([ほ]4-6)活版印刷三日月堂 小さな折り紙 (ポプラ文庫 ほ 4-6)

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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591165874

感想・レビュー・書評

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  • 三日月堂に関わりあった人々のお話第二弾だが、今回は三日月堂や弓子さんも登場するから、さらに読み応えも感動もある。弓子さんの幸せな姿、ご両親も祖父母も絶対喜んでるなぁ…なんて涙が込み上げそうになる素敵な物語。

  • 子供さんを含めた親子、家族を中心とした作品が多かったので、
    子供さんを持った親御さんが読むとより子供さんへの想いや親としての気持ちがひしひしと募る思いがすると思いました。
    子供がいないので子供に対しての考え方、想い方は分からないですが、
    自分が育ってきた状況を思い返しながら読むと、
    二巡目のワンダーランドの気持ちが良く分かりました。

    弓子さんの生い立ちや活字印刷への思いなどが
    人との繋がりから伝わるものがあり、
    活字印刷への考え方もまた変わりました。

    ラストの章の「小さな折り紙は」では歳を重ねた園長先生が
    卒園する園児に対する思いがそれぞれにあり、
    細やかに気を配っていて、こんな風に思って園児たちを
    今まで送ってきたと思うと胸がいっぱいにになり
    遠い記憶であっても思い返してみたくなってしまいました。

    どの章も心温まって、未来を見据えて微笑ましい光景ばかりが
    ラストには見えていて心がほっこりとするばかりです。
    そしてその中にも素敵な言葉がちりばめられていました。

    印象的だったものは
    やっぱり人生って冒険なんじゃないか。
    予測しないことが起こるから、
    それを乗り越えこともできる。
    もちろんそこで終わっちゃう人もいる。
    だけど完全にリスクのない人生を目指すのは、
    つまらないことのように思う。

    生きているものはみなあとを残す。
    それも影のような頼りないものだけれど。
    「印刷はあとを残す行為。活字が実体で、印刷された文字が影。
    ふつうならそうだけど、印刷では違う。(中省略)
    印刷された文字は、人が残した「あと」、
    生きた証、その人がいなくなったあとも残り、人が影に、
    文字が実体になる。きっとそういう意味なんだろう。

    シリーズ作を読まずに番外編の未来から
    読み始めてしまいましたが、
    シリーズ作を読んでいなくてもこれだけで
    十分に物語を味わえることの出来た作品でした。
    これをきっかかけにシリーズの他の作品も読みたいと思いました。

    初回盤は扉ページ入りで写真が掲載されていますが、
    これも趣があって良いです。

  • これで本当に完結かな。
    シリーズ6巻ともとっても温かくて、じんわり心にしみるステキな作品だった。
    出会えてよかった。

  • やはり温かい温かいお話でした。
    どの章も優しさが溢れていました。
    もちろん厳しい局面に立つのですが
    乗り越えていきます。
    ものをつくる人 ってすごいです。
    巻頭扉がすてき
    挟みこまれた写真もいいな

    ≪ 文字も絵も 刷り上げるのは 明日のため ≫

  • 【収録作品】マドンナの憂鬱/南十字星の下で/二巡目のワンダーランド/庭の昼食/水のなかの雲/小さな折り紙

  • お話に出てきた人たちの「それから」が書かれていて
    良いお話だった
    活版印刷の始めのページが素敵

  • 文字には
    幹も葉っぱも花も
    見えないけど
    全部入ってる。
    だから
    文字の中に
    封じ込められている声を
    聞かなきゃならない。

  • 活版印刷シリーズの完結編。
    これまで登場した人々のその後が描かれている。
    また、弓子ファミリーの今も。
    みんなそれぞれの未来に向かって強く、たくましく前進していくようなや予感がただよっていた。
    ハッピーエンドは良かったなという反面、寂しい。
    菓子屋横丁はもう少し続く?なか?三日月堂の今みたいなシーンでてこないかなぁ

  • 旅行記に始まり、富山県の応援小説かなどと訝しんだが、章を重ねるにしたがい三日月堂番外編の務めを果たしていく。ときにとっつきにくい文学なれど、文字の羅列も活版で文字を組むなら作品としての実体を感じ、それによって成長していく人たち。次世代にバトンを渡す側、渡される側のそれぞれが、悩みつつ互いを思いやり、心技は継がれていく。単なる継承ではなくて、時代に応じ、新たな感性も加味しながら。これ刷新ならぬ温故知新。最終章は本編続編のテイにて、寂しいけどこのシリーズも完結だ。

  • とても穏やかで温かい気持ちで読み終えた。
    これまで出てきた人たちが少しずつつながって、そして、新しい未来へそっと足を踏み出していた。「土地の記憶」、その人の心の中に残っている記憶」が時に誰かを励まし、背中をおす役割も担ってくれる。とても手触りを感じるお話だった。私も手触りがある生き方をしていきたいなとじんわりと思いながら読んだ。

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著者プロフィール

1964年東京都生まれ。作家・詩人。95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』が、第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年から刊行された「活版印刷三日月堂」シリーズが話題を呼び、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど人気となる。主な作品に「菓子屋横丁月光荘」シリーズ、『三ノ池植物園標本室(上・下)』など。

「2021年 『東京のぼる坂くだる坂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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