- Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591124192
感想・レビュー・書評
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季節の行事を一年間通して書いていて、綺麗で素敵な文章でしたが、内容は不倫の話。奥さんと上手くいってないんだったらありかなと思ったり、でもわざわざ寂しい道を選ばなくてもとか思ったり、最後もあまりすっきりせずもやもやした気分に。
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着物にまつわるあれこれ
丁寧に作られた美味しいごはん
季節の行事を大切にする暮らし
ご近所さんとの昔ながらのお付き合い
静かで 丁寧で ほっこりした暮らし
女の人の好きなものを集めた舞台設定は 素敵で憧れる
栞の家族や元カレとの関係に目を向けると
嫌いじゃないけど 疎遠になった父親
心の距離が遠い感じの母親との関係
仲が良さそうなのに 複雑な関係の妹たち
切なくツライ別れになったけど 忘れられない昔の恋人
うーん ほんわかしたストーリーには似つかわしくないほど
けっこうヘビーな近しいひとたち
ご近所の方々とはうまく付き合ってるんだけど
もっと近い人とは なんだかしっくりうまくやれない
自分の思いを心に秘めて相手に伝えないせいかなぁ
一歩引いてるから 距離のある人とは それが幸いして
うまく行くけど もっと近しいひとにとっては
本音を言わない 何考えてるのかわかんないひと
踏み込めないひと と感じられるような。
そんな中で出会った春一郎さん
わたしはいまいちこの人の良さがわからないんだけど
この踏み込んでこない この曖昧さが 栞にとっては
心地いいのかなぁ
踏み込んだ時に いったんは壊れた関係
結局は元に戻るんだけど 春一郎さんの指から指輪が消えた?って思ったのは わたしだけなのだろうか?
だから年越しも一緒にいられたんじゃないの?
でもな この2人はそういうハッピーエンドじゃなく
つかず離れずの今のままで行く方が似合うと思うのは
わたしだけだろうか。
イッセイさん
カッコいいなぁ
こういうひと もういないんだろうなぁ
小川糸さん
名前は知ってたけど 初めて読んだ。
食堂かたつむりが有名だけど なんとなく手を出さないできた
今回 坂口さんに借りたから 読んだけど じゃなかったら
きっとまだまだ読んでなかったなぁ
でも読んでよかった。
こういう空気感好き。
食堂かたつむりも読んで見ようと思った。
それにしても驚いたのは 他の方のプレビュー
不倫アレルギーここまでとは。
小説でもダメなの? 厳しいなぁ。
じゃぁ 殺人なんて もっとダメじゃん 笑
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不倫というと意地汚い感じがするが、主人公.栞の着物を身にまとい日々丁寧な生活で欲張らない感じと妻子持ちの春一郎さんのおっとりとした感じが純愛ぽくなってて和風な感じがさすが小川糸さんの作品だなと思いました。
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下町で着物の古着屋を営む主人公の淡い日常と恋。壊れそうな危うい細い恋を淡々と描いている。
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切ない気持ちに...。
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こういう本を手に取るようになったのはいつからだったろう。
丁寧な暮らしに憧れて、誰かをひたむきに見つめる眼差しに歯痒さを覚える。
そんな風になりたい、なろう、じゃなくて、そんな生き方も素敵だね、ありかもしれないね、って他人事のように評価して終わるようなったのは、いつからだったろう。 -
この作家さんの作品には好きなものが多いのだが、これは私とは相性が良くなかった。描き出された下町の風景はとても潔さがあって素敵なんだが、それを覆うように、甘ったるい砂糖水の霧がずっとかかっている感じで、どうも居心地が良くなかった。
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なんとも言えない気持ちになりつつも、読み終わった瞬間はそういうことがあるからきっと…と妙な気持ちになった。
でもだんだんと読み終えてから冷静になると、違って見えてくる。
商売気がないところを見て、そういうところがすきなんだよなぁというところ
東京近郊にお住まいなのに、突然素敵なお宿を用意できるところ
決して自分の生活を崩してまで、ではないところ
イッセイさん(登場人物)のいうところのタイプの方なのでは、と思わずにいられない。
でも主人公である栞さんもすごく寂しいんだろうなぁ、と思うと、すがってしまう気持ちもわからなくはない。
多分ここまで彼女の背景や気持ちが細かに描かれていなければ、こんな気持ちにはならなかっただろうと思えた。
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季節の移り変わりの描写がとても丁寧で鮮やか。色々出て来る食べ物もどれも美味しそうで、日頃から着ているアンティーク着物も楽しくて良い。姉妹のやり取りも微笑ましい。然り気無い日常がきらきらしていて、街並みも目に浮かぶようで、その場にいるみたいに心地好かった。前半のうちは不倫であることを忘れてしまうくらいだったけれど、意識に上ってしまうとそのまま落ち着いてしまう最後にモヤッとした。