アインシュタインとヴァイオリン ~音楽のなかの科学~

著者 :
  • ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
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本棚登録 : 60
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784636899931

作品紹介・あらすじ

科学はなぜ音楽に魅せられたのか?科学と音楽を横断的に読み解き、多くの科学者が追い求めた宇宙の真理に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • ザザっとチェックして売ってしまったけど まんなかの音律のところちゃんと読みたいので図書館へ

  • 音楽を科学の面から解説するという触れ込みですが、実際の内容は音律の話です。
    弦の長さを2/3にすることで5度上の音程をとってゆくピタゴラス音律に始まり、倍音をもとに音程を決める純正律、ピタゴラスと純正の矛盾をできるだけ埋めるために生まれた中全音律(ミーントーン)、すべての半音の音幅が均等な12音平均律まで、理論含めきっちり紹介されてます。
    音律の話と並行して、調性のイメージの話(12音平均律だと調性の移動は単に主音の位置が変わるだけだが、他の音律だと音の幅が不均衡なため、移調すると音階の響きが明らかに違ってくる)も紹介されていて、大変興味深い読み物だった。
    楽器をやる人なら一度は目を通しておくと良いのでは?

  • アインシュタインは象徴的に表題に入っているが、音楽と数学、物理学、天文学が密接なものと捉えられた歴史を紹介する本。
    ピュタゴラス音律から始まり、純正律や不等分平均律を経て平均律に至る歴史を説明する。調性が持っていた性格は平均律で失われたが、それ以前の調性性格も、時代と共に変化していることを知った。

  • 安生先生の文体、懐かしいなぁ。

  • 「科学と音楽」の関わりを書いた本は何冊か出ているが、
    難しく散文的なものが多いなかで、
    この本は比較的平易に流れをを追って書かれているので、
    『どう関わりがあるのか』がわかりやすい。

    また、黄金比やピュタゴラス音律、宇宙の音楽など、
    内容がわかる項目が細かく分かれていて、
    それぞれが知識がなくても比較的読みやすいので、
    気になる箇所だけ追ってもいいかもしれない。
    (数式は飛ばしても十分内容は楽しめる。)
    最初は理解しきれていなかった部分も
    気になる箇所だけでも何度か目を通すうちに、より深く味わえる。
    とくに「絶対音感」や「音の帝国主義」のくだりは、目を見開かせてくれた。

    ちなみに、膨大な註釈は目を通さなくても良いが、
    著者の個人的かつ多少過激な主張が随所に織り込まれているので、
    よく読むとニヤリとさせられる。

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著者プロフィール

1952年山形生まれ。東京藝術大学大学院博士課程満期退学。現在、桐朋学園大学音楽学部名誉教授。18、19世紀を主な対象とする音楽社会史、音楽思想史を専攻。
著書に『新版 クラシックでわかる世界史──時代を生きた作曲家、歴史を変えた名曲』『ピアノ大陸ヨーロッパ──19世紀・市民音楽とクラシックの誕生』(以上アルテスパブリッシング)、『神と向かい合った作曲家たち──ミサ曲とレクイエムの近代史 1745–1945』『《ドイツ・レクイエム》への道──ブラームスと神の声・人の声』『シューマン 全ピアノ作品の研究 上・下』(以上音楽之友社)、『ピアノの誕生』『クラシック 名曲を生んだ恋物語』(以上講談社)、『「楽聖」ベートーヴェンの誕生』(平凡社)、『世界史でたどる名作オペラ』(東京堂出版)、共著・共編書に『ベートーヴェン事典』(東京書籍)、訳書に『魔笛とウィーン』(平凡社)、監訳・共訳書に『ルル』『金色のソナタ』『西洋の音楽と社会(7)ロマン主義と革命の時代』(以上音楽之友社)、『オックスフォード オペラ大事典』(平凡社)などがある。

「2023年 『バロック音楽と国際政治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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