今日のハチミツ、あしたの私 (ハルキ文庫 て 2-1)

著者 : 寺地はるな

• 角川春樹事務所 (2019年3月13日発売)

感想・レビュー・書評

[じゅえるさんの感想 · 2021年9月13日]

淡々としているようで、人の懐に上手に入り込み、自力で自分の居場所を作る主人公。誰にだって苦労はあるけれど、ね〜。食べたものはなくならない、食べた時の思い出や感情と共に血や肉になる的な考え方は好き。

[マルプーさんの感想 · 2020年4月12日]

初読み作家さん。「蜂蜜をもうひと匙足せば 、あなたの明日は今日より良くなる」主人公の碧が中学生のときに麻子さんから蜂蜜の小瓶を貰い掛けてもらった言葉がこの話の全てかなと読了後感じた。恋人の安西との別れや養蜂園を営む黒江やあざみさんとの出会い。決して恵まれない碧だったけど、力強く変わっていき、環境に順応していく様が見えてきて頼もしかった。まさに、自分の居場所をクロエ養蜂園にいろんな意味で見つけたのかなと思う。蜂蜜を使ったレシピ、そして蜂蜜そのものをもっと味わいたくなってきた。

[瀀さんの感想 · 2024年2月12日]

素敵な言葉にたくさん出会えました
やっぱり読書が好きだなぁ、と思った

｢誰かと一緒にごはん食べて楽しかったとか、おいしかったとか、そういう記憶ってずっと残るから、食べてもなくならないよ。記憶が残るなら、それはごはんも残ってるってことだよ｣

蜂蜜が、自分にとって少し特別なものになりました
読んでよかったと思えた一冊です

[ちぃさんの感想 · 2023年10月1日]

・食べ物が身体をつくるのはあたりまえだけど、それだけじゃなくて。誰かと一緒にごはん食べて楽しかったとかおいしかったとか、そういう記憶ってずっと残るから、食べてもなくならないよ。記憶が残るなら、それはごはんも残ってるってことだよ
・自分の居場所があらかじめ用意されてる人なんていないから。いるように見えたとしたら、それはきっとその人が自分の居場所を手に入れた経緯なり何なりを、見てないだけ
・あの時言ったことが、ぜんぶその場の思いつきだったりしても、嘘だとしても、わたしをここに導いてくれたことに変わりありませんから。わたしを導いてくれた人が聖人君子のような人でなくたって、もらった言葉の価値は、変わりません。もらった蜂蜜の価値も

[あーこさんの感想 · 2023年9月8日]

読後、ふわ～っと穏やかな気分になれる作品。

よくよく考えると、主人公やさしすぎ、うまくいきすぎ、とか思ってしまうけれど、居場所をつくる大変さをみせるための物語ではないので、不満感はない。

最後の蜂場襲撃は、最初安西の腹いせなんじゃないかと思ってしまったが、そんなことできる性格じゃなさそうだし実際に違ってよかった。笑

自分の意志で、自分の居場所をつくっていくこと。
私自身、去年キャリアチェンジして住む環境も変わったけど、気づいたら新しく出会った人たちとの関係が徐々に築かれていっている。さらに自分に必要なもう一歩を、はやく踏み出そう、不安があってもきっと大丈夫、そんな気持ちにさせてくれる物語だった。

[そばさんの感想 · 2023年1月18日]

暖かい人に囲まれて
強くなる主人公

ハチミツの甘い香りを感じさせる描写と
余韻を残した終わり方に
登場人物の続きに思いを馳せる

[ｂｅｎｉさんの感想 · 2022年8月16日]

中学生の頃にいじめを受けていた碧。胃痛に悩まされやせ細ってしまうが、ある日見知らぬ女性に美味しいハチミツを勧められ「自分を大事にするように」と言われる。

いじめられっ子だったのが嘘のような適応力と行動力。私も逞しくなりたいな。 https://t.co/roiCPSEnl8

[123daaahさんの感想 · 2022年7月1日]

作家の描く文章には独自の旋律がある。この作家の旋律は初めてでした。慣れるまで時間がかかりましたが、やがてどハマりしました。

[MOEMIさんの感想 · 2022年2月18日]

周り(世間一般)が思う幸せよりも、自分なりの幸せ(自分がどうありたいか、どうしたいか)を求めていいんだと思える本。

居場所はあるものじゃなくて、自分で作っていくものだし、幸せも同じなんじゃないかな。

蜜蜂が集められる蜂蜜はスプーン1杯分。
ひとさじの蜂蜜に蜜蜂の一生が詰まってる。

私たちの一生分はどれくらいなんだろう。

[なーさんの感想 · 2022年1月31日]

幸せを追求するのではなく
自分がどう生きたいかがなにより大切であり、自分の明日は自分で変えられる
と勇気を与えてもらえるようなお話 ‪

著者プロフィール

1977年佐賀県生まれ。大阪府在住。2014年『ビオレタ』で第4回ポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。他の著書に『わたしの良い子』、『大人は泣かないと思っていた』、『正しい愛と理想の息子』、『夜が暗いとはかぎらない』、『架空の犬と嘘をつく猫』などがある。