竜の学校は山の上 九井諒子作品集

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  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781605456

感想・レビュー・書評

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  • 表紙のケンタウロス奥様がインパクト大な丸井さんの初短篇集。
    魔法や人ならざる者が普通に存在している「ここではないどこか」で生きる人達を描いた、切なかったり優しかったりする九つのお話が収録されています。
    これ以降の丸井さんの作品全般に言えますが、日常⇔非日常の距離感が絶妙で気持ちいい。
    ファンタジーというか、SF(すこし・ふしぎ)。
    繊細で見やすい絵柄もいいですね。何より女の子がべらぼうにかわいい。神としての龍と生物としての竜の描き分けや半人半獣の者たちなど、人外キャラへのこだわりが感じられるのもイイ…上は若妻・下は駿馬とかいう素敵なフェティシズム。
    各話の要素が盛り込まれた表紙を読み終わったあとに眺めるのも楽しいなー。

  • 『竜のかわいい七つの子』がおもしろかったのでこちらも購入。
    とてもおもしろかった。
    ドラゴンクエストなどのRPGのような世界観と、そのテンプレートともいえる設定を皮肉ったようなストーリーで四本、昔話のような日本のとある田舎での神様の嫁取り、人間とケンタウロスがふつうに共存する世界での日常話、翼のある同級生の女の子の話、竜がいる世界の大学生の話、ちょっとアヤシイ実験?の話、が入っている。
    最初の四本以外はどれも、日常にちょっとしたRPG要素が入っているような、ふしぎな世界観がおもしろい。
    やはり特に好きなのは『現代神話』。奥さんがかわいくてならない(笑)。
    この本が出版された直後、ケンタウロスが出てくる漫画があると聞き知っていた。ケンタウロスといえばえすとえむさんで、流行ってきてんの?と思った覚えが。『はたらけ!ケンタウロス』とある意味似ている世界である。

  • これぞファンタジーの極意と思います。
    なにかというと、
    現実の世界に明らかなるファンタジーを持ってきて、
    かつそれが「本当らしく」感じさせることに成功している。
    ファンタジーって、直裁に真実を描く以上に、鮮やかに細やかに強調されて、訴えることのできる 手法の一つみたいなもんだと思う。
    現実の比喩みたいな。

    ありえないことなのに、なんかわかっちゃう。

    共感を抱くことのできるのは、作者さんの観察眼と表現力の賜物だ。

    ただ「RPG」「美女と野獣?」の作品の筋書きが、改訂されているところは、残念だった。
    正直説明的になってしまっていて、前の方が美しかったように思えるから。

  • 短編ファンタジーです!

    絵も丁寧に買い込まれていて
    とても読み応えがあります
    迷っていいる方がいればぜひ読んでください!

    今まで読んだ漫画の中で
    気に入ってます

  • ”短編であることのよさ“をこんなに感じられた作品は久しぶり。
    ファンタジーなのかリアルなのかの境界が無意味に思われる。

    1話目(『帰郷』)がものすごく好きだ。
    言わせずに、ただコマと絵で魅せるだけ、という箇所が多々。
    内容も好みだったしな。

    3話目はタイトルも好き。
    『魔王城問題』て。
    いい話だった。

    ただ、インパクトと愛おしさでいったら
    『現代神話』のしーちゃん。
    これを見て、やっと
    「読め! ケンタウロス」の
    あの主婦ケンタウロス氏はこれだったのか、と気がついた。
    しーちゃん、ともかくめちゃくちゃ可愛い…!!

    全編に見逃せない細々としたものがちりばめられていて、
    大変お気に入りな1冊になりました。


    カバー下の隠しは必見!!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「竜のかわいい七つの子」と言い、竜がお好きなのかな?
      「竜のかわいい七つの子」と言い、竜がお好きなのかな?
      2012/10/23
  • 少し値段が高めで手を出せずにおりましたが、買ってみたら……面白い!!
    サイトで見たことがある物もそうでないものも、どちらも楽しめました。買ってよかった~!

  • 天使の話だけpixivで見たことがあったけど、やっぱりこれが一番心に残るな。
    能力を持つ者が持たぬ者に合わせる必要はなく、その能力でやるべきことをがやるのが持たぬ者にとっても救いでもある。それはむしろ能力を持った者の義務ですらある。男の子が空を飛んだ天使の子を見たとき、その美しさと何もない普通の自分を心の奥底で比較しながらこんなことを感じたんじゃないかと自分は思いました。
    今はオリンピックもやっていて天才をよく見る機会もあるのでより一層こういうことを思ったのかもしれません。
    あとはケンタウロスの話も良かった。これもやはり人々の能力の差とそれにつきまとう悩みやら笑いやらの話。

  • ネットで薦められていてあまり期待せずに読んだのだけど、意外にも面白かった。魔王討伐後の勇者の物語や、ケンタウロスや竜が実社会にいたら・・など、ちょっと変わった視点の短篇集。それでいて、ファンタジーに振り過ぎないうまい立ち位置で描かれている。

  • SF/お伽噺/なのにロジカルな日常落とし込み

  • 絵が巧み。
    よく練られた世界感で非日常の世界が無理なく心に響く。

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著者プロフィール

pixivやコミティアで活動し、2011年、短編集『竜の学校は山の上 九井諒子作品集』でデビュー。13年『ひきだしにテラリウム』で、第17回「文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞」を受賞。14年より「ハルタ」にて連載開始した『ダンジョン飯』は、「2015年度コミックナタリー大賞」「このマンガがすごい!2016」オトコ編、「THE BEST MANGA 2016 このマンガを読め!」「全国書店員が選んだマンガランキング2016」と数々の賞で1位を獲得した。

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