木を植えた男

  • あすなろ書房
4.01
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  • Amazon.co.jp ・本 (47ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751514313

感想・レビュー・書評

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  • まあ、あまりに有名な絵本だけど、ほんとうに「木」を植えなきゃダメだ。とってもシンプルでイイ話しなので大好きです。

  • 深い本…色々と心に残ったことはある。その一つ…

    コツコツと見返りを求めず、使命と思う事を行うだけでいい… そんなメッセージを受け取った

  • 「人びとのことを広く深く思いやる、すぐれた人格者の行いは、長い年月をかけて見定めて、はじめてそれと知られるもの。
    名誉も報酬ももとめない、まことにおくゆかしいそよ行いは、いつか必ず、見るもたしかなあかしを、地上にしるし、のちの世の人びとににあまねく恵みをほどこすもの。」
    冒頭に上記から始まるとても心に深く沈む絵本。

    30年木を植え続けた、エルぜアール・ブフイエ。

    色々な逆境に立たされながらも、人も離れていき続ける不毛の地にカシやブナやカエデの木を植え続け、後に立派な森林へと成長していく。

    その土地に人が再び戻り始めた頃にはブフィエの苦労を知る人は居ない。

    今も世界のどこかにブフィエの様な人は居て、そんな存在も知らずに日々生活をしている現状なのだろうなと考えさせられる。

    全体を読んだ後に、冒頭を読み返したくなります。

  • 映画を先に見ました。
    やっぱり素晴らしい!

  • 黙々と木を植え続け、荒れた不毛の土地を豊かな森へ育てていく男の話。
    一人息子も妻も亡くし、ゆっくり歩む孤独の世界にささやかな喜びを見出しながらも、
    何かためになる仕事をしたいと不毛の地に木を植えることを始めた。
    何か見返りがあるわけでもなく、ただ黙々と続けた仕事の先に誰も想像のしえなかった森がよみがえる。

    この物語を短編映画化したものを、偶然テレビで見たのが、この絵本を知ったきっかけ(もうかなり前のこと)。
    この本は絵本だが、映画化されたアニメーションもこの絵本を忠実に再現しており、
    主人公の男の朴訥とした雰囲気や意志の強さが絵から感じられ、非常に引き込まれたことを覚えている。

    一人の人間が一つのことを日々積み重ねることで人知れず大きな成果を生み出すことが、
    「黙々と日々木を植え、大きな森を作り出す」というストレートな物語で分かりやすく語りかけてくる。

    自然が廃れることにより、人の心が荒むことや、戦争により積み上げたものを一瞬で壊してしまう人間の愚かさや、
    出来上がったものの表面しか見ることができず、それができてきた経緯を思い至すことのできない人間の傲慢さが
    この短い物語の中に詰め込まれており、この世の中を思うとき自分がどうすべきかを思い起こさせる。

    何より好きなのは、誰からも振り返られなくても、自分の思ったことを貫き通すことの大切さを
    いつでも思いださせてくれることだ。

  • 第82回アワヒニビブリオバトル「【往路】お正月だよ!ビブリオバトル2022」第6ゲームで紹介された本です。オンライン開催。
    2022.01.02


  • 木々も人々も荒れ果てた地に、木を植え続けた男エルゼアール・ブフィエの生涯が、とても深く詰まっている絵本。

    見返りを求めず、ただひたすらに自分が信じた道を歩いて、それが結果的に人々の幸福に繋がった。
    そこに至るまでに、人知れず乗り越えた日々はきっとあるよね。

    何だか人生について考えさせられる。
    何度でも読み返したい。

  • 男には特に目的がなかったように思える。ただひたすらにコツコツと種を植え続けた。結果として一人の人間が作り上げたとは思えないほどの見事な森ができあがった。偉業ではあるが、周囲が称賛するのも筋違いのような気がする。
    一方で、彼の地道な行いについて何も知らない俗物たちが、その森には群がってくる。
    誰のためでもなく自分がやりたいことをやり続けた人と、深く考えずに欲望のままに生きる人々がいる、というだけの話のような気がする。

  • 47ページもある絵本。絵本というより、絵の美しい読み物か。20分程かけて、読みました。

  • ペンのタッチが心地よい絵の数々。言葉は子供向けには難しいと思うので大人が読んでちょうど良いかも。
    木を植えるということが長期にわたって世界を変え人を幸せにする。献身的な老父の継続的な労働が大地とそこに住む人を幸せにする。

    メモ:
    戦争という、とほうもない破壊をもたらす人間が、
    他の場所ではのんなにも、神のみわざにもひとしい偉業を成し遂げることができるとは。

    変化はとてもゆるやかにあらわれたので、日常とあう闇にまにれて、人びとを驚かすことはなかった。

    魂の偉大さのかげにひそむ、不屈の精神。心の寛大さのかげにひそむ、たゆまない熱情。この、神の行いにもひとしい創造をなしとげた名もない老いた農夫に、わたしはかぎりない敬意を抱かずにはいられない。

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著者プロフィール

Jean Giono.1895~1970. 
作家。プロヴァンス地方マノスク生まれ。16歳で銀行員として働き始める。1914年、第一次世界大戦に出征。1929年、長編小説『丘』がアンドレ・ジッドに認められ出版。第二次世界大戦では徴兵反対運動を行う。1939年、逮捕される。1953年の『木を植えた男』はジオノ没後、20数か国語に翻訳された。
邦訳書に『蛇座』(山本省訳、彩流社、2021年)、『純粋の探究』(山本省訳、彩流社、2021年)、『大群』(山本省訳、彩流社、2021年)、『本当の豊かさ』(山本省訳、彩流社、2020年)、『青い目のジャン』(山本省訳、彩流社、2020年)、『丘 岩波文庫』(山本省訳、岩波書店、2012年)、『ボミューニュの男』(山本省 訳、彩流社、2019年)、『二番草』(山本省 訳、彩流社、2020年)、『世界の歌』(山本省訳、河出書房新社、2005年)、『気晴らしのない王様』(酒井由紀代訳、河出書房新社、1995年)、『いかさまトランプ師の冒険』(酒井由紀代訳、河出書房新社、1997年)、『木を植えた男』(山本省訳、彩流社、2006年、他多数翻訳あり)、『屋根の上の軽騎兵』(酒井由紀代訳、河出書房新社、1997年)、『喜びは永遠に残る』(山本省訳、河出書房新社、2001年)、『憐憫の孤独』(山本省 訳、彩流社、2016年)などがある。



「2022年 『メルヴィルに挨拶するために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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