- Amazon.co.jp ・本 (30ページ)
- / ISBN・EAN: 9784580813939
感想・レビュー・書評
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長 新太さんの挿絵も大好き。あたたかなお話。
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深い穴に落ちてしまった犬のろくべえ。こどもたちは必死に応援し助けようとしますが、大人たちに頼んでも何もしてくれません。
だんだん元気がなくなってきたろくべえ。このままでは死んでしまいます。小学一年生のみんなは必死で、自分たちでろくべえを救おうと考えます。
そこで思いついた作戦は…。無事ろくべえを助けることはできるのでしょうか?
見開きを使った地上の子供たちと深い穴の絵&ろくべえのいる穴の中のアップが交互に出てきて、臨場感あふれています。上と下の現場が生中継されているような感じです。
かーたんも初めて読んだときはドキドキしました。
途中には犬を見捨ててしまう大人の冷たさも書かれていてどきっとします。自分なら…消防に電話? 自分で考えて行動するフットワークの軽さはなくなっているかも…小学1年生に習うべきことは多いようです。 -
1年生にも読んだ
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深くて狭い穴(なにこの穴!)に落ちちゃった(よく無事だったな~)ろくべえを1年生たちががんばって考えて助ける話。
ちょっとひやっとしたけど
頼りにならない大人の力は借りずに
みんなで知恵を出し合って
結果ろくべえを助け出せたのがすばらしい
よかったよかった -
小学校の教科書に載っていたような・・・。5歳でも話に食い入るように見ていました。最後に穴から助かったときはホッとしたようです。
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犬のろくべえが深い穴に落ちてしまいました。子供達は一生懸命助ける方法を考えますが…
長男の小学校の国語の教科書にも採用されている話です。出てくる大人が皆情けなくて、そこだけちょっとリアルな感じもしました。 -
犬のろくべえが深い穴におちてしまいました!
早く助けてあげなくちゃ!
子どもたちが無事ろくべえを救出するまでの話です。
子供の優しさや、知恵を絞りあう結束力が伝わる絵本です。
セリフも関西弁なので、話の内容が深刻っぽくならず聞き手も受け止めやすいと思います。
それにしても、絵本の中に登場する通りすがりの大人たちよ・・・聞き手の子供たちは、あなた方の薄情な態度にカンカンです!(笑)
幼稚園での読み聞かせでも充分使える絵本ですよ。
絵本を縦にしたり横にしたりと、読み手は練習が必要ですが、読んでみて損はないと思います。 -
「きょゆーん わんわん きょゆーん わんわん」という暗がりに浮かぶ哀しそうな犬の鳴き声で、この物語は始まります。
頁をめくると、子供達が心配そうな表情で深そうなたて穴を覗き込んでいます。絵本の見開きいっぱいを使って描いても、穴の底ははるか深くにあって確認することができません。けれどもどうやら、犬が落ちている様子。えいじくんや、かんちゃん達が腹ばいになって、犬のろくべえに声をかけます。
「ろくべえ。がんばれ」
しかし、声をかけて励ますだけでは埒があかないので、みんなは一生懸命、知恵を絞ります。彼らは小学一年生なので、ロープを伝って穴の中に下りることも出来ないし、高学年の子はまだ授業があるし、平日なのでお父さんを連れて来ることも出来ないのです。
困った子供達はどうしたでしょうか。彼らはまず、しろうくんのお母さんとかんちゃんのお母さんを連れてきました。けれども、お母さん達はこう言います。
「ふかい あなの そこには ガスが たまっていて、それを すうと しぬこと だって あるんですよ」
お母さん達は子供達の心配をよそに家に帰ってしまいました。
子供達はゴルフクラブを振りながら歩いてくる、ヒマそうなおじさんにも助けを求めました。しかし、このおじさんはこんな事を言うのです。
「いぬで よかったなぁ。にんげんやったら、えらい こっちゃ」
これだけ言うと、おじさんはどこかへ行ってしまいました。
子供達が色々手を尽くしている間にも、ろくべえは段々と元気がなくなってくるようです。みんなは焦ります。みすずちゃんが、ストローと石鹸水を持ってきて、ろくべえの好きなシャボン玉を穴に向かって吹いてあげたり、えいじくんは『ドングリコロコロ』を、かんちゃんは「もっと、けいきの ええ うたを うたわな あかん」と言って、『おもちゃのチャチャチャ』を歌ったりしますが、ろくべえはうずくまったまま、ピクリとも動かないのです。
シャボン玉も駄目、歌も駄目、大人も駄目となった状況で、みんなは更に考えます。
そしてとうとう、かんちゃんが思いつくのです。
「そや」
「みすずちゃんとこの クッキーを、かごの なかに いれて、おろしたら……」
みすずちゃんちの犬のクッキーは、ろくべえの恋人なのだそうです。かごにロープを括りつけ、クッキーをその中に入れて、みんなは穴底にそぅっと下ろしていきました。途中、ヒヤリとする場面もありますが、功を奏して、ろくべえはクッキーと共にみんなのもとに無事生還するのでした。
本書『ろくべえ まってろよ』では、小学一年生の子供達が、ろくべえを助けるために協力し合い、知恵を出し合って問題を解決していく過程が描かれています。その過程で、その昔我々読者が彼らと同じ年頃だった頃、理不尽だな、薄情だなと感じた大人の姿もちらりと窺えたりして、もしや今の私達が、そんな大人になっていはしないだろうか、ということまで考えてしまいます。
勿論、お母さん達だって子供達を危険な目に遭わせたくなかったのでしょうし、ヒマそうなおじさんも、彼の台詞どおり、人間が穴に落ちていたら必死に救助してくれたのかもしれません。しかし、幼年時代に大人に対して求めていた善良さや優しさいうものは、困っている小さな命を自分たちと一緒になって守ろうとしてくれる態度のことだったのではないでしょうか。今の小さい人たちが、私という大人を見た時、私は小さい人たちのそんな期待に応えられる大人だろうか。そういう風にも考えさせられます。
この絵本体験があるからなのか、私は昔から、道ばたでミューミュー、クンクンと猫や犬の声が聞こえると、穴や溝にはまっているのではないかと、ついついその姿を探してしまいます。テレビニュースで動物が穴に落ちているのをレスキュー隊が救助する映像も、無意識の内にハラハラしながら視ていますし、(何故!? 何故そんなところに!?)という有りえない場所に挟まっている子供の救出シーンなども、気が付くと必要以上に凝視していたりします。ただ、昔と少し違うのは、犬や猫を探す時、洋服や着物が汚れるのを気にして、腹ばいになったり、べったりと思い切ってしゃがみ込むことがなくなったということ。この変化を私自身、少し寂しいなと思うこともあるのです。
この絵本では、ろくべえの落ちた穴の断面図が、見開きを使って描かれているのですが、普通に絵本を横に開いて読む頁では、穴の全貌がよく分かりません。ですが、所々に絵本を縦にして読む箇所があり、その縦長の画面を生かして穴全体が描かれていますので、小さい読者が、この絵本をタテ、ヨコ、タテ、ヨコと動かしながらダイナミックに鑑賞できるようになっているのも魅力の一つです。
それにしてもこの穴、犬ばかりか人間にとっても危険だろうと思うくらい、大きな穴です。子供達の体の大きさから考えても、三メートル半の深さはありそうですし、直系は七〇~八〇センチメートルほどにも見受けられます。垂直にポッカリ口を開けた穴は、枯れた古井戸のようにも見えますが、こんな危険な穴を放置しておくなんて、と今だったら行政に苦情の電話やメールがジャンジャン寄せられそうな雰囲気です。おそらく中学生だって、はまったら自力で脱出するのは困難でしょう。
穴に板を渡してふさいでおいて、柵を立てておけばよかったのにね。
でも、それだと子供達は余計に興味を持ってしまうかな。小さい子は板をはぐってみたり、柵を乗り越えてみたりするのが大好きだから。
所有分は1975年8月1日発行初版。 -
クッキーがのっていくシーンがすき。アカリお気に入りの一冊。
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穴に落ちたまぬけな犬ろくべえ。彼を助け出すために子どもたちは自分たちの力でどうにかしなくてはなりません。『わたしの出会った子どもたち』にも載っていた、最後の灰谷さんのろくべえへのメッセージが胸にジンときます。