([ほ]4-6)活版印刷三日月堂 小さな折り紙 (ポプラ文庫 ほ 4-6)

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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591165874

感想・レビュー・書評

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  • シリーズの番外編。

    三日月堂の三日月堂らしい優しくやわらかなお話。
    どのお話も三日月堂や弓子と
    とてもうまく繋がっていた。

    子どもを育てたことで思うことの一つに
    子育ての感覚は
    自分の子ども時代を追体験することでもあるなぁということ。
    だからこそ
    最後の「小さな折り紙」は
    弓子の小さなころを思うと
    なんとも言えない気持ちになる。

    いつもいつも、このシリーズは急ぐな急ぐなと言ってくれる、
    大好きなシリーズだ。

  • 三日月堂の「未来」を描いた番外編であり、最終作。
    「これを読んだら終わり」と思ったら、なかなか読めなかったけど心が疲れていたので、味わいながら読ませていただきました。
    三日月堂の「未来」と言うより、川越の人々やこれまで関わって来た後日談が描かれる。
    最初は川越の商店街のメンバーで訪れた北陸旅行の話。久しぶりに川越運送のハルさんが出て来るのは、嬉しいところ。
    その他にも三日月堂の手伝いを始めた楓や、デザインを担当していた金子君など、お馴染みのメンバーの裏の顔が読めるのもお得な感じ。
    でも、これで終わると思うと、やはり寂しい…

  • 三日月堂のお話が、弓子さんの結婚で終わってしまうと思っていたら、待望のスピンオフが出ました。
    これまで活版印刷に関わってきた人たちが、主役になり、脇役になり次々登場するのでファンにはたまりません。
    それぞれの人生、人物たちがどこかで決心し、前へ向かっていこうとする姿が、作者に選ばれた言葉で表現されています。人生の機微というのかな。その辺りの表現が独特です。もう続編はないのかもしれないけれど(いえ、書いて欲しいですけど!)それぞれの今後をいろいろ想像してしまいました。

    初版には限定で、活版印刷による1ページが付いています。この字体、見たことがある。ずっと昔、家にあった教科書で。活版印刷で作られていたのか・・・。触れると活字のくぼみが感じられます。

  • シリーズの短編集。本編は活版印刷所が舞台ですが、短編集では主人公以外が主役のため、あまりでてきません。どれもよい話で、フレーズがぐっとくる。大人になったからこそ、楽しい世界もある。おすすめです。初版は扉ページが活版印刷です。

  • シリーズ6作目。ほんっと登場人物全員好き。活版印刷を通じて繋がった人々のその後が描かれててとてもとても良い。全話の中で1番「庭のアルバム」が好きやったから今作の「庭の昼食」が嬉しかった。私も三日月堂がある川越に住みたい。

  • 二巡目のワンダーランド、「二巡目」ってまさにこんなふうに感じてたとすごく共感。
    広太父さんの考え方感じ方が、自分と似ていたので、言語化されすっきりした。

  • 前作に続く番外編。今度は『三日月堂の「未来」が描かれる』とのことだったが、今度もまた良かった。
    楓さんはじめ、これまでの話に登場した色々な人たちのその後が描かれる。

    どのお話しも佳い話なのだが、このシリーズ、何故いつもいつもこうも心が動くのかと思うと、全体に亘って、人生の、特に親子の間の機微がよく描けていて、それが自分の人生、特に父と私の関係だったり、私と息子たちとの関係であったりについて、楽しくあるいは悔いを持って思い出したりするからなのだろうなと思う。
    そこに、活版印刷や和紙など古いものへの郷愁や憧れが混じって、自分では到底出来ない生活であるが故に、本の中の生活や人間関係を好ましく感じてしまうことが加わる。
    今回は、人生を経ても”知らないことがたくさんある”ということにフォーカスされていたが、そうした思いも毎日同じように暮らしているこちらに響いてくる。
    『たいへんじゃない人生ってないでしょう?』とあったが、私らも含めて皆そうして、それぞれ“たいへんな”人生を送ってきたことが尊いことだと知らされる。

    弓子さんが結婚していて、子どもも出来て、保育園に通う歳になって、には結構驚く。幸せそうで良かったな。

  • 面白いんですが
    みんないい人すぎて…

  • 小さな活版印刷所「三日月堂」。店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、誰かの忘れていた記憶や、言えなかった言葉―。三日月堂が軌道に乗り始めた一方で、金子は愛を育み、柚原は人生に悩み…。そして弓子達のその後とは?三日月堂の「未来」が描かれる番外編。

  • 三日月堂シリーズスピンオフ。本編の未来編。

    最初の頃の巻にしか出てきていない人だと、
    「この人は誰だったっけ?」
    となりつつ、話が進むと思い出せました。

    楓のおばあちゃん
    おばあちゃんのおうちと万葉の庭
    カナコさんの短歌
    と、本編での好きなものが多く出てきた「庭の昼食」が一番良かった。
    カナコさんの恩師・深沢先生も素敵。

    弓子と悠生の息子・佑が出てくる最終章も、こんなに時が経ったのかと驚くと共に、これからの明るい未来を感じさせてくれて、最終章にふさわしい内容でした。

    これが月光荘に繋がっていくのかー。
    今更だけど、三日月堂→月光荘と、月繋がりなんですね。

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著者プロフィール

1964年東京都生まれ。作家・詩人。95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』が、第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年から刊行された「活版印刷三日月堂」シリーズが話題を呼び、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど人気となる。主な作品に「菓子屋横丁月光荘」シリーズ、『三ノ池植物園標本室(上・下)』など。

「2021年 『東京のぼる坂くだる坂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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