湯島天神坂 お宿如月庵へようこそ 上弦の巻 (ポプラ文庫 な 11-6)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591164716

作品紹介・あらすじ

<内容紹介>
湯島天神坂にある隠れ宿・如月庵。絶品料理に舌鼓を打って風呂に入れば、旅の疲れも浮世の憂さもきれいに消えると噂だ。
ある日、非凡な記憶力で如月庵を支えてきた下足番の樅助が、客の名前を思い出せなくなってしまい――。
温かくて元気が出るお江戸人情シリーズ第3弾!

<プロフィール>
中島久枝
東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業。フードライターとして活躍中。『日乃出が走る』で第3回ポプラ社小説新人賞の特別賞を受賞しデビュー。著作に「日本橋牡丹堂 菓子ばなし」「一膳めし屋丸九」シリーズなどがあり、両シリーズで第一回日本歴史時代作家協会賞文庫書き下ろしシリーズ賞を受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 上弦の巻 ― お宿如月庵へようこそ 湯島天神坂シリーズの3作目 
    2019.11発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
    十三夜に鼻煙壺の夢、王子の願い石と卵焼き、おならの顚末、恋の行方と菊の花の4話。

    梅乃が、噂の隠れ宿・如月庵で部屋係として奮闘する物語です。

    下足番の樅助は、何でも写真に移したように、記憶にとどめて聞けばその記憶をたちどころに紐解いてくれます。その樅助の記憶が、はっきりしなくなります。そして、30年前に奉公していた川内屋の蟹吉の事をよく思い出します。
    樅助は、蟹吉の事を思い出したくないために、心に封印したが。町で蟹吉の倅を見てから、その記憶が出てきて、心が乱れて……。

    【読後】
    梅乃を名指しで訪ねてくれる客が出て来ます。本当に、よく働きます。そして、そそっかしくて、親身になってお客様の事を考えます。そこがとても微笑ましく、読んでいてほっこりします。
    なお、最後に「板前の杉治が手足の鍛錬をし、仲居頭の桔梗が小柄と体術の稽古をする」
    そして「この宿には少し秘密を隠している」と書いて有ります。
    毎回なんだろうと想像します、隠密の忍び宿とか……考えますが。
    次回に謎が解けるのですか……?
    2020.12.16読了

  • シリーズ第3弾。

    記憶力が抜群で如月庵の“生き字引”のような存在である、下足番の樅助が急に物忘れするようになってしまいます。
    “もしや樅助、アルツか・・?”と心配したのですが、いわゆる老化ではなく、樅助が如月庵に来る前に奉公していた商家で一緒に働いていた仲間の事で、無意識下に封印された記憶があったのが真相だったようです。
    そして、梅乃や紅葉も元気に働いていて何よりですが、ラストでは梅乃にちょいとほろ苦い展開がありましたね。でも、きっと良い事あるよ!と励ましてあげたい気持ちになりました。続きも出ているようなので、読むのが楽しみです。

  • 相変わらず、如月庵にやってくるお客さまのエピソード、出来事が、1つ1つ私達読者に言おうとしていることがあって、心に沁みます。
    全体を通しては、主人公の梅乃ちゃんの恋に、ちょっと切なくなりました。第4弾が発行されるかどうかわかりませんが、元気な梅乃ちゃんが見れればいいなと思いました。

  • お宿如月庵の下足番、樅助は記憶力が人並み外れていい。一度来たお客様のことなら名前、仕事はもちろん、人柄、好み、その時何があったかなど決して忘れない。それを頼りにされて、「門番」としての働きもしている。ところが最近、その記憶力があやしくなってきた。年齢のせいなのか、それとも何か気がかりな事でもあるのか…。
    シリーズ3弾。樅助の過去、物忘れの原因だと思われる出来事が明かされる。また、梅乃や紅葉の淡い恋心も描かれている。続編が楽しみ。

  • 2021.10.03

  • 晴吾はいつから仲間になったのだ。手の届かないお月様ではなかったのか。

  • 下足番の樅助さん。自慢の記憶力が最近怪しい。年のせい?かと思いきや自分で仕舞い込んで鍵を掛けていた思い出のせい?
    さてさて今夜のお客様は‥‥



    梅乃とお松は一礼すると部屋を出た。 あれれ???

    梅之と紅葉は一礼すると部屋を出た。 じゃない??

    梅之と紅葉はお松に一礼すると部屋を出た。 かもしれないけど?

  • 中島久枝 著「上弦の巻」、湯島天神坂 お宿 如月庵へようこそシリーズ№3、2019.11発行。おかみのお松、板前杉治、板場見習い竹助、下足番樅助、女中頭お蕗、中居頭桔梗、部屋係紅葉・梅乃、とても居心地のいい隠れ宿ですw。十三夜に鼻煙壺の夢、王子の願い石と卵焼き、おならの顛末、恋の行方と菊の花の4話です。床の間の掛け軸にも、月の十徳や日々是好日など風情があります。

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