おやすみラフマニノフ (宝島社文庫) (宝島社文庫 C な 6-3)
- 宝島社 (2011年9月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796685825
感想・レビュー・書評
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芸術系の大学、専門学校に進む多くの若者。ただ、そのほとんどが道半ばで挫折し、入学当初とは全くベクトルの違う職場で芸術以外の職能で生活の糧を得ている。よほどの才能と運がなければ芸術では飯を食っていけない。冷徹で厳しい世界がそこにはある。将来に対する不安や焦燥に苛まれながら何の役にも立たない助走を延々と繰り返さなけれならない。決してグラウンドには呼び出されず、控室の隅で黙々とストレッチを続けるアスリート。あまりに無意味で滑稽で切ない。そんな尊い犠牲あればこそ、我々は芸術を楽しませてもらえている。あらためてそんなことに思いを至らせた。
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どんでん返しありきで読み始めるからか、一人一人の言動が気になって、ワクワクというかドキドキというか…
なのでこれがとても楽しくて、中山七里さんはやめられない。
苦学生の苦労があまりにも半端なくて切なかったのと、豪雨の夜に奏でた一曲のクラシックがこれほどまでに人の心にしみわたるのだと感銘を受けたのが、とても印象深い作品となった。 -
ラフマニノフの名曲多数ににチャイコのVnコンチェルト、好きな曲のオンパレードで、ドキドキしました。大好きな本です‼️読むたびに曲を聴き直したくなります。本当に、音の曲の表現力といったら。
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読み終わってから知った。単行本で一度読んでた。どうりで既視感が。
そのときはたいして評価していなかったようだ、私ったら。
音楽も間接的に楽しめるし、フーダニット、ハウダニットも味わえる。このシリーズ読み進める価値あり!!とまあ、勝手に太鼓判。
二度読み、図らずもしてしまった自分への言い訳。 -
中山七里さんの音楽ミステリーは初めて手にしてみたが、これもまた心を鷲掴みにされるほどの最高傑作だと思えた。もちろんミステリーであるが、まるでコンサートホールにいるような、オーケストラを身近で聞いているような錯覚になる。作品そのものがオーケストラのように強弱をつけて物語っていて、読み終わった時にはラフマニノフの生オーケストラを時間をかけて堪能した気分になれた。また新たに中山七里さんの世界観を味わえたことが嬉しい。
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■密室で消えた2億円のストラディバリウスを追え!
秋の演奏会を控え、第一ヴァイオリンの主席奏者である音大生の晶は初音とともに、プロへの切符をつかむために練習に励んでいた。しかし完全密室で保管されていた、時価2億円のチェロ、ストラディバリウスが盗まれる。脅迫状も届き、晶は心身ともに追い詰められていく。さらに彼らの身に不可解な事件が次々と起こり…。メンバーたちは、果たして無事に演奏会を迎えることができるのか。ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」がコンサート・ホールに響くとき、驚愕の真実が明かされる。 -
いやー、心打たれました。音楽シーンに。さよならドビュッシーと一緒で、やっぱりミステリー部分は軽いなーと思わざるを得ず、音楽青春スポ根としておもしろい。出てくる曲を聴きながら読むと、その表現力に吸い込まれ感動が増幅する。後書きのピアニストの方も言ってるけどCDつきにすればよいのに。
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ミステリーとしては1冊目ほどの驚きはない。ですが、音楽関連の描写はさらに磨きがかかっている印象です。クライマックスとも言えるオーケストラ演奏は、当然ながら演奏が聞こえてくるわけではないけど、その疾走感はまるで本当に演奏を聴いているかのような錯覚すら覚えます。
クラシックに興味がある人にも、ない人にも読んでほしい1冊です。 -
最後の最後にいつもびっくりさせられる。
音楽の描写がすごい。