([に]1-1)ゆれる (ポプラ文庫 に 1-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591104347

感想・レビュー・書評

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  • ゆるれ心情に共感できず...
    人は結局自分というフィルターを通してしか他者を理解できなくて、解釈の歪みに気付いた時激しく揺れる、とかそういうこと?

  • 故郷である田舎町を嫌って都会へ出た奔放な弟と、家業を継いだ実直な兄。幼なじみの女性の死をきっかけに、二人の関係が揺らぐ。傑作映画を監督自らが小説化。
    家系を守る責任を負わされる長男と、その背中を小さな頃から傍観する弟。一見対照的だが、家に縛られる人生観は同一であり、そこから悲劇が生まれた。兄弟の父と叔父の関係も重ねた構成がドラマに厚みを加えている。

  • もう一度、読み直してみようと思う。

  • 多分再読だろう。と思って読み始めたが2006年の刊行だった。
    再読だったらもっと覚えてて良さそうなものなのに微かな既視感があるのみで内容はほぼ覚えていなかった。
    そんな既視感とともに読了し、★は5つ。いやむしろ6つ。
    心を揺さぶられるとはこういう感覚だよな。と思う
    やはり初読なのか。
    東野圭吾の手紙をもう一度読みたくなった
    久しぶりによい作品で心が満たされた

  • 自分のどす黒い感情には向き合いたくない。冗談めかして毒を吐いたりはするけれど、自分でもそんな感情を持つことに躊躇いがあって気づかないふりをする。ましてや他人になんて話せるわけがない。この小説の中では、各章の語り手が誰かに話している形式を取ってはいますが、それこそ本人だって認めていないような感情が語られます。恐ろしいのは人が死んだ事実ではなく、その状況を作り出した経緯と感情。誰もが化物をその体に飼いながら表面上はどこかしらにいそうな人間だということ。
    映画のノベライズということですが、恐いけど映画を見てみたいです。

  • 親子に受け継がれる負の連鎖。育ってきた環境は大事だと思う。兄弟って、お互いを知っているようで全然知らない。親子間でも知らない。でも血は水より濃いとはよく言ったものだ。

  • 才能と成功の裏側にひっそりとある怠惰、抑制と日常に隠されている狂気。
    兄の修も弟の猛も、多分彼女の心の淵のどこかを取り出して、一つの形にしたんだろうな、と思った。
    西川美和さんは女性なのに、男性(猛)が女性に対して感じる衝動や、面倒くささを的確に捉えていたのが印象的。性的なことに関しては、男性女性ってきっと分かりあえないんだろうと思っていたけど、割と近い部分もあるのだろうか。それとも、西川さんの特異な才能なのか。どこまでを性的な部分と割り切ってしまうかどうかの、諦めのラインの違いかな。。

    見たくない自分の一部を、目の前に見せられているような本。

  • 家を出て、カメラマンとして活躍する弟猛、実家のガソリンスタンドを継ぎ、田舎町で静かに暮らす兄稔。
    全てを許し、認めてきたかのように見えた兄だったが、二人の幼馴染の智恵子の転落死により、その奥に隠れた深い闇が見え始める。

    ノベライズ本だったのですね。
    映画も知りませんでしたが、とても興味深く、一気に読んでしまいました。
    語り手が、章によって変わるため、それぞれの気持ちが手に取るように分かり、面白かったです。
    兄弟の確執。長男ゆえの苦悩はきっとあるのだろうなと思いました。
    智恵子だけが被害者ではないと思わされた一冊でした。

  • なんか最近、映画化された本読むの多い。ちょっと不本意。しかも、人間臭い本読むのも多い。さらに不本意。最近本選びブレてる。心配心配!

    裁判が絡む話は、時系列で読みにくいうえに、時間感覚がつかみにくく、季節感や変化が感じ辛い。

    後読感は悪くないけど、やはり映画向きだと思います。

  • H25.11.11読了

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著者プロフィール

1974年広島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。在学中から映画製作の現場に入り、是枝裕和監督などの作品にスタッフとして参加。2002年脚本・監督デビュー作『蛇イチゴ』で数々の賞を受賞し、2006年『ゆれる』で毎日映画コンクール日本映画大賞など様々の国内映画賞を受賞。2009年公開の長編第三作『ディア・ドクター』が日本アカデミー賞最優秀脚本賞、芸術選奨新人賞に選ばれ、国内外で絶賛される。2015年には小説『永い言い訳』で第28回山本周五郎賞候補、第153回直木賞候補。2016年に自身により映画化。

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