([お]9-1)困ってるひと (ポプラ文庫 お 9-1)

著者 : 大野更紗

• ポプラ社 (2012年6月20日発売)

感想・レビュー・書評

[mib1010さんの感想 · 2013年3月14日]

コミカルに書いてあるけれど、
大野さんの苦しみはとても伝わってきました
実家をムーミン谷と呼んだり、
主治医をクマ先生と呼んだり
元おしり液、オアシス、ワンダーランドなどさまざまな呼び方があり
ユーモアにあふれた人なんだろうな
と思いました

[たくひとさんの感想 · 2013年3月8日]

難病、その言葉は知っていても全然その実態なんか知らなかった。ただ身体が辛いだけでない、その身体で生活をすることに対する更なる辛さ、それはただ単に身体の問題ではなく（その身体の問題だけでも十分すぎるものなのだが）社会や人間関係といった、自分の手ではなんとも触り辛い部分の苦しさが鮮明に描かれていた。
これを読んだところで自分がどう変わるものでもないかもしれない、けれど読んで良かったと間違いなく言える。

[r1010039さんの感想 · 2013年2月23日]

軽快に、ただ、もんのすごいことを語っている。筋膜炎脂肪織炎症候群…病名を言うのも難しい病気に罹患、発症、難病診断、入院生活、闘病闘病闘病…！！！
いろんなことを知らずに生きてると思う。そして、どう読んでどんな感想を得ても、自分は部外者であるという事実。
自分や周囲が当事者になったら、私はどう行動し、生きるのだろう。
今後、折に触れ考えていかないと、まとまらない気持ちが渦巻いている。

[tantanさんの感想 · 2013年2月20日]

凄すぎです。難病も凄すぎるし、更紗さんも凄すぎるし、家族も、先生たちも、おなじく難病の彼氏（？）も凄すぎ・・・いや、やっぱり更紗さんが凄すぎなのか。。。文体には賛否両論ありそうですが、ぜひ読むべきだと思います！

[ikhrさんの感想 · 2013年2月18日]

個性の強い地域研究の院生の女の子が個性の強い病気にかかり、難民支援から医療「難民」の当事者へと立場を変えて地獄巡りをするお話。生きづらさを抱える人が増え続ける日本でもほとんどの人が経験しないレベルの病態を、独特のユーモアに乗せることで広く読まれた闘病記だと思う。

生検のシーンはもちろんそうだけれど、友人たちから負担になっていることを告げられる場面が一番痛ましかった。心身の傷口を晒しながら練り出される文章からは、本当にヒリヒリするような感覚が伝わって来た。

話が進むにつれて、文章の視野が狭くなるように感じた。能弁でなければ本は生まれないのかもしれないし、書き手さんとして魅力的なのは確かなのだけど、今後も続く著者の命綱であるところの人間関係が時に明け透けに描かれていて、読んでいて気分が悪くなった。

[bcfb45さんの感想 · 2013年2月17日]

ここまで客観的に自分の「難」を書けるのはすごい。
すごく辛い話なはずなのに、笑みがこぼれる場面も多かった。もっと世の中を知りたいって思える作品だった。大野さんのパワーに圧倒されました！

[ova3さんの感想 · 2013年2月13日]

大野更紗さんのすごいパワーに感動しました！痛みというのはほんとうに伝達のむずかしいものだから、とてもつらいだろうなと思いました。また「よくなっている」と言われるより「よくやっている」と言われたい、というところに大変共感しました。そうだよね。それが大事だよね。「ふんばろう」の西條剛央さんも「Doing」ではなくて「Being」が大事って言っていたっけ。

[マリノスケさんの感想 · 2013年2月10日]

活発だった大学院生女子が、原因不明の難病を突然発症し、その後の病院などでの過酷な体験談を綴った本。弱者となってしまった著者が経験する、病院や役所での困難をユーモアを持って描いている。

[immkantさんの感想 · 2013年2月10日]

どん底からの華麗な立ち上がり。まさしく、難病版《ロッキー》と言うにふさわしい。

[primaxvistaさんの感想 · 2013年2月8日]

書体がユニーク！
しかしユニークすぎて、過酷さがあまり伝わってこず…
それは彼女の意図するところなのかもしれないけれど、ちょっと入り込めなかったかな…。

でも、病気に苦しむ気持ちは痛いくらい伝わってきたし、医者にはその他大勢でも、患者にはあなたしかいないのよ！！ってところは、激しく同意。