- Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591155707
作品紹介・あらすじ
「死んでるみたいに生きるんだったら、意味がないと思ったんだ」というクマの子始め、動物たちの姿を通して「生きること」を考えさせる9つの物語。不器用で、けなげで、一生懸命生きている動物たちがそっと寄り添ってくれる、心にひとすじの風を通してくれるような作品集。文庫書き下ろしで「たいそう立派なリス」「聞いてくれますか」の2編を新たに収録。
もくじ
たいそう立派なリス 5
べっぴんさん 19
ショートカット 37
アメンボリース 57
朝の花火 77
聞いてくれますか 101
そらの青は 121
光る地平線137
クマのあたりまえ 155
感想・レビュー・書評
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不器用で、けなげで、一生懸命生きている動物たちの姿を通して「生きること」を考えさせる9つの物語。
『たいそう立派なリス』
「毎日辛くてたまりません…」と相談するリス。「きみより辛いリスは、この世の中にたくさんいるんだよ。…… それでもみんな、いっしょうけんめい、がんばっている。実はきみは幸せなんじゃないかな」と答える回答者のリス。
ラジオ相談室を聞いていたリスくんは「どうしてもっと辛いリスがいたら、自分が幸せなんだろう?」と疑問を持つ。彼は立派なリスになろうと頑張ります。このリスが愛おしくてしょうがない。
『朝の花火』
生れながらの殺し屋の蛇が盲目の少女と出会い始めて優しさあたたかさを知る。
『クマのあたりまえ 』
死ぬのが怖い子グマは死なないものを探しにいく。そして石になろうと頑張るが…死にたくないからこそ生きている。深い。
『光る地平線』
体が小さく戦いに負けてばかりのライオンは腹を空かせてばかり。老いたライオンと出会う。綺麗な夜明けを見たライオンは…。
『聞いてくれますか』
ひとり暮らしの女性の庭に集まる蝶々。それは死んだ主人が、両親が、友達が、会いに来てくれた…
『アメンボリース』
人生に悩んだ時会いに行くのは、林の中にある池にいるアメンボたち。
『そらの青は』
理屈っぽくて変わっている魚のクロエ。友人関係に悩んでいる。もっとわかりあいたい気持ちが届くといいな。
『ショートカット』
人間になってしまった母ちゃんを探しにきたサルのぼうや。かあちゃんに会えるかな。
『べっぴんさん』
気位が高いチドリとぶかっこうなチドリが出会い…
好きな作品順に感想を書きました。りすくんがダントツで好きです。
重い本が続いたので癒されようと思ったけど、深い話ばかりでした。いい話ばかりでした。生きているということは難しくて素晴らしい。 -
背表紙のタイトルのインパクトと、優しい色のタッチが上部にちょこんとあるのが気になって手に取る。
あっ。植田さんの絵だったのか…(下部にちゃんとお名前も書いてあるのに…!)やっぱり、ぱっと目に飛び込んできたものが、すてき!と思ったら気になるんだなあ…大事…ッ。となる。
懐かしい気持ちになる長さの短編が7篇。それぞれに登場する生き物たちの思うことに、書かれ方にじんわりする。この感じ…東くんぺいさんやあまんきみこさんの作品を読んだときの感覚だ…なんだかよくわからないけど、じんわりしてぽかぽかしてあたたかくなるこの感じのだ。すき…!
ひとりぼっちだったり、何かと誰かと出会ったり、不思議な体験をしたり。かなしくなったりうれしくなったりそしてやさしい気持ちになって。
たぶん、それは、そこで生きてる者たちの命が真っすぐだからかな…
ああ…すきだなあ。出会えて良かったです。 -
こんなことなら死なないものに生まれたかった。
死なないものを探して歩いて行った小熊は、森のはずれで見つけた石にのろうとするが…。
「生きる」ことを考える、動物たちの七つの物語。
動物が主人公のちょっと寓話っぽい物語。
迷える動物たちが見つけるのは、ちょっとの勇気だったり、思いやりの心だったり。なにより今を精一杯生きることが大切だと教えてくれます。 -
動物たちとの、不思議でかわいらしいやりとりの話。読みやすいけど、哲学的だったり。
「アメンボリース」
うすく、うすく、すくいとったの。その、薄くてほっとするお守りをみんなそっと心に持っている、気がする。勇気が出るひみつの布。
「朝の花火」「そらの青は」
醜い心も優しい心も、きっと誰でも持っていて。自分を理解してくれる存在に会えた時の、何物にも変えがたい喜び。
「光る地平線」「クマのあたりまえ」
そうやって、死ぬまではたしかに生きよう。
死ぬのは今でもこわいけど、死んでるみたいに生きるんだったら、意味がないと思ったんだ。
ありのままにカッコつけずに生きるのは難しい。だって嫌われたくないし、カッコよく思われたいし。まあでも、生きやすいのは自然体だな。ただ実直に、誠実に、そうあれたらいい。 -
今まであたりまえだと思っていたことを、話を読んでじっくり考えることができた。たとえば、人はどうして死ぬんだろう?など。死なないものってあるのかなあ。「死んでるみたいに生きてるんだったら意味がないと思ったんだ」たしかに、死んでるみたいに生きてるんだったら死んでるのとほぼ変わらないから、せっかく生きてるんだったら自分のしたいことや楽しいことをした方が絶対にいいと思った。
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魚住直子氏の作品を読んでみたくて、小学生の息子と寝る前の読み聞かせで毎晩短編1つを読んだ。擬人化された動物が、自分の得手不得手に悩みながらすごす日常で、少しずつ自分の心に耳を傾けながら物語が展開する短編集。中でもヘビの話は結末のページを担当した息子がハッっとした表情で悲しみにくれて読んだ。似た他の作品があったら、ぜひ同氏の作品を読みたい。
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動物たちの姿を通して「生きること」を考えさせる9つの物語。動物だけど人間の姿の反映。どの話も哲学的。優しく切ない。そしてちょっとドキッとする。動物に根源的な疑問を投げかけられているようで。
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・短編集、現実とファンタジーの間を行ったり来たりして、けっこう暗い展開や結末もあるがそこから学びがあるお話だと思う。教科書に載っているというのも納得。
・アメンボのお話がとても好み、こういう不思議であたたかい体験を子どもの頃にしてみたかった -
児童書だから文章は優しいけど
色々と深く考えさせられる短編集。
「そらの青は」
「光る地平線」
「クマのあたりまえ」
が特に好きだった。 -
ほっこりしました!
こんばんは(^-^)/
コメントありがとう。
この本ね、深いよ〜(笑)
重くはないけどね、元気が出るって感じで...
こんばんは(^-^)/
コメントありがとう。
この本ね、深いよ〜(笑)
重くはないけどね、元気が出るって感じではなかったから、また元気が出る本を探さなくちゃ。
今は物凄く本格ミステリが読みたくて。
でも、なかなかいいのがないわ。