インザ・ミソスープ

著者 :
  • 読売新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784643970999

感想・レビュー・書評

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  • 夜の性風俗ガイドを依頼してきたアメリカ人・フランクの顔は奇妙な肌に包まれていた。その顔は、売春をしていた女子高生が手足と首を切断され歌舞伎町のゴミ収集場に捨てられたという記事をケンジに思い起こさせた。ケンジは胸騒ぎを感じながらフランクと夜の新宿を行く。97年夏、読売新聞連載中より大反響を引き起こした問題作。読売文学賞受賞。


    「最悪なことは自分の関知しないところで進行していてそれがあるとき突然に姿を現す」

    村上龍を読むと日本のよくないところが見えてくる。それは、どうしようもないことのようにも見える。こわくなるな。

  • 3時間弱で読了。

    初めて村上龍の作品を読んだが、目に映らない、映ることのない現実があり、現実に抗おうとしている人、受け入れる人、諦める人を生々しい形で描写していた。
    自分自身外国人と接することがないため、作者の言う一般の日本人と同じものの見方をし、そもそも自国のことをよく理解していないということを改めて認識させられた。
    そして、自分は退化していないか、考えさせられた。
    一個人として、日本人として進化していきたいと、考え直すきっかけとなった。

  • 日本や日本人への危機感をフランクを通して描きながら、最後は除夜の鐘というとても日本的なものでBONNOUから解放されようとする。僕が除夜の
    鐘と聞いてイメージするのは静寂だし、そこにはタイムズ・スクウェアの盛り上がりとは違う美しさがある。(とは言え実際には勝鬨橋なんてざわついてそうだけど)
    村上龍は日本に強い危機感を抱きながら、日本的なものの持つ美しさも表現したかったんだなと感じた。そこが好きなところかもしれない。

  • 怖い

  • フランクの言うことはわからんでもないですが。なぜ退化と見捨てるか。村上龍自身が日本に勝手に見切りをつけたように感じました。違うとは思いますが。

  • 大楠君が、
    「恐怖のなかに、作者のメッセージ性が強烈にある」ねとすすめてくれました。

    読んでみると、
    まずは怖かった。ぐろかった。
    でも、その、この本のメッセージ、少しは感じられたと思う。

  • 描写が生々しい。
    殺戮シーンの強烈さはかなりのもの。
    怖いもの見たさで1日で読了。
    主人公の冷静さが気味の悪さを引き立てる。

  • ミソスープ=日本社会
    人々はただ漂っているだけ。何も思考せずに。
    クリスマスを迎えたと思ったら一週間後にはお正月。なんの疑いもなくそういう日常を過ごす日本人。なんでもあるように見えて実は何もない、曖昧な日本社会への警鐘。

  • 生々しいストーリーに入り込んでしまった。抜群の描写、ストーリー、共に素晴らしい。最後の部分がすこしぼやけた感じがして後味はイマイチだが、それを差し引いても星五つ。

  • 主人公を受け入れることが出来ませんでした。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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