銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

  • 草思社
3.97
  • (280)
  • (234)
  • (233)
  • (27)
  • (5)
本棚登録 : 2668
感想 : 244
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794210067

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • もはや古典の域

  • なぜ中国ではなく、欧州が覇権をおさめたのか。
    その点に関する考察をもう少し詳しく行って欲しかった。

  • 資料番号:010116549
    請求記号:204ダ

  • 現在地球で最も影響力を及ぼしている人々はユーラシア大陸の中間〜西部にその源流を持つ。
    それは、その地に「たまたま」栄養価の高い植物が育つ気候があり、「たまたま」家畜化しやすい動物が居住しており、さらに「たまたま」大陸が東西に長く、それらの農耕文化が類似の条件の下で伝播しやすかったという偶然の重なりの故だった。

    単純に考えると狩猟採集の民の方が暴力的で攻撃的に思えるが、それは違うという。農耕民こそが余分な食料を蓄えられ、軍事を専門に行う人間を育成する余裕があった。そして農耕を行う場を拡大するために抗争が生じる機会も多かっただろう。

    著者は、植物の栽培化〜動物の家畜化〜土器〜村落〜首長社会〜金属器の普及〜国家〜文字〜鉄器の普及、という段階を設定し、世界の各地域が歴史上どの時点でそれぞれの段階をクリアして行ったかを示しているが、当初はほぼ違いがなかったものの、やはり徐々にチグリス=ユーフラテス地域と中国が突出して他を引き離して行ったことがよくわかる。

    ではなぜ中国は現時点でチグリス=ユーフラテスに先陣を譲ったのか。その分析は面白い。
    それは、あまりにも中国が「統制されすぎて」いたためなのだという。ユーラシア西部にあってはローマ帝国以来、政治的には何百という勢力が常に動く国境を巡って権力を移動させて来ており、それが「より拡大する」動機を刺激していたといえる。だからこそクリストフォロ・コロンボは何度もスポンサーを求め(彼らにとっての)新世界に旅立つことができたのだった。
    しかし中国にあっては、せっかく鄭和のアフリカ遠征があったところで、その益を誰が取るかという権力内部での抗争があればその継続は一巻の終わりになってしまう。

    権力は固定されるとロクなものではなくなるのだろう。
    それは現代を見ていてもよくわかることだ。固定と統一を目指した権力は多くの抗争を経ながら最終的には崩壊していってしまうのだから。

  • 上巻に引き続きタイトルをキーワードに人類史の謎に迫る本。

    ・栽培化や家畜化の候補となりうる動植物分布の違い
    ・(情報や技術や政治制度の)伝播速度、地形による伝えやすさの違い
    ・異なる大陸間での伝播要因の違い(異文化に触れ合う機会)
    ・大陸の大きさ、総人口の違い

    筆者は大陸ごとに異なった発展を遂げた理由を以上の4つにまとめる。
    もちろんこれだけでは不十分だし説明できないことがあることを認めてなのだが、そう考える理由はこの長い上下巻を読んだ人なら納得がいくのではないだろうか。

  • 非常に興味深い内容が多く、新たな知識を得ることができた。
    特に、人類の科学技術の発展については非常にサクサクと読み進めることができた。

    ただ、少々長すぎてたまに辛かった。
    (人類史がテーマのため仕方が無いけど。)

  • 上巻にまとめました。

  • 上下巻読むのに疲れました。そして、自分って歴史も科学も政治も何も、知らないことだらけだなーと痛感させられた本。

    ふと食卓に目をやると、陶食器も金属のカトラリーもガラスの器も、肉も野菜も穀物も調味料も、それらを調理したガスも水も電気も、先人たちの途方もない試行錯誤で完成されたものなんだなーと思うと、一層有難い。

    下巻は日本が殆ど出てこない。でも今のような文明を築いているのは積極的に変化していく民族性、良いものを取り入れいていく好奇心と受容性だったんだなと理解。
    今では保守的な民族みたいになってるけど、稲作を取り入れる、漢字を取り入れる、宗教を取り入れる、銃器を自分たちで作れるようになる、同じ状況下でもそれを行わず興味も示さず今も先史時代と変わらない民族がいることを考えると、とんでもなく好変化の国!なんて思っちゃったり。

    ピューリッツァー賞一般ノンフィクション部門受賞作品。

  • なるほど、そういうことなんだと、
    知的好奇心を刺激させられつつ楽しく読了。
    でもちょっと長い。

    1998 年 ピューリッツァー賞一般ノンフィクション部門受賞作品。

  • 文字と社会体制が終わると、オーストラリア、中国、アメリカ、アフリカなどの個別事例に移ってしまい、正直ちょっと退屈だった。とはいえ、上巻に続き発展の格差が生まれた原因を広い視点で書き進めており、面白い。

全244件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

1937年生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校。専門は進化生物学、生理学、生物地理学。1961年にケンブリッジ大学でPh.D.取得。著書に『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』でピュリッツァー賞。『文明崩壊:滅亡と存続の命運をわけるもの』(以上、草思社)など著書多数。

「2018年 『歴史は実験できるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジャレド・ダイアモンドの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
カズオ イシグロ
フランツ・カフカ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×