小説でした。 -
私の実家もかなりの荷物。しかも私が学生時代に描いた油絵、彫刻作品まで。彫刻作品は畑に放置。大学卒業と同時にさっさと処分しておくべきでした。今はまだ父母も元気ですが、弟夫婦に迷惑をかけないよう私がきちんと片付けなくてはいけないと思いました。
この本の姑の部屋がこれでもかと描かれ、主人公と一緒に片付けをやっている気分になります。短い本ですが、読んだあとかなり疲れました。 -
姑の遺品整理の中で自分が知らなかった姑こと、亡くなった母のこと、近所付き合いのこと
などいろんなことに思いを巡らせ、気付かされる
とりあえず姑の部屋の荷物の量がすごすぎて、捨てられない人の考え方にイラッとしてしまった
最終的にほっこりいい話なんだけど、自分の身内にこんなにモノを捨てられない人がいたらイヤだなとずっと考えてた
読んでいると自分の部屋をキレイに断捨離したくなりました