仕事の問題地図 ~「で、どこから変える?」進捗しない、ムリ・ムダだらけの働き方

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  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774187747

感想・レビュー・書評

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  • 仕事は生き物
    私達も生き物
    「正論」や「べき論」をふりかざしてもどうにもならない。
    キレイゴトだけの対策を並べ立てても駄目。

    子供たちをルールで縛っても上手くいかない。夏休みの宿題を子供にやらせるためにあの手この手を使うように、仕事もあの手この手が必要。

    という冒頭の記載に共感した。
    法規制や急激なグローバル化で、日本の働き方改革が急務になる一方で、やり方を変えようとしない、面倒がる人達が立ち憚り、早く帰れ!でも作業は今まで通りの手順で!時間がない?何とか工夫しろ!という部下泣かせの指示が増えている気がする。

    メンタル者をこれ以上増やさないために、業務改善をもっと全体で行う必要があると思い、読んでみる。

    特殊な職業を除き、一般企業に勤める人達にはとても分かりやすいと思う。
    プロジェクトマネジメント問題はIT開発系にとっては、あるあるで、特にバッファを持たせてもらえないとか、他部との連携がうまくいかないとか、下請けの品質とか、あーわかるー…。

    仕事が終わらない原因は色々。
    ①仕事の進め方の問題
    ②個人のスキルの問題
    ③意識や気持ちの問題
    ④職場環境や雰囲気の問題
    ⑤有識者不在の問題
    ⑥人間関係の問題
    ⑦組織風土の問題
    これらが相互に絡まって、問題をややこしくしている。

    これらの問題の根幹を分析すると、

    1.計画がない
    →勘だより…上司や先輩が背中を見せられていない(プレイングマネージャーとなり抱え込む)
    →計画の標準系がない…過去のやり方が共有されていない、有識者任せで後任が育たない
    →やるべきことがわからない…新しいこと、未知の作業の場合、どんなに頑張っても試行錯誤する必要があるが、他のやり方を学ぶ機会がない

    2.進捗が人任せ…日本特有の思いやりや信頼という名の相手依存。「いつか報告してくれるだろう」「聞かれたら答えよう」の姿勢。
    →自主性は低いが、決められたことはきちんとこなすのが得意な日本人。コミュニケーションをとる機会を強制的に設ければやる。(週一のミーティングや、問題が発生したときの手段とメンバー、変更が発生した場合のフローを作る)

    →管理を、外部に委託する(PMO専門チーム)
    ⇒ただこのチーム、解決策を提示しない(出来ない)ので、ただただ相手を追い詰めるチームになりかねないから危険かも。相談や交渉も担ってくれるなら心強い。

    3.一体感がない
    →意識バラバラ…これは普通の事のような気が…。特に世代間で価値観が全然違うし。仕事に対するやる気うんぬんは前提だから省くけど、効率重視の人と作業量重視のパターンがあるので、チームを分けたら良いと思う。売上も利益も会社は無視できないからね。
    ただ、目的と目標の内容、そしてその根拠は説明してほしい。変わったらその情報も連携して欲しい。
    →一部の人だけつっぱしる
    →終わりが見えない…よくあるやつ。いつになったら変更依頼は終わるのか?…気がすむまで!どこまでもだ!みたいな回答はめっちゃモチベーション下がる。終わりを決める権限を持ちたい。これ以降は無理だと契約切れるような交渉も出来るようになるのが目標。

    4.低モチベーション…これが一番目から鱗だった。この仕事を通して何が成長するのか?後の世界や未来が見えているか?という質問に答えられない。目の前の仕事を期待値通りにやる(のは前提として)、それだけでは自分の成長に繋がらないんだなと思った。
    コミュニケーションの場が無くなり、不適材な配置、助け合わない風土、互いを信頼しないを改善する気風がない。あいまいなやらされ感が蔓延したらマズイ。
    →無駄な飲み会は確かに不要だと思うけど、ランチ会でも、提案会でも、誰がどんな作業が得意で、どんな人間なのかを知る場所がなければ管理も指示の方向性もつかめない。集まって愚痴大会で終わらない、コミュニケーションの場がほしいなぁ。
    →イノベーション、叫べば下がるモチベーション 名言!何を変えたいのかわからない場合は確かにそうなる(笑)

    まぁ、期限の延長とか、スケジュールの見直しを認めない横暴な親会社とかがいなかったら、偽装◯◯とか、起こらないと思うけども…。

  • すごい読みやすく、共感するポイントも多くあった。
    =3年も前の本なのに、ちょっと焦りを感じていい気がしました。

    まだいい方向に動ける。
    動きます。

  • おもしろかった、仕事したくない

  • これを読んですぐ改善できるわけではないが、何丁目からトラブルを潰していくかを決めて、その手法に関する本を読んで実行→改善はできそう。方針決めに役立つ。

    かなりエッジの効いた皮肉な?調子。これまでかなり苦労されたのがうかがえる。イラストがかわいいし、文章も単調ではないので飽きずに最後まで読める。『システムの問題地図』と言っていることは同じかも。

    社内の人の愚痴や不満を聞いてから読むと、そうそう!とかなり共感できる。各事例も身近なものに感じて、うちはどこからなら改善できそうかと、地に足ついた感じで読める。

  • 1.計画不在
    2.進捗不明
    3.一体感がない
    4.モチベーションが低い
    5.期限に終わらない
    ・インシデント管理、バッファ
    6.意見をいわない
    7.有識者不在
    ・外部委託、頼る
    8.抵抗勢力の壁
    9.対立を避ける
    10.失敗しっぱなし
    ・失敗の改善、共有

  • イノベーション
    叫べば下がる
    モチベーション

    笑っちゃいましたが朝礼でこれ言いたいですね。言えないけど。

  • 多少参考になるところもあった。

  • 仕事能率アップの基本書。本書は日本の仕事にはびこる様々な問題を言語化してくれる。2017年の本なので今のトレンドより少し情報が古いものの、それでもきっと多くの人に共感できるポイントがある。私自身は新卒入社以来、マニュアルが存在せず、先輩からも満足に説明してもらえない状況の中で、業務理解が全く進まなかった。しかも周囲からのサポートもないのに業務計画を立てよという無理難題に頭を抱えてきた。着々とモチベーションが削られた。本書をヒントに身の回りの世界を改善したいと、久しぶりに思うとができた。

  • あるあるが多い…
    そして、余裕がない日々の中では、うまくいってなくても改善より気力でなんとか回そうとしてしまう…よくないよくない。

    新人研修でやったMECE、図で進捗報告、重要と緊急のマトリクスを、定期的に思い返すことが大事だと思った。

  • 古典的な日本の大企業に勤めてる人には役に立つかも

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著者プロフィール

作家/ワークスタイル&組織開発専門家
あまねキャリア株式会社CEO/株式会社NOKIOOアドバイザー/
株式会社なないろのはな 浜松ワークスタイルLab所長/
ワークフロー総研フェロー
日産自動車、NTTデータなど(情報システム・広報・ネットワークソリューション事業部門などを経験)を経て現職。350以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演を行う。

「2023年 『悪気のないその一言が、職場の一体感を奪ってる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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