今日のハチミツ、あしたの私 (ハルキ文庫 て 2-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758442404

感想・レビュー・書評

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  • はちみつたっぷりのパンケーキ食べたくなる……。
    ひょんなことから恋人の地元に行き、養蜂に関わることになった碧。蜂が命懸けで作るはちみつの輝きを感じる。生命って不思議。
    明日の自分がどうなってるのかは誰にも分からないんだから、今日を精一杯生きるしかないよね。
    恋人の安西にはすごくいらいらさせられたし「こいつのどこがいいねん」と思わずにはいられなかったけと(笑)

  • 面白かった。何をどう書いたらこの本の面白さが伝わるのか全く分からないけれど、面白かった。

    どうでもいいですが、主人公の碧をずっと「あおい」だと思っていたのに、最後まで読み終わって解説を見たら「みどり」でした。馬鹿は治しようがないですね。

    • ゆれんさん
      同じ人がいた!と思ってコメントしました。
      私も読み終わってほっこりじんわりした気分で解説を読んで「みどり」だったことに気がつき衝撃を受けまし...
      同じ人がいた!と思ってコメントしました。
      私も読み終わってほっこりじんわりした気分で解説を読んで「みどり」だったことに気がつき衝撃を受けました笑
      2023/10/12
  • ふわっといい気持ちになれた。

  • タイトルからして、ほっこりした気持ちになるものかと思いながら手に取った。それはそれは気軽に。

    主人公の心が、どんどん強く逞しくなる。
    その歩み方に引き込まれながら一気に読んだ。

    大切な誰かとの関係が終わってしまっても、確かに自分の中に刻まれている。今ここにいる時間に繋がっているのだ。そんなことに気づかせてれて、

    だからもう前に進んでいける。
    そんな風に思える日が、自分にも来るのだろうか。

    選んだ道に責任を持って居場所を作っていく。
    自分の人生との向き合い方を改めて提示された気がする。

  • 「自分のことばっかり喋る人も嫌だけど、他人のことしか喋らない人も困ったもんだね」

    「食べものが身体をつくるのはあたりまえだけど、それだけじゃなくて。誰かと一緒にごはん食べて楽しかったとかおいしかったとか、そういう記憶ってずっと残るから、食べてもなくならないよ。記憶が残るなら、それはごはんも残ってるってことだよ」

    「自分の居場所があらかじめ用意されてる人なんていないから。いるように見えたとしたら、それはきっとその人が自分の居場所を手に入れた経緯なり何なりを、見てないだけ」

    「運が良かったんじゃないよ。その人たちと会えたのは偶然かもしれないけれど、会えただけでおわらせなかったのは、それは碧が」
    ~「碧が、行動したからだよ。碧の良いところがその人たちに伝わったからだよ。全部、あんたが自分の手で勝ち取ったもんだよ」

    「あんたらが、あんたらがそうやって『傷つきやすいから』とか『弱いから』とか言って甘やかすから、あの男はいつまでたっても弱いまんまなの!誰だって傷つくし、誰だって弱いの!けど誰でもみんな現実に向き合って生きてんの!~」

    「笑ってる人はみんな気楽って発想、幼稚すぎるよ」

    かなしい時に甘いものを食べるのは確かに効くよ、とちゃんと後で伝えようと思った。

  • 蜂蜜をひと匙足せばきっと明日は今日より良くなる。
    明日がくるのがひと匙分楽しみになってしまうような本です。
    読み終わったらきっとはちみつが食べたくなります。

  • 家族の中でも学校生活でも孤立していた少女。
    30歳になった彼女は、ろくでなしの彼氏やその家族に振り回されていて、相変わらず、自分を主張することができずに生きていた。
    縁もゆかりもない田舎の地に移り住み、そこで出会った新たな人たちと共に、自分のしたかったこと、生き甲斐を見つける物語。
    正直、前半100ページ(文庫)くらいまでは、ろくでなしの彼氏やその父親に対して苛々。うんざりするようなことばかりで挫折しそうだったが、養蜂家との出会い辺りからの物語の巻き返しが素晴らしかった。
    現実ではそうトントン拍子に事は進まないが、主人公が精力的に活動し、町の人々と交流していく姿は少々憧れた。温かい人たちも沢山登場して、物語の後半は、ほっこりとした、ぬくもりのある内容だった。
    最後までぜひ読んでほしい。

  • 明日なんて来なければいい。そう思っていた中学生の碧は、見知らぬ女性にもらった蜂蜜の小瓶の思い出を胸に成長し、やがて恋人の故郷の養蜂園に勤め始める。

    煮え切らぬ恋人の態度、養蜂園を経営する男の過去、そして碧自身の心境の変化が丁寧に描かれる。

    新たな地で様々な出会いと、恋人との別れを通じ、「人はいつからでも変わることができる」そんなメッセージが込められた作品。

  • 幸せな過去だけではなくつらい過去も全部まとめて今につながる時間として大切にする碧の考え方が素敵だなと思った。その中で、もしそうは見えなかったとしても居場所はみんな自分でつくっていて、自分の手で明日をつくっていく、という考え。人生には選択肢を自分で選ぶ場面がいくつもあって、それには責任も伴うけれど、たとえ失敗しても、もちろん成功(成功という言葉とはちょっと意味が違うが1番近い言葉なのかもしれない…)したとしても、自分の一つの過去であり人生の出来事で。人ってそういう積み重ねで生きていくんだと思う。
    あとは「泣いた赤鬼の青鬼」という言葉も印象に残ってるな。

  • 正直彼氏にいらいらした!でもこんな彼氏と別れられずズルズル地元までついてきてしまう彼氏の魅力も上手に書いていた。ずるい。
    本題は彼氏云々ではなく主人公の再生のお話なのでまあいいとして、強くなっていく主人公とそれに呼応するようにまわりの人が優しくなっていくのがよかったなあ。最後は自分で決別したのも偉かった。
    なんか結局人生って最後は帳尻合うようにできてるんじゃないかと最近思えるようになってきた。良いことも悪いことも人生で捉えたらプラマイゼロになるんじゃないか。何とかなるんじゃないか。そんな風に思わせてくれるお話。
    タイトルがとってもよい。

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著者プロフィール

1977年佐賀県生まれ。大阪府在住。2014年『ビオレタ』で第4回ポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。他の著書に『わたしの良い子』、『大人は泣かないと思っていた』、『正しい愛と理想の息子』、『夜が暗いとはかぎらない』、『架空の犬と嘘をつく猫』などがある。

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