れんげ荘

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758411356

感想・レビュー・書評

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  • 2015 3 28読了
    サクサク読めました。

    「なるようにしかならない。深く考えるのはやめよう。」

  • こんな母親がいるのか!と驚きましたが・・・身近なある人物を思い浮かべ納得。良かった実母じゃなくて、と安堵するほどキョウコの母親は苦手というかあり得ません。でもその呪縛から逃れるためのキョウコの選択を心から応援したくなりました。これでいいのかと迷ったり、悩んだり、ちょっと後悔したり不安になったり。その過程のどれもがとてもリアルでした。45歳にしてそれだけの貯蓄ができるのはバブル時代ならではでしょうか。クマガイさんがとても素敵でしたが彼女もまた複雑な人生で。心がほっとする作品でした。続きもすぐ読まなきゃ!

  • 群ようこさんの本は大好きで、久しぶりに読み返してみて改めて良いなぁと。

    40代になってお仕事やめてボロアパートに引っ越しするといったかなり浮き世離れしたお話なんだけど
    ほっこりとした情景が浮かんでくる。
    オシャレな街の一角でのアンバランスであったり、部屋の中に雪が降ったり、大量の蚊と戦ったり、図書館でナンパされそうになったり、ふふふと思わず口元がゆるんでしまう。

    昔、知人が住んでいたアパートによく似た光景だったから余計に楽しめたのかも。朝に読み終えて、今日一日暖かい気持ちで過ごせそう。

  • ◼ひさびさすぎる群ようこ。
    45歳独身女性が母から自立して1人暮らし奮闘する話。奮闘というより堪能、かな。母との関係とか、新しい環境開拓とかつつましく生きるとかすっと入ってきた作品

  • 最初の10ページがおもしろかったなぁ
    リアリティあって、ボリュームあって・・・

    れんげ荘に引っ越してからは、穏やかにおもしろかったね。「おぎやはぎ」みたいな、ゆるい(?)感じで。

    キョウコみたいな人が近くにいたらなぁ
    仲良くしてもらって、れんげ荘にお邪魔させてもらって、大福頂きたい!

    家になめくじ出てきて、雪も降る れんげ荘
    世間でいうおかしな立場でも許される(というか誰も気にしてない)れんげ荘


    なんじゃかんじゃで、キョウコはあーだこーだ思いながら、自分らしくはなさそうやけど、自分の思うように生きるんやろうなぁ。

  • 会社を辞めて実家を出て古びたアパートで一人暮らしをする中で、自分を見つめ直しながら時には周りの人と助け合いながら生活していくお話。
    夏には蚊の大量発生、冬には雪が降るれんげ荘にはちょっと住めないけど、でも覗いてみたいな。
    ふんわりしながらも自分の芯を見つけていくような、ちょっとだけ心に芽が生えたような、そんな気がした。

  • 40代独身、風呂なしボロいアパートで、忙しい仕事を辞め貯金だけで暮らしていくことを決意。それだけでなんて面白いそうなんだろうと思った。出てくる世間体ばかり気にして娘のやることを認めようとしないおかあさんが本当にムカつく。わたしだったら親子の縁切りたいとおもうけど、それでも広い視点でみていてえらいというかすごいなあと思う。人生エンジョイ系の小説かと思いきや、大変そうで容赦ない書き方でよかった。

  • こんな暮らし、ちょっと憧れる。カビだけはイヤだけど。

  • 45歳までバリバリ働いていた独身女性が、働かない暮らしを始める物語。
    1か月10万円で生活するために、れんげ荘という名前のとても古い木造アパートに住み始めるのですが、夏は蚊の大群に襲撃され、冬は部屋の中に雪が降る有り様。それでも、いいことを見つけていきます。
    主人公は働かないと決めたにも関わらず、働かないことに後ろめたさを感じたり、他人にどう思われるかを気にしたりします。
    「健康だけど働かない」状態にもしなったらどうするか、あるいは健康であるかぎり働いていたいのか、考えてみるのもいいと思いました。

  • 群ようこさんの著作は2作目。(前作はパンとスープ)

    誰もが嫌ってしまうキャラとして登場するのが、主人公キョウコの母。益田ミリさんの「どうしても嫌いな人」に出てくる嫌われキャラと似ている。「人の悪口」が日々の肥やしみたいな人だ。

    45歳のキョウコは大手の会社で働き続けていたが、そこでのハードで楽しめない生活を定年まで続けたくない。

    ある日、母との暮らしと会社を捨てて、オンボロ「れんげ荘」へ移り住む。

    そんな彼女の一人暮らしの話。

    ーーーー

    最初は「母親」にイライラさせられっぱなし。

    キョウコの一人暮らしは「ひとり」だけど「ひとりじゃない」なぁと思いました。

    親友やお隣さんのクマガイさん、お兄さん、姪のレイナ。
    コーヒーショップの店員や大家さん、その他のお隣さん。

    キョウコは悩みつつも色々な人に直接助けてもらったり、間接的に助けてもらったりしながら、あまり悲観的になりすぎずに生きている。

    嫌なことは最後までなくならないけれど、最後の最後すごくほんわかした気持ちで読み終われた。

    大切だなぁと思う人とつながっていくためには、「嫌な人」も時には必要不可欠だったりするのかもなぁ。

    「嫌な人」は排除できないけど、ある程度の距離感を持ちつつ生きていく。それでいいんだなぁ。って思わされた。

    色んな人がいて、それでいいんだなぁ。

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著者プロフィール

1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に。「無印物語」で人気を博す。『かもめ食堂』『れんげ荘』『三人暮らし』など著書多数。

「2023年 『老いとお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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