ザ・ウーマン (扶桑社ミステリー)

  • 扶桑社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594066802

感想・レビュー・書評

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  • 「オフシーズン」「襲撃者の夜」に続くカニバリズムシリーズ。だけれど今回登場する食人族は「ウーマン」一人きり。ってことはさしたる脅威ではないかも? と思いきや。
    「文明人」であるはずのクリスの言動の方がずーっと恐ろしい! 最初からなんだか異様だとは思っていたけれど。物語が進むにつれ明らかになるさまざまな「家族の秘密」があまりにおぞましすぎて。むしろ「ウーマン」の方が健全な「人間」といえるのでは、などと思ってしまいました。
    後日譚「カウ」にも絶句。タイトルの意味があまりに凄まじくて。ひょっとしたら本編よりも恐ろしいかもしれません。

  • 映画の存在から原作の存在を知り、映画はグロテスクで観るのが辛そうだけど物語展開と結末が気になったため今作を読んでみた。
    結論として、やはり苦手は苦手だし、物語展開もそんなのありかという結末と言わざるをえない。終盤の全盲の妹のエピソードなどはちょっと首をひねった。

  • 面白かつ。何作か読んでいるけど、シリーズ通してまた読みたい

  • 「オフシーズン」「襲撃者の夜」に続く三作目。
    弁護士のクリスは、野生的な女を捕らえて地下に監禁する。
    その女は食人一族の生き残りだった。
    クリスはもちろん、その家族も歪んでいて、何か大きな隠し事をしている。
    そして惨劇の夜へ。
    後日譚となる短編「カウ」もまた面白い。
    前作でいた「カウ」の役割を振り当てられてしまった若者の話。
    前二作よりも後味はいいと思う。

  • オフシーズン、オフスプリングの続編。もはや悪ふざけになっている気もした…今さらか。

    今作は、「文明」の中に潜んでいた鬼畜男対食人族の生き残りウーマン。男対女。男は家族総出でウーマンを矯正しようとするが、家族の一部は、ウーマンが秘めた野性の強さ(美しさ)に惹かれていく、というお話。

    これまでの「文明人」対食人族の戦いは、文明人側に軍配が(一応)上がっていた。その理由は、銃器という圧倒的な暴力。「文明人」は、暴力で食人族を制圧してきた。
    ところが、今回は食人族が勝利する。理由は、鬼畜男の娘ペグが、ウーマンに惹かれてしまったからだろう。なんだか皮肉な話。

    ペグは、鬼畜親父に虐待を受けていた。彼女は自分自身を守れなかったし、すっかり親父に調教されきっていた母親も、ペグを助けてくれなかった。ペグは強くならなくてはいけなかった。だからペグはウーマンを選んだ。

    「ウーマン」の章に続く「カウ」の章でその後、ペグの立派に成長した姿が見られる。何もそこまで変貌しなくても。

    オチなんかは割と好きだったけど、ウーマンがペグを「妊婦」だからヒイキするみたいなノリはどうも安いような気がした。

  • 加害者から被害者へ、被害者から加害者へ。嫌悪感に惹きつけられる。
    後日譚の「カウ」も秀逸。

  • なるほど、『オフシーズン』『襲撃者の夜』の続編か。表題作の『ザ・ウーマン』の後日譚、『カウ』も収録。食人族と人間、果たしてどちらが残酷なのか。前二作をも凌ぐ殺戮の物語。

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著者プロフィール

ジャック・ケッチャム(Jack Ketchum)
1946年11月10日 - 2018年1月24日
ホラー作家として知られる。ボストンのエマーソン大学で英文学を専攻。卒業後は俳優、教師、営業、ライターなど様々な職業を経験するが、ヘンリー・ミラーの出版エージェントをしていたことはよく知られている。1981年『オフシーズン』で作家デビュー。1994年”The Box”で、ブラム・ストーカー賞短編賞を受賞して以来、多くの受賞歴がある。2015年にはブラムストーカー賞生涯功労賞を受賞。代表作に、実在の事件を元に、映画化もされたモダンホラー『隣の家の少女』。
(2018年5月10日最終更新)

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