最後の証人

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796676861

感想・レビュー・書評

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  • 最後のどんでん返しは気持ちよかった。
    ストーリーとしては「本懐」の方が好きだった。

  • 子どもを交通事故でなくすが、犯人と思しき人は決定的証拠がなく起訴されない。公安委員長であったことから、警察は彼が飲酒して事故を起こしていたことを隠してしまう。ふとしたことから彼に落ち度があることをしった両親。奥さんはガンで余命いくばくもないことから、彼に近づき殺害しようとする。というとよくある話なのだが、実際は、彼のホテルの部屋で二人になったところで自殺する。彼が犯人であることを期待して。当たり前に話は進まないだろうと思っていたが予想通り意表をついた犯罪になる。とはいえ、柚月裕子にはもっとスゴイトラマを期待してしまうので、情緒過多な展開はイマイチでした

  • さすが柚月裕子だけあって、サクサク読ませながらも、決して軽くならず、重みのあるストーリーが最後まで続きます。
    ミステリーとしても、上出来。サプライズも良い。
    この作品から後も同じ主人公でシリーズ化されているとのことですので、是非読んでみたい。今作だけでは、まだ主人公のキャラが十分に立っていないような気がしますので。

  • 検事の佐方の方が、組織の中にいる分、その中でプロとしての使命、正義を発揮する様がより感じられたような気がする。ただ弁護士の佐方も人間の本質を見るという点でなんら変わらなかった。揺るがない芯を見せつけられた。

  • 罪とは?正義とは?

  • 結構最初からミスリードさせようという意図が見え見えで、読後はやっぱりねと思ってしまった。もうちょっと巧妙な仕掛けをして欲しかった。

  • 名手、柚月裕子の初期作品です。魅力のあるおっさんを描かせたら古今東西No1ではないかと思います。本作では正義漢の元検事である弁護士が主人公です。以降の泥臭い魅力満載のおっさんたちに比べると印象薄い、スーパーマン的なハイスペック主人公ですが、その人間ドラマの濃さは以降の名作たちと遜色ないものであります。
    本当にそんなことが可能か?と首をかしげたくなる心をなだめて読めば、素直な感動が訪れる作品です。

  •  『素晴らしい!』の一言。
     読み終えてしばらくは鳥肌が治まらなかった。なんで今まで読まなかったのだろうという後悔と、読んで良かったという満足感で満たされている。
     私の中で柚月裕子さんと言えば『孤狼の血』で、好きな作家の一人だが、なぜか本書はなかなか手に取らずにいた。検察であったり弁護士であったり、なんとなく堅苦しい感じがしていたし、物語としてもそれほ魅力を感じなかったからだ。しかし、その考えは良い意味で見事に裏切られた。

     ヤメ検である佐方の元に弁護の依頼がくる。佐方は元検事で、今は優秀な弁護士だ。佐方が請け負う仕事は、報酬や勝算は関係なく、事件が面白いかどうかで決める。その相手となるのが若き女検事、真生。彼女は父親を心神喪失者に刺殺され、罪は罪として裁かれなければならないという信念の元、検事をしている。
     状況証拠、物的証拠は全て被告人が有罪であることを示している。佐方に勝算はあるのか。ここで、タイトルにもなっている『最後の証人』が重要な役割を担ってくる。

     さて、この本筋と並行して、ある事件を通した被害者の父親の視点からの物語がある。被害者は高瀬卓。小学生だ。塾の帰り、信号無視をした飲酒運転の車に轢かれ死亡。目撃者は一緒に帰っていた友人のみ。本来は起訴されるべき犯人は不起訴処分となった。
     この事件に不満を持った父親は警察に訴えに行くが、けんもほろろに追い返された。その犯人は公安委員長をしている人物だったのだ。警察や検事に事件を握りつぶされた夫婦は復讐を誓い・・・。

     この過去に起こった交通事故と今回の裁判がどう結びついていくのか。

     登場人物の心理描写もさることながら、物語の構成が素晴らしい。これが本当にデビュー2作目なのだろうか。過去の事件と現在の裁判を並行させながらも、最後まで誰が被告人であるか(途中でわかってしまったが)をわからせない仕掛けにも脱帽。
     そして、最後に必ず読者は救われる。
     

  • 颯爽の登場だった若手検事 佐方貞人が節を曲げられずに辞してヤメ検弁護士になって現れたけど、これもなかなか面白かった!
    何故にこんなヤツの弁護を引き受けたのか と納得出来ないままに読み進めたら なるほど 痛快な意味深い無罪獲得の法廷だった♪
    かなり凝った勧善懲悪物語ではありました。

  • 本懐・死命・証人と順序逆に読んじゃったんですが…凄い!どれも面白かったけど、この証人は色んな意味で凄かった~!

    読み手をミスリードさせる(思い込ませる)ための伏線の張り方とか展開・構成が上手すぎる~!まさかこんな展開だとは夢にも思わんかったよ。
    (個人的に)今年一番の大傑作!
    刑事モノ・裁判モノが好きな人には、文句無しにオススメしたい1冊です(´▽`)

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚月裕子の作品

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